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第41話 意思疎通【妻】
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夫の中では「娘を学童に迎えに行ったのは義兄」ということで決着したようだが、私には真相が少し想像できた。
しかし今は、その思い込みを利用した方がよさそうである。
何しろ娘自身が「ポテチとサイダーを優しいおじさんからもらった」しか話せる情報が何がないのだ。
「ま、お義兄さんもよく分かんないとこあるしね」
「…あなた、そんなに兄さんと話したことあったっけ?」
「そうだな…あんまり話したことないから、よく分かんないって言うべきかな」
夫と兄は別に険悪ではないが、親しいわけでもない。ここも「利用」のしどころだろう。
兄への「苦言」は、全て自分に任せてもらうことにした。
また念のために、今後は何の連絡もない場合は、誰が来ても引き渡さないようにお願いすることで話がまとまった。
学童クラブの取り決めは分からないものの、一応セキュリティー上、そういうふうになっていてもおかしくない気がするけど、あまりにも親し気な「おじさん」を疑うスタッフがいなかったのが、今回の問題なわけで。
***
娘のことが一応一件落着となり、ほっとした私は一足先にベッドで休んだ。
日中娘とお風呂に入った話をすると、「あれって気持ちいいんだよな~。一種の背徳感っていうかさ」とうらやましがられたので、「お休みの日にでもやってみたら?」と勧めた。
私が自分の定位置で横向きに寝ていると、せっけんと、シトラスミントのシャンプーが混ざった「夫の香り」が近づいてきた。
私を後ろからふんわりと抱きかかえ、髪のにおいをかいでいるのが分かる。
「気分、大丈夫か?」
「うん、今は平気」
「そか…」
夫は決して大柄ではないが、女の私よりは一回り大きくできている(体感的に)。
包み込むようにされると安心するし、この体勢のまま目が覚めると本当にほっとする。
しかし、夫の頭も体もまだ入眠する気がないらしく、私の腕ごと包み込むように重ねていた手は、徐々に私の体のラインをなぞるように動いたり、胸元に入り込んだりしてきた。
「…もう、えっち」
「少しはいいじゃん。君の体をさすっていると、すげえ安心するんだよ」
私が妊娠初期ということで、体調が悪かったりお腹をかばったりで、なかなか「そういう」行為に及べないことも多いが、私自身もやわやわと愛撫されるのは嫌いではないし、時には「その気」にもなってしまう。
「…あのさ…」
「なあに?」
「勃っちゃった…」
夫はそう言いながら、硬くなった股間を、私のヒップの割れ目に押し付けた。
「だめ、かな…?」
「優しくね」
「そりゃ、もう…」
夫はそう言うと、私のヴァギナを指で刺激し、濡れているのを確認した。
「なんだ、君もその気だった?」
「だって…」
そんなに激しくしなければ、正常位でも大丈夫ではないかと思ったが、夫は私の片足を軽く持ち、背後から挿入してきた。
「きつかったら言って」
「ん、大丈夫そう…ん…あんっ…はあっん…」
夫との間ではあまり取ったことのない体位だが、片手は胸を包んだまま、それでいてもむわけでもなく、手のひらや指で乳首をさりげなく刺激しているのが分かる。
「すっ…ごい…これ…いいな…」
「う…ん…なんか…いいね…」
夫は多分、挿入の感想を、私は胸への刺激が気持ちいいことを率直に言っているのだが、どうしてセックスの最中って、IQがダダ下がりになったみたいなことしか言えないんだろう?
そして、それがとてもいい。
動物っぽいというか、それしか考えていない本能の発言というか。
「あ、あん、もっと…」
「こうか?こうか?」
勘違いした夫が、腰の突き上げを強めてきたので、「だめぇ、優しくしてぇ」と思わず言ってしまった。
笑いながら「どっちだよ」と言いつつ、少し腰を控え目にする彼。
「おっぱい、もっと…」
「いいのか?」
「ん…して…」
すると夫はペニスを思い切り抜き、私を仰向けに寝かせ、正常位で入り直した。
時々胸に顔を近づけてキスしたり、少し乱暴にもんだりした。
うーん、そういうことじゃないんだけど…。
意思の疎通、難しいなあ。
いちおう私のお腹はかばう様子が分かるので、まあいいか。
しかし今は、その思い込みを利用した方がよさそうである。
何しろ娘自身が「ポテチとサイダーを優しいおじさんからもらった」しか話せる情報が何がないのだ。
「ま、お義兄さんもよく分かんないとこあるしね」
「…あなた、そんなに兄さんと話したことあったっけ?」
「そうだな…あんまり話したことないから、よく分かんないって言うべきかな」
夫と兄は別に険悪ではないが、親しいわけでもない。ここも「利用」のしどころだろう。
兄への「苦言」は、全て自分に任せてもらうことにした。
また念のために、今後は何の連絡もない場合は、誰が来ても引き渡さないようにお願いすることで話がまとまった。
学童クラブの取り決めは分からないものの、一応セキュリティー上、そういうふうになっていてもおかしくない気がするけど、あまりにも親し気な「おじさん」を疑うスタッフがいなかったのが、今回の問題なわけで。
***
娘のことが一応一件落着となり、ほっとした私は一足先にベッドで休んだ。
日中娘とお風呂に入った話をすると、「あれって気持ちいいんだよな~。一種の背徳感っていうかさ」とうらやましがられたので、「お休みの日にでもやってみたら?」と勧めた。
私が自分の定位置で横向きに寝ていると、せっけんと、シトラスミントのシャンプーが混ざった「夫の香り」が近づいてきた。
私を後ろからふんわりと抱きかかえ、髪のにおいをかいでいるのが分かる。
「気分、大丈夫か?」
「うん、今は平気」
「そか…」
夫は決して大柄ではないが、女の私よりは一回り大きくできている(体感的に)。
包み込むようにされると安心するし、この体勢のまま目が覚めると本当にほっとする。
しかし、夫の頭も体もまだ入眠する気がないらしく、私の腕ごと包み込むように重ねていた手は、徐々に私の体のラインをなぞるように動いたり、胸元に入り込んだりしてきた。
「…もう、えっち」
「少しはいいじゃん。君の体をさすっていると、すげえ安心するんだよ」
私が妊娠初期ということで、体調が悪かったりお腹をかばったりで、なかなか「そういう」行為に及べないことも多いが、私自身もやわやわと愛撫されるのは嫌いではないし、時には「その気」にもなってしまう。
「…あのさ…」
「なあに?」
「勃っちゃった…」
夫はそう言いながら、硬くなった股間を、私のヒップの割れ目に押し付けた。
「だめ、かな…?」
「優しくね」
「そりゃ、もう…」
夫はそう言うと、私のヴァギナを指で刺激し、濡れているのを確認した。
「なんだ、君もその気だった?」
「だって…」
そんなに激しくしなければ、正常位でも大丈夫ではないかと思ったが、夫は私の片足を軽く持ち、背後から挿入してきた。
「きつかったら言って」
「ん、大丈夫そう…ん…あんっ…はあっん…」
夫との間ではあまり取ったことのない体位だが、片手は胸を包んだまま、それでいてもむわけでもなく、手のひらや指で乳首をさりげなく刺激しているのが分かる。
「すっ…ごい…これ…いいな…」
「う…ん…なんか…いいね…」
夫は多分、挿入の感想を、私は胸への刺激が気持ちいいことを率直に言っているのだが、どうしてセックスの最中って、IQがダダ下がりになったみたいなことしか言えないんだろう?
そして、それがとてもいい。
動物っぽいというか、それしか考えていない本能の発言というか。
「あ、あん、もっと…」
「こうか?こうか?」
勘違いした夫が、腰の突き上げを強めてきたので、「だめぇ、優しくしてぇ」と思わず言ってしまった。
笑いながら「どっちだよ」と言いつつ、少し腰を控え目にする彼。
「おっぱい、もっと…」
「いいのか?」
「ん…して…」
すると夫はペニスを思い切り抜き、私を仰向けに寝かせ、正常位で入り直した。
時々胸に顔を近づけてキスしたり、少し乱暴にもんだりした。
うーん、そういうことじゃないんだけど…。
意思の疎通、難しいなあ。
いちおう私のお腹はかばう様子が分かるので、まあいいか。
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