神様の手違いで死んだ俺は異世界に転生して無双する!~今のがS級モンスター?楽々倒せちゃったけど……

妄想屋さん

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命尽きる前に…① 青髪の少女

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 馬車の音を聞きつけた俺は、この世界の人間にコンタクトを取るべく、音のする方へと走っていく。

「この世界初めての人間……。話が出来る人だといいが……」

 そんな不安を抱きつつ一心不乱に走っていると森を抜け、1本道に出る。

 そして少し遠いが馬車も目視することができた。

「もうひと踏ん張りっと」

 それにしてもこれだけ走っているのに全く疲れない。走力も大幅に上がっている。

 本当にこの鎧さまざまだ。

 しばらく走っているとなんとか馬車に追いつくことが出来た。

 馬車と並走しながら運転している人との対話を試みる。

「すみませーん。少しお話できませんか?」

「ん……!?!?!?!?」

 馬車を運転している人は目をかっぴらいてこっちを見てくる。

 そして急に馬車を止めてこちらを睨みつける。

「お前……盗賊か?ふざけやがって、お前にやるもんなんかなんもねぇよ。失せな」

 ……まあ確かに、仕事中の人に非常識な方法で接触したんだ。この人の反応が正しいか。

 この人は諦めよう。次の人にはもっと礼儀を意識して話しかけよう。

「そうですよね。すいません。失礼しま――」

 俺がそう言い終わらないうちにさっきより一回り小さい角バッファローがものすごい勢いで突進してくる。

「またかよ!オラァ!!」

 俺はできるだけ小さな動きでそれをかわし、お腹をしたから蹴りあげる。

「ブフォォォ!?」

 そして宙に浮いた角バッファローを全力で殴りつける。

「ぶっとべぇぇぇぇ!!」

 地面に打ち付けられた角バッファローはそのままぴくりど動かない。

「最初のやつ程じゃないな」

「ひ、ひぃぃぃぃ!A級モンスターをこんなに簡単に!?ひぇぇぇぇ……」

 ふと前を見ると馬車の運転手がプルプルと震えている。

「……?大丈夫ですか?」

 俺が近づこうとすると、男はさらにおびえる。

「来ないでくださいぃぃ!!なんでもあげます!もう馬車ごとあげちゃいます!だから……命だけはぁぁぁ!!!」

 そう言いながらどこかへ走り去っていく。

「え?あ、ちょっと!!なんなんだよ……?」

 まぁ、例によって貰えるものは貰っていく。

「荷台には何があるのかしら?」

 そう言って荷台を開けるとそこにはたんまりの金束と女の子が1人……。
 よく分からないが見た目的には俺と歳が近い気がする。少し年下だろうか。
 目隠しをされており、急に荷台が空いたことによりびっくりしたらしい。

 俺はゆっくりと近ずき、その子の目隠しを外す。

「……綺麗だ」

 青髪の少女はゆっくりとを目開け、こちらを見つめる。

「あなたが……私のご主人様でしょうか?」

 俺はその問いに苦笑いで答える。

「たぶん……違うと思う」

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

〈一口裏設定 ~クレイ・ムール~〉

解説――作者

 青髪の少女ことクレイの作中では語られない裏設定について書いていきます。

 作中にて外見の特徴は青髪としか語られておりませんが、髪型はボーイッシュな感じのショートヘアです。

 標準的な体型をしており、身長は幸大より少し小さいくらいです。

 とある理由で幼い頃から奴隷としての教育を受けており、精神的にも奴隷になってしまっています。

 家事担当兼用心棒として教育されており並の冒険者程度には戦闘も行えます。
 手に装着する、パワードナックルという金属出てきたコンパクトな右手用のナックルを使用しており常に携帯しています。

 本作のクーデレ枠、主人公に尽くすサポートキャラをコンセプトに作ったキャラクターです。

 いきなり知らない世界に来た主人公の心を癒す重要なメインヒロインの1人です。
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