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第22章 どっちにしても私、大倉さんに会いたかっただけなんだな。【メグと大輔】
勢いで【大輔】
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ゆっくり話そうと思い、カフェにでも行こうと誘ったら、「今日は天気もいいし、飲み物を買って公園でってどうですか?」と提案され、ビル街の人工滝のある公園に場所を移した。
自販機で俺の分まで出そうとした。「公園を提案したのは私だから」ということらしい。
こいつのこういうところ、正直言って嫌いじゃない。
「練習試合の翌週だったかな?お前のお母さんの店に行ったんだ」
「はい――聞きました」
「日本茶がとてもうまかった。また行きたい」
「一応、焼きたてパンを使ったメニューやミルク飲料も評判なので、そういうのも試してくださいね」
「ということは、また行ってもいいんだよな?」
「お客様なら大歓迎ですから」
「冷たいことを言うな。この間だって本当はお前に会いたかったのに、檜パパに体よく追い返されるし」
「檜パパ?あ…はは」
「お前、お母さんと檜さんのこと知ってるのか?」
「はい。先輩は最初から結構わかりやすいアピールしてましたから」
最初…って、「片思い3年」って言ってたっけか。ひょっとして中学生ぐらいから「あんな」だったってことか?
「ふうん…」
「何かすごいですよね」
メグはちょっと照れくさそうに、それでいて他人事のように言った。
「ここから先は、お前のお母さんを侮辱するつもりはないから冷静に聞いてほしいんだが…」
「え?」
「自分と年の変わらない子供がいる女性に片思いする高校生と、1歳下の他校生が好きな高校生、世間はどっちを純粋に応援するだろうな」
「…まあ、後者ですよね、多分」
「断っておくが、俺も好きになったら年齢なんか関係ないとは思う。人のものを盗るのはナシだろうが」
「人のもの…」
おっと、失言か。
「ああ、お前にはカレシがいたか。とにかくだ。人を好きになるのを非難するには当たらないと思うが、あの人は何でああ横柄なんだ?」
「何か言われたんですか?」
「『お前を諦めろ』と言われたんだ」
「諦めるも何も…大倉さんは別に私のこと…」
「『好きだ』って言ったんだ、檜さんに」
「檜先輩に!?」
「ばっ、勘違いするな。俺はメグのことが好きだって檜さんに言った、って意味だ」
「え…」
「ああ…こんなに勢いで言うつもりはなかったんだがな。俺はお前のことが好きだ」
俺の言葉を聞いて、少し顔を上気させ、うつむくメグ。
絵に描いたような反応だが、「ナチュラルでかわいい」としか思わない。
欲を言えば「実は私も…」なんて返事が欲しいところだが、そこまでは欲張らないでおこう。
◇◇◇
「というわけで、お前の誕生日を教えろ」
「え、プレゼントなんてもらえませんよ!」
「じゃ、連絡先くらいは交換してくれるか?気が変わったときのために」
俺たちが顔をあわせたのはこれで3度目だが、なんと3度とも“偶然”の結果なのだ(2度目の練習試合に関しては、偶然かは微妙だが)。効率が悪いったらない。
しかも3度も会ったのだから、連絡先くらい交換してもおかしくないだろう。
◇◇◇
「ついでにメールアドレスも教えてもらうか。使わないかもだけど」
チャットツールのIDからもメアドからも、誕生日は分からなかった。
「ところでお前って何歳だ?」
「え…まだ15歳ですけど」
「わざわざまだとか言うところ見ると、お前、意外と誕生日が近いんじゃないか?」
「あ…」
「吐いたら楽になるぞ」
メグは、そこでやっと観念したように教えてくれた。
「6月――30日です」
「来週じゃないか。早く言えよ」
「プ、プレゼントは要りませんからね」
「当たり前だ。俺も付き合ってもない女に何かくれてやるほど物好きじゃないよ」
メグが笑った。
こういう毒舌をたたかれた方が安心するのだろう。
つまり、俺をかなり意識しているという証拠だ。
自販機で俺の分まで出そうとした。「公園を提案したのは私だから」ということらしい。
こいつのこういうところ、正直言って嫌いじゃない。
「練習試合の翌週だったかな?お前のお母さんの店に行ったんだ」
「はい――聞きました」
「日本茶がとてもうまかった。また行きたい」
「一応、焼きたてパンを使ったメニューやミルク飲料も評判なので、そういうのも試してくださいね」
「ということは、また行ってもいいんだよな?」
「お客様なら大歓迎ですから」
「冷たいことを言うな。この間だって本当はお前に会いたかったのに、檜パパに体よく追い返されるし」
「檜パパ?あ…はは」
「お前、お母さんと檜さんのこと知ってるのか?」
「はい。先輩は最初から結構わかりやすいアピールしてましたから」
最初…って、「片思い3年」って言ってたっけか。ひょっとして中学生ぐらいから「あんな」だったってことか?
「ふうん…」
「何かすごいですよね」
メグはちょっと照れくさそうに、それでいて他人事のように言った。
「ここから先は、お前のお母さんを侮辱するつもりはないから冷静に聞いてほしいんだが…」
「え?」
「自分と年の変わらない子供がいる女性に片思いする高校生と、1歳下の他校生が好きな高校生、世間はどっちを純粋に応援するだろうな」
「…まあ、後者ですよね、多分」
「断っておくが、俺も好きになったら年齢なんか関係ないとは思う。人のものを盗るのはナシだろうが」
「人のもの…」
おっと、失言か。
「ああ、お前にはカレシがいたか。とにかくだ。人を好きになるのを非難するには当たらないと思うが、あの人は何でああ横柄なんだ?」
「何か言われたんですか?」
「『お前を諦めろ』と言われたんだ」
「諦めるも何も…大倉さんは別に私のこと…」
「『好きだ』って言ったんだ、檜さんに」
「檜先輩に!?」
「ばっ、勘違いするな。俺はメグのことが好きだって檜さんに言った、って意味だ」
「え…」
「ああ…こんなに勢いで言うつもりはなかったんだがな。俺はお前のことが好きだ」
俺の言葉を聞いて、少し顔を上気させ、うつむくメグ。
絵に描いたような反応だが、「ナチュラルでかわいい」としか思わない。
欲を言えば「実は私も…」なんて返事が欲しいところだが、そこまでは欲張らないでおこう。
◇◇◇
「というわけで、お前の誕生日を教えろ」
「え、プレゼントなんてもらえませんよ!」
「じゃ、連絡先くらいは交換してくれるか?気が変わったときのために」
俺たちが顔をあわせたのはこれで3度目だが、なんと3度とも“偶然”の結果なのだ(2度目の練習試合に関しては、偶然かは微妙だが)。効率が悪いったらない。
しかも3度も会ったのだから、連絡先くらい交換してもおかしくないだろう。
◇◇◇
「ついでにメールアドレスも教えてもらうか。使わないかもだけど」
チャットツールのIDからもメアドからも、誕生日は分からなかった。
「ところでお前って何歳だ?」
「え…まだ15歳ですけど」
「わざわざまだとか言うところ見ると、お前、意外と誕生日が近いんじゃないか?」
「あ…」
「吐いたら楽になるぞ」
メグは、そこでやっと観念したように教えてくれた。
「6月――30日です」
「来週じゃないか。早く言えよ」
「プ、プレゼントは要りませんからね」
「当たり前だ。俺も付き合ってもない女に何かくれてやるほど物好きじゃないよ」
メグが笑った。
こういう毒舌をたたかれた方が安心するのだろう。
つまり、俺をかなり意識しているという証拠だ。
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