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第14章 千弦さんは、化粧しててもしなくても魅力的ですよ【千弦と聡二】
「…この顔で?」【千弦】
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芽久美はクラスTシャツを着て法被を羽織って朝ごはんを食べている。
「今からその格好なの?」
「今日は異装届してあるから、このまま登校できるもん」
そう言いながら、ジャムたっぷりのトーストをさくっとかじった。
「いや、そういう問題じゃなくて、汚しちゃったりしたら…」
「私はママみたいにそそっかしくないから」
「ぐ…」
芽久美は確かにしっかり者で、あまりその手のドジは踏まない。
余裕しゃくしゃくでトーストをかじり、ミルクコーヒー(砂糖なし)を一口すすった後で、こんなことまで言った。
「なんかさあ、ママ、寝不足?」
「え?」
「今日ちょっとブスだよ」
髪をまとめるとき、わずかに鏡を見ただけなので、反論しようにも言葉が出てこない。自分で自分の顔をまともに見ていない状態だったのだ。
「ブスは言い過ぎだけど…んー、全体的に顔が悪い」
ショックである。
子供の頃は毎晩絵本を読み聞かせ、今は特に口も出さず、のびのび自由に読書させているつもりだし(読むも読まないも本人次第という意味で)、母娘の会話も大切にしているつもりだったけれど――何なんだ、この粗削りな語彙は。
しかし芽久美は私の落胆に気付いたのか、取り繕うように言った。
「あー、その、ごめん!ママは寝不足でも、その辺の人よりずっときれいだし…」
「なんか…今日はお店も休みだし、寝てようかなあ…」
「ごめん!学園祭来てよー」
「…この顔で?」
「だからごめんて!それに気になるなら、たまにはお化粧してみたら?ママはお化粧してもきれいだから」
私は化粧が大の苦手なのだ。
学生時代はほとんどすっぴんだったし、卒業後にすぐ結婚したので、会社勤めの経験もなく、冠婚葬祭のときや、インタビューなどで人と会う必要があるとき、日焼け止めを兼ねたものやティント乳液を使う程度だ。
聡二君が模擬店の飲み物チケットを「俺のおごりです」と言って置いていってくれたので、せっかくだから行こうと思っていたけれど、芽久美のところに顔を出して、早々に退散しようかな。
「今からその格好なの?」
「今日は異装届してあるから、このまま登校できるもん」
そう言いながら、ジャムたっぷりのトーストをさくっとかじった。
「いや、そういう問題じゃなくて、汚しちゃったりしたら…」
「私はママみたいにそそっかしくないから」
「ぐ…」
芽久美は確かにしっかり者で、あまりその手のドジは踏まない。
余裕しゃくしゃくでトーストをかじり、ミルクコーヒー(砂糖なし)を一口すすった後で、こんなことまで言った。
「なんかさあ、ママ、寝不足?」
「え?」
「今日ちょっとブスだよ」
髪をまとめるとき、わずかに鏡を見ただけなので、反論しようにも言葉が出てこない。自分で自分の顔をまともに見ていない状態だったのだ。
「ブスは言い過ぎだけど…んー、全体的に顔が悪い」
ショックである。
子供の頃は毎晩絵本を読み聞かせ、今は特に口も出さず、のびのび自由に読書させているつもりだし(読むも読まないも本人次第という意味で)、母娘の会話も大切にしているつもりだったけれど――何なんだ、この粗削りな語彙は。
しかし芽久美は私の落胆に気付いたのか、取り繕うように言った。
「あー、その、ごめん!ママは寝不足でも、その辺の人よりずっときれいだし…」
「なんか…今日はお店も休みだし、寝てようかなあ…」
「ごめん!学園祭来てよー」
「…この顔で?」
「だからごめんて!それに気になるなら、たまにはお化粧してみたら?ママはお化粧してもきれいだから」
私は化粧が大の苦手なのだ。
学生時代はほとんどすっぴんだったし、卒業後にすぐ結婚したので、会社勤めの経験もなく、冠婚葬祭のときや、インタビューなどで人と会う必要があるとき、日焼け止めを兼ねたものやティント乳液を使う程度だ。
聡二君が模擬店の飲み物チケットを「俺のおごりです」と言って置いていってくれたので、せっかくだから行こうと思っていたけれど、芽久美のところに顔を出して、早々に退散しようかな。
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