小手先の作業 再び

初対面だけど信用して！

　ひょんなことから、ふだんあまり行かないコンビニに行きました。

　よく行くところは、スタッフみんな顔見知り――ってこともありませんが、大体欲しい品物をかごに入れて差し出し、バーコード読み取りの済んだ順から、自分のトートバッグに自分で次々と入れ、最後に精算して帰るという流れです。
　これで目覚ましい時短になっているかどうかは分かりませんが、まあまあ早目に済んでいると思います。
　根っからのビビリなので、後ろに人がいようがいまいが、「精算を一刻も早く終わらせて、この場を離れる！」が目標になっている気がします。

　あまり行かないその店コンビニでも、それで通そうとしました――が、「袋をお預かりします。お詰めしますので」と笑顔で言われてしまいました。

　マイバッグではなく普通にたすき掛けにしていたトートバッグのゆとり分に入れるつもりだったので、鍵やスマホ、手帳といった私物が入りっぱなしです。今は取り出して手に持っていますが、つい数十秒前さっきまでは財布も入っていました。

「あの、ほかにもバッグにいろいろ入っているのでちょっと…」

　と言うと、一応品物を自分で入れる方法を認めてもらいましたが、途中で「あること」に気付きました。
　要するにこの方法だと、支払いをバックれられるリスクもあるということです。

　かといって、お店側が客相手にそれを率直に言うわけにもいきません。
　私のようなぼーっとしたどんくさいおばちゃんが、敏捷性を要するかごダッシュみたいなことをするとは思っていないかもしれませんが、それは「客わたしを全面的に信用している」ということにはなりません。
　正直心外ではありますが、店の立場からすると仕方のないことでしょう。

　たまたま同行していた次女（レジ打ち経験者）に、帰り道、「これからはできるだけ買い物用のバッグは別持ちして、入れてもらうようにしようかな」と言うと、深く深くうなずいていました。やっぱりお店的にはその方が安心なのね。

◇◇◇

　私はレジ袋有料化よりはるか昔から、30年来のマイバッグ愛用者ですが、昔、某ドラッグストアでレジ袋を断ると、やはり「こちらでお詰めします」と言われました。
　そのチェーンは小さな店舗が多く、サッカー台に物があれこれ置いてあって、客が自分で袋詰めするスペースが狭い（またはない）ので、レジ段階で店員さんが袋詰めするのが普通だったのです。
　そういえばあのときは、2、3回断ってやっと自分でやらせてもらっていたなあ…。

　お店にしてみれば、サービス（兼防犯）だったのでしょうが、袋詰めの仕方は個人の趣味や都合が影響することもあります。

　食パンなど柔らかいものが袋の下部でつぶれるような入れ方をする従業員が稀にいる、帰り道でお菓子をつまみ食いしたいので、そのパッケージをできるだけ上に置いて取り出しやすくしたい、牛乳の1リットルパックを縦に入れるか横倒しにするか問題まで（＊＊下記注）、本当に些細なことばかりですが、食品の買い物頻度が高い人にとっては、この些細なことの積み重ねが結構なストレスになるものです。
　ならば、多少「やらかし」があったとしても、自分でやったことならある程度諦めがつというものでしょう。

　やらかしといっても、肉や魚のパックをポリ袋に入れるのを面倒がってじか入れし、お気に入りのマーガレットハウエルの布製トートに肉から出たドリップ液で染みをつくって大後悔――という、どっかのものぐさ太郎ならぬものぐさ花子さん程度の話なので、「アホが」と笑っとけばいいんです。

　くだんのドラッグストアの場合、サッカー台の上をもうちょっと片付けてくれていれば済んだわけで、かごダッシュのリスク以前の話で、そのこと自体を不満には思っていました。
　しかしもうちょっと柔軟に「袋詰めのプロに任せて、自分のやることを１つ減らす」くらいに考えた方が、ストレスは軽目で済むのかもしれません。パンがほかのものに圧迫されてつぶれるように入れる人は滅多にいないと信じたいし。


＊＊
そもそも牛乳パックを横倒しに置く場合、注ぎ口の一文字になっている部分は、横向きではなく縦向きになるようにした方がいい――と、かなり前のお昼の情報番組で、成城石井のスタッフが話していたのですが、その根拠が幾ら調べても欲しい情報が出てきません。というか、いったいどのワードでどう調べたらいいのやら。
口を横向きに入れると、内側の液体が注ぎ口の部分に触れる面積が増えて長持ちしない――とか、そんな理由だった気がしますが、そんなに根拠のある話かどうかは不明です。