【R18】Jasmine 俺のカノジョはとびきり魅力的で――飛び抜けてインランらしい

あおみなみ

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第9話 最初で最後【俺】

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やっぱりには目が行ってしまうもので

◇◇◇

 俺は30キロ離れた街の大学に、毎日電車で通っている。
 下宿するほどでもない距離だが、田舎での電車通学は億劫だ。
 割と雪国だから降雪には強いくせに、強い風に弱く、そのせいで徐行運転や運休も割とある。
 下宿するかわりに、部屋に自分専用の電話回線を引いてもらった。
 これで家族に気兼ねせずカノジョと話せる。

 会えなかった日でも電話で話せるのはうれしいが、声を聞くと会いたくなるし――抱きたくなる。

 若い男はすぐそれだな!と呆れられそうだが、こればかりはカノジョと寝たことがある人間にしか分からない感覚だと思う。

 それぐらいカノジョに夢中だった――はずだった。

◇◇◇

 大学の最寄り駅付近の、よくあるチェーンの居酒屋。
 最初は同性の仲間内(3人)での気取らない飲み会だったが、『あー、未成年のくせにー』と、けたたましく顔なじみの女子学生が2人、合流してきた。

「自分らだって未成年だろ?」
「うるさいな。そんなことより、ヤローばっかりで飲んでて楽しい?」
「ほっとけ」

 そんな感じで俺の隣に座ってきたのは、学校では比較的口を利く、ちょっとぽちゃっとした子だ。まあまあかわいい。
 俺たちの街よりさらに雪深い土地の出身で色白の上、酒にあまり強くないようで、肌は簡単に桃色に染まっていったのがよく分かった。

「飲み過ぎじゃない?大丈夫?」
 心配になって声をかけると、俺にしなだれかかり、『優しー。送ってくれるの?』と言ってきた。相当酔っぱらっているようだ。

「まあ、送るくらいはお安い御用だけど…」
 俺がそう言うと、なぜかほかの連中も『そうだな、もう飲まない方がいい』『送ってってやれよ』『お任せしていいかな?(女)』と畳みかけるように言ってきた。

 後で分かったことだが、全部、俺に興味を持った色白女子の作戦で、ほかの連中はそれに手を貸しただけらしい。
 その証拠に、家に着くなり彼女の酔いはうそのように冷めていて、帰ろうとする俺を引き留め、自分から首に巻き付いてキスしてきた。

「あなたのこと、入学したときからずっと好きだった――抱いて」
「いや、俺にはカノジョがいるし…」
「そんなこと言って…これは何?」
 そう言って、俺の股間の盛り上がりを指先でつっと撫で上げた。

 しばらくカノジョとシてなかったことと、色白ちゃんのおっぱい(カノジョよりでかそう)が押し付けられたことで、俺の股間は大分正直になっていた。

「付き合ってなんて言わないから。ねえ、抱いてよ」
 女の子がここまでするのは勇気が要ることだろう。
 据え膳食わぬは何とやらではないが、半泣きでそんなことを言われ、指一本入れ――もとい「触れ」なかったでは、逆恨みした色白ちゃんに、逆にあらぬことを言いふらされる可能性もある。

 俺はシャワーも浴びず、求められるまま色白ちゃんを抱いた。
 胸もでかいが腹も大分ぽっちゃりしている。しかし、その柔らかさが心地よい。カノジョにはない良さがあった。

 そのまま家に電話もせずに、朝を迎えてしまった。

 『飲んで友達の家に泊めてもらった』と電話すると、かーちゃんに『今度からそういうときは事前に電話しなさいよ』と小言を言われた。

『そうそ。あんたの部屋の電話、何度か鳴ってたみたいだけど』
「えっ」
『内容までは知らないけど、留守電吹き込んでたみたいだから。後で電話しなさいよ。カノジョちゃんだろうけど』
「あ、ああ…」

 俺が電話を切ると、色白ちゃんが俺に後ろから抱き着いてきた。

「ねえ――すっごいよかったよ。またしよう、ね?」

 俺は色白ちゃんにおっぱいを押し付けられ、後ろから回った手にペニスをぎゅっと握られて、気付けば、彼女をベッドに押し倒していた。

「へへ。いっそ学校、休んじゃおうか?」
「…」

 真面目だと思っていた子がこんなことを言って、俺を誘惑しようとする。
 女はというか、セックスは怖い。
 怖いからこそ、せずにいられないのかもしれない。

 色白ちゃんは、朝っぱらからはばからずに声をあげた。
 『あんっあんっ』という“鳴き声”は耳障りなだけ。
 気持ちよさそうな表情はエロイが、カノジョと違って全く美しくはない。欲望丸だしのドスケベ女の、知性のかけらもない顔だ。
 俺はそれに軽い嫌悪感を覚えたにもかかわらず、愚息は実によく働いてくれた。『ゲスなメス豚』ぐらいの気持ちで見てしまったのが、かえって興奮状態に拍車をかけたのかもしれない。

 俺は色白ちゃんを抱きながら、「ああ、カノジョとシたい」と強く思った。

 色白ちゃんとはその後何度か寝た。
 誘われれば乗るが、自分から何か言うことはないし、誘われても乗らないこともある。

 やっぱりカノジョが好きだ。
 これが俺にとって最初で最後の浮気になるだろう。
 色白ちゃんもブヒブヒ楽しんでくれているし、せいぜい楽しませてもらおう、程度の軽い気持ちだった。
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