男女比5:1の女性が少ない世界で何故か男の俺が美少女に囲まれハーレムに!?

イチャイチャ回

　俺は愛菜に連れられて罪が綺麗に見える高台に連れてこられた。
　こんな場所あったんだな。知らなかった。

　岩場に立つ愛菜は昔と何も変わってなかった。

「一誠がこの世界に行っちゃってもう1年も経つもんね。なんだか久しぶりな感じ」

　彼女の笑顔は太陽の光に照らされ、輝いて見える。彼は少し緊張した様子で、視線をそらしがちだが、心の中ではもうドキドキしっぱなしだった。

　1度は獲得したと思った女性耐性も1年もこの世界にいればなくなってしまうものなのか……

　彼女は一歩近づき、彼の腕を軽く掴む。その瞬間、俺の心臓は一段と早く打ち始めた。彼女の手の温もりが、冷たい岩の感触と対照的に感じられる。彼女は俺の耳元囁く。

「会いたかったよ。一誠」

　俺はビクッとして彼女から慌てて距離をとる。
　彼女は楽しそうに俺の反応を見て、さらに近づいてくる。
　
　俺の顔が赤く染まっていくのを見て、彼女は満足げに微笑む。彼女の視線は俺を捉えたままで、逃げ場を与えない。

「ごめん、一誠。もう……我慢出来ないや」

　目の前には彼女の顔が近づき、彼は逃げ場を失った感覚にとらわれる。

　彼女のどこか色っぽい笑い声が波音に混じって聞こえてくる。

「俺、達って友達同士…だよな？」

「そうだね。でも私は君と離れ離れになって初めて気づいたんだ。私、君に恋してたって」

　彼女はさらに積極的に俺の腕を引き寄せ、二人の距離はますます縮まる。もうあと数ミリ顔を前に動かせば唇と唇が届いてしまう。
　俺はドキドキしながらも、彼女の魅力に引き込まれていく自分を感じていた。

　唇と唇が触れそうになるたったその時、

ドオオオオオンという地面が揺れる程の大きな音が聞こえてくる。

「え、何!?」

　愛菜は動揺して音の方向から俺を守るように前に立つ。

「ダンジョンが出現したんだ」

「……ダンジョン？そっか、この世界にはまだあるのね」

　そう、愛菜の世界にはもうダンジョンはない。

　進んだここよりも遥かに進んだ科学技術によってもう既にダンジョンに関連する全ての件は片付いている。

「私、行ってくるから。誠一は家に帰ってて。変な人について行ったりしちゃダメだよ」

　愛菜は決意を固めた顔をしてダンジョンの方へズンズンと1人で入っていく。

　確かに、愛菜ならというより彼女達の世界の住人なら1人でダンジョンを攻略することもできなくはない。しかし……

「危険だ！それにこれはこの世界の問題だ。異世界の君が危険な目にあう必要はない！」

　俺はそう言ってダンジョンの前に立ちはだかる。

「そういう訳には行かないよ。だって、ここは君の生活圏内なんでしょ？もしこのダンジョンが放置されて絶望の時間が来たらこの辺り一体はダンジョン内の化け物が溢れ出してめちゃくちゃだよ。友達としても未来の恋人としても放ってはおけないな」