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第24話 密会【夫】
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俺は定時で仕事が終わったが、妻には「取引先の接待がある。食事は要らない」と連絡し、Tのアパートに行った。
そして今度は素面で彼女を抱いた。
妊娠検査キットの件であてが外れた――と言ったら変だが、やり場のない気持ちをTにぶつけてしまいたかったのかもしれない。
いや、何カッコつけてんだ。単に「ムラムラ」したが、何となく家に帰りづらかった、それだけだ。
そして風俗は、未経験の俺にはハードルが高いし金もかかる。
そこに持ってきて、Tから「今日は家にいます」なんてメモ片を渡されたら、「据え膳食わぬはなんとやら」ってやつだ。
◇◇◇
Tはいい娘だ。
少々計算高いところはあるが、仕事はまじめにこなすし、感じもいい。
そして――幸か不幸か、俺との体の相性も悪くなかったようだ。
シャワーを浴びてタオルを巻いた姿でベッドに座り、誘うようなまなざしを俺に向けたので、「俺もシャワーを…」と言ったら、手をつかんで制止された。
「シャワーなんか浴びたら、奥様が変に思いますよ」
「シャンプーとか使わなきゃ…」
「女性は勘が鋭いから、それでも分かる人は分かっちゃうもの」
「そういうもん…か…ちょっ!」
Tはそんな話をしながら、俺のベルトを緩め、下着を脱がせ、俺の股間の中途半端に「変化」したものを手でつかんだ。
「いっただきまーす♪」
「おい…汚いだろう?」
「大丈夫です。ちょっと生臭いの好きだもん」
Tは俺のペニスを口に含み、巧みに舌を動かした。
時々、睾丸を手でもてあそんだりもする。
真面目で素朴そうな雰囲気だが、性に関してはかなり積極的なようで、その意外性にまた興奮を催した。
妻との行為でもたまにはあるが、俺は「妻が俺を受け入れる顔」を見るのが何よりも好きなので、大体、俺が妻の局部を刺激し、正常位で突入してしまうのがパターンだった。
体は反応していても、あまり相手の顔を見たくないセックスというのがあることを、俺は大学時代に知った。
童貞に少々毛が生えた程度だった高校時代には想像もできなかった。
というよりも、まず「妻」とできるという事実がうれしすぎて、ほかの女には目も行かなかったのだが。
(でも、俺がそんな気持ちでいるときも、あいつは…)
Tの口舌テクニックに目を閉じて身をゆだねると、あのかわいかった(今もかわいいが)妻のエロく歪んだ表情や喘ぎ声がよみがえってきた。
あの表情を、あの声を、ほかの男にも味わわせていたのか?
今、俺に快感を与えているのはTだが、これでは妻をオカズに自慰行為しているにも等しい。
(だめだ、今俺はこの子とセックスしているんだぞ…)
どれだけ妻を愛していても、今は全く別の、しかも生身の人間とそういうことをしているんだ。Tのことを考えなければいけない。
分かっていても、脳内の妻を追い、犯すように攻める妄想が止まらない。
「あら、もうさすがにヤバいかな」
「(はっ)」
Tが口を離し、自分のベロの先に指を当てながら言った。彼女曰く、「ちょっと味が変わったから、そろそろ…」なのだそうだ。先走りのナントカというやつだろうか。
俺はTにされるまま、しっかり根元までコンドームをかぶせられ、上からまたがられた。
「あ、ああっ」
「……ッ」
「いい、いいん…っ」
「俺…も…だ」
そういえぱ初体験は、この体位だったな。
まだ16歳で、小柄で細いが肉感的な妻は、そうして「初めてではない」ことを身をもって伝えてきた。
俺の上にまたがって、巧みに腰を動かし、自分の手で自分の乳首を刺激したり、俺の手を取って胸元に誘導したり。
妻はかわいくて、とびきりエロくて、俺は初めてだから無我夢中だった。
Tは俺の上で少し前のめりになり、俺の体にクリトリスを擦り付けるように腰を動かして、一層大きな声を上げた。
(あいつも時々、あんなふうに…するな)
俺は妻にそうされると、ちょっとしたいたずら心から、指でクリトリスを強く撫で上げたりするが、「もおんっ、いやん」と、少し恨めしそうに見つめられ、何とも言えない気持ちになる。
妻曰く、「強ければいいってもんじゃないのよ。緩急つけてヤるから気持ちいいの。オナニーだとイケるけど、ペッティングやセックスだとイケないのって、男性が力任せなのもよくないんじゃないかな」とのことだ。
Tの攻めに耐えかねて、ぴゅっとコンドームに無言で吐き出すと、Tは「あ、先を越されちゃった…」と残念そうに言った。
「ありがとう。すごく気持ちよかった。これは――お礼だよ」
「え、ちょっ…」
俺はTをベッドに仰向きに寝かせ、舌でクリトリスやヴァギナを刺激した。
「クンニリングスは強めでも大丈夫だよ。指と違ってそもそもの当たりがマイルドだし、小さな生き物がはい回っているみたいな感じで興奮しちゃうのよね」
妻のコーチングがよかったようで、Tは「あんっ、いいっ」「好きっ、ステキッ」と、我を忘れたように叫んだ。
最後にはぴくん、ぴくんという動きを味わいながら、指を1本、2本とゆっくり順番に挿入し、中でくいっと曲げてみた。
これも妻との事例研究 による。一度達した後にそれをされるのは、「ゾクゾクッとして、エクスタシーとはまた別モノとしてイイ」のだそうだ。
Tもまた、「あん、いいっ、死んじゃうぅ…」と言いながら、ベッドの上で上半身を反らせた。
もし翌朝、Tが死体で発見されたら、隣室の住人は「夜の○時頃、「死んじゃう」って叫び声が聞こえてきた」などと証言しそうだ。
◇◇◇
俺はその後も何度かTと関係を持った。
一応、妻にそのことを悟らせないため、ビールを煽ったり、癖の強いラーメンを食べたりしたが 家に帰ると妻に「今日は食事の席でたばこを吸った人はいないのね?」と言われてびくっとした。
「…なんで?」
「だって会社の宴会なんかだと、服とか髪とか、たばこのにおいがすごいんだもの」
「ああ、そうか…」
「あなたもたばこ苦手だからしんどいよね。お疲れ様」
この妻が、俺とTの関係を知ったら、一体どんな反応をするのだろう。
そして今度は素面で彼女を抱いた。
妊娠検査キットの件であてが外れた――と言ったら変だが、やり場のない気持ちをTにぶつけてしまいたかったのかもしれない。
いや、何カッコつけてんだ。単に「ムラムラ」したが、何となく家に帰りづらかった、それだけだ。
そして風俗は、未経験の俺にはハードルが高いし金もかかる。
そこに持ってきて、Tから「今日は家にいます」なんてメモ片を渡されたら、「据え膳食わぬはなんとやら」ってやつだ。
◇◇◇
Tはいい娘だ。
少々計算高いところはあるが、仕事はまじめにこなすし、感じもいい。
そして――幸か不幸か、俺との体の相性も悪くなかったようだ。
シャワーを浴びてタオルを巻いた姿でベッドに座り、誘うようなまなざしを俺に向けたので、「俺もシャワーを…」と言ったら、手をつかんで制止された。
「シャワーなんか浴びたら、奥様が変に思いますよ」
「シャンプーとか使わなきゃ…」
「女性は勘が鋭いから、それでも分かる人は分かっちゃうもの」
「そういうもん…か…ちょっ!」
Tはそんな話をしながら、俺のベルトを緩め、下着を脱がせ、俺の股間の中途半端に「変化」したものを手でつかんだ。
「いっただきまーす♪」
「おい…汚いだろう?」
「大丈夫です。ちょっと生臭いの好きだもん」
Tは俺のペニスを口に含み、巧みに舌を動かした。
時々、睾丸を手でもてあそんだりもする。
真面目で素朴そうな雰囲気だが、性に関してはかなり積極的なようで、その意外性にまた興奮を催した。
妻との行為でもたまにはあるが、俺は「妻が俺を受け入れる顔」を見るのが何よりも好きなので、大体、俺が妻の局部を刺激し、正常位で突入してしまうのがパターンだった。
体は反応していても、あまり相手の顔を見たくないセックスというのがあることを、俺は大学時代に知った。
童貞に少々毛が生えた程度だった高校時代には想像もできなかった。
というよりも、まず「妻」とできるという事実がうれしすぎて、ほかの女には目も行かなかったのだが。
(でも、俺がそんな気持ちでいるときも、あいつは…)
Tの口舌テクニックに目を閉じて身をゆだねると、あのかわいかった(今もかわいいが)妻のエロく歪んだ表情や喘ぎ声がよみがえってきた。
あの表情を、あの声を、ほかの男にも味わわせていたのか?
今、俺に快感を与えているのはTだが、これでは妻をオカズに自慰行為しているにも等しい。
(だめだ、今俺はこの子とセックスしているんだぞ…)
どれだけ妻を愛していても、今は全く別の、しかも生身の人間とそういうことをしているんだ。Tのことを考えなければいけない。
分かっていても、脳内の妻を追い、犯すように攻める妄想が止まらない。
「あら、もうさすがにヤバいかな」
「(はっ)」
Tが口を離し、自分のベロの先に指を当てながら言った。彼女曰く、「ちょっと味が変わったから、そろそろ…」なのだそうだ。先走りのナントカというやつだろうか。
俺はTにされるまま、しっかり根元までコンドームをかぶせられ、上からまたがられた。
「あ、ああっ」
「……ッ」
「いい、いいん…っ」
「俺…も…だ」
そういえぱ初体験は、この体位だったな。
まだ16歳で、小柄で細いが肉感的な妻は、そうして「初めてではない」ことを身をもって伝えてきた。
俺の上にまたがって、巧みに腰を動かし、自分の手で自分の乳首を刺激したり、俺の手を取って胸元に誘導したり。
妻はかわいくて、とびきりエロくて、俺は初めてだから無我夢中だった。
Tは俺の上で少し前のめりになり、俺の体にクリトリスを擦り付けるように腰を動かして、一層大きな声を上げた。
(あいつも時々、あんなふうに…するな)
俺は妻にそうされると、ちょっとしたいたずら心から、指でクリトリスを強く撫で上げたりするが、「もおんっ、いやん」と、少し恨めしそうに見つめられ、何とも言えない気持ちになる。
妻曰く、「強ければいいってもんじゃないのよ。緩急つけてヤるから気持ちいいの。オナニーだとイケるけど、ペッティングやセックスだとイケないのって、男性が力任せなのもよくないんじゃないかな」とのことだ。
Tの攻めに耐えかねて、ぴゅっとコンドームに無言で吐き出すと、Tは「あ、先を越されちゃった…」と残念そうに言った。
「ありがとう。すごく気持ちよかった。これは――お礼だよ」
「え、ちょっ…」
俺はTをベッドに仰向きに寝かせ、舌でクリトリスやヴァギナを刺激した。
「クンニリングスは強めでも大丈夫だよ。指と違ってそもそもの当たりがマイルドだし、小さな生き物がはい回っているみたいな感じで興奮しちゃうのよね」
妻のコーチングがよかったようで、Tは「あんっ、いいっ」「好きっ、ステキッ」と、我を忘れたように叫んだ。
最後にはぴくん、ぴくんという動きを味わいながら、指を1本、2本とゆっくり順番に挿入し、中でくいっと曲げてみた。
これも妻との事例研究 による。一度達した後にそれをされるのは、「ゾクゾクッとして、エクスタシーとはまた別モノとしてイイ」のだそうだ。
Tもまた、「あん、いいっ、死んじゃうぅ…」と言いながら、ベッドの上で上半身を反らせた。
もし翌朝、Tが死体で発見されたら、隣室の住人は「夜の○時頃、「死んじゃう」って叫び声が聞こえてきた」などと証言しそうだ。
◇◇◇
俺はその後も何度かTと関係を持った。
一応、妻にそのことを悟らせないため、ビールを煽ったり、癖の強いラーメンを食べたりしたが 家に帰ると妻に「今日は食事の席でたばこを吸った人はいないのね?」と言われてびくっとした。
「…なんで?」
「だって会社の宴会なんかだと、服とか髪とか、たばこのにおいがすごいんだもの」
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