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第32章 交換日記

慣らし保育

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 デイジー図書館での仕事が始まる1週間前から、少しずつ院内保育園で慣らし保育をしてもらうことになった。

 最初は私が付き添って1時間、翌日は単独で2時間…というふうに時間を少しずつ延長し、4日目には9時から15時まで預かってもらうことになった。
 しばらくは実家の母が協力的とはいえ、いずれは幸奈と2人暮らしすることも視野に入っているので、時間のやりくりがうまくできるよう、私自身が「慣らし」を必要とされる期間でもある。

 勤務が始まったら行くのが難しくなりそうな美容院などの私用とランチ、そして本を読みながらゆっくりお茶と、6時間あれば意外といろいろできそうだ。

◇◇◇

 順一としばらく会っていない。
 心配しているかもしれないと思い、久々にKamiyaにも顔を出した。
 会えなかったときのために、現況を書いた手紙をポストに投函しようと思ったら、運よく直接話ができた。

「ティールームで少し話そうか?」
「でも仕事中でしょ?」
叔父オーナーには知人の就職の相談に乗っているって言ってあったし、そういう名目で1時間くらいなら」
「じゃ、お言葉に甘えて…」
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