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「好きなものを二つ挙げてみて」
しおりを挟むただいま「内職中」です。
もともと内職(在宅で請負業)で音声書き起こしの仕事をしていることは、エッセイやブログで書いてきましたが、そういう意味ではなくてですね。
学校時代、授業以外のことをコセコセやることを、俗に「内職」と言いましたか?ちょうどあの感覚です。
私は授業は授業として聞いたりノートを取ったりはするものの、受験のために力を入れたい科目をこっそり勉強したり、手紙を書いたりしていました。
漫画や小説を書く趣味がある人なら、創作活動にいそしんでいたことでしょう。
教師に見つかった場合、小・中学生だときつく叱られたかもしれませんが、高校生ぐらいになると「私語と居眠り以外は黙認」というスタンスの人も結構いました。
何にせよ、本業(授業)がおろそかなのには違いないのですが。
今お預かりしているものが、どうも音源がクリアでない上に、話者の話し方が無駄に早口だったり、「ここでその単語使う?」と思うような言い回しだったりして疲れるので、どうにも集中力が続きません。
かといって、納期的にボチボチ進めなければならないので、全くほっぽってよそ事(動画を見る、雑文を書く、寝る)のもはばかられまして。
そこで、耳慣らしのためにBGM的に音源をチェックしながら、この雑文を書いている次第です。
かといって、きちんと耳慣らしになるかどうかは分かりません。「やらないよりまし」程度の感じです。
◇◇◇
「随筆」とはよくいったもので、何かしら書きたいなと思ったときは、とりあえず随筆でしょう。
この間、どういう意図で聞いたかは忘れたものの、娘にこんな質問をしたことがありました。
「『好きなもの二つ挙げて』聞かれたら、何て答える?」
彼女は迷いなく「ウサギとドーナツ!」と答えました。
これを「三つ」なら何を足すかと聞いたところ、「えー、お茶?でも最近は緑茶より紅茶だから、どっちかに絞るの難しいし、神社とかで写真撮るのも好きだし…あ、絵は見るのも描くのも好きだしなあ…」と、途端にあっちに行ったりこっちに行ったりし始めました。
日本人は「3」という数字が好きだとか、スピーチや仕事のプレゼンのときはとりあえず、「ポイントは3点あります」と言ってみると、自然に考えがまとまる――みたいな指南を見たことがあるし、落語の「三題噺」や、転じて三つのキーワードで小説を書いてみるみたいな試みもよく見かけます。
となると、並べるなら三つの方が何となく据わりがよさそうなものですが、娘は三つになった途端に迷い始めました。
ちなみに私は「そういうお母さんは、好きなものを二つ聞かれたらどう答えるの?」と逆に尋ねられ、答えに詰まってしまいました。そして少し考えてから、「これとこれっていうか、二つのことを同時にするのが好きかな?」と答えました。
「それ、どういうこと?」
「お茶やお酒飲みながら料理したり、洗濯物たたみながらアニメ見たり」
「なんかずるい答えだね」
「いいじゃん」
どちらも自分にとっては能動的な行為なので、立派に「二つ」だと思ってはいるのですが、「ながら」という行為自体を一つとみなされてしまうと、もう一個に関しては、多分、娘以上に迷うことでしょう。
「お父さんとあなただよ」とでも言えればいいのですが、私にはもう1人娘がいるしなあ…。
そうだ。「家族」と「ながら作業」。これでいきましょう。
突っ込まれるまでもありません。めっちゃ卑怯なのは分かっています。
「私のドーナツとウサギみたいなくくりのはないの?」
「うーん、モンブランと猫…は好きだけど、何かこういうとき挙げるのも違うし…」
「お母さん、ボタンとか布とか好きで集めてたよね?ああいうのは?」
「それ“も”好きかな。集めてるって意味では、喫茶店のマッチとか付箋とか集めてたこともあるし」
「気が多いね」
「あなたもあんまり変わらないでしょ?」
「私はケーキもお饅頭も好きだけど、ドーナツにはかなわないし、雑貨や文房具も“うさぎかそれ以外か”で選ぶよ?」
「ROLANDか!」
今プレイヤーをチェックしたら、あと6分で音源が終了するようなので、そろそろ「サゲ」入りましょう。
今日のところは「ビール」と「トマト」にしておきます。
ごま油とポン酢と刻み青じそでざっくりつくったドレッシングで、義実家からもらったプチトマトを食べたい。
お酒はビール――というか、多分買い置きの金麦を飲むと思います。
一日の終わりに清々とお酒を飲むために、さっさと作業に戻らなければ。
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