最強美少女達に愛されている無能サポーター 〜周りの人から馬鹿にされ続けてもう嫌なのパーティメンバーの天才たちが離してくれない〜

妄想屋さん

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「洗脳というのは相手の思考を操り、自分の思い通りに操るスキルです」

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side 悟

 あれ?どこだよここ。
 なんもねえ、真っ白なところだな。
 どうなっちまったんだ俺。
 よし、一様記憶チェックだ。
 
 俺の名前は春川 悟はるかわ さとる。高校二年生でサッカー部のキャプテン。
 
 よし、記憶に問題は無さそうだ。
 そこまで確認すると、俺の目の前にこの世のものとは思えないほどの美しい顔をした女の人が現れた。

「突然お呼び立てしてしまって申し訳ございません。勇者様」

 その女の人は俺を見てそう言う。
 勇者?俺が?
 ……これもしかしてあれか?アニメとかにあるいせかいてんせいってやつか?

「ふふっ。転生ではありません。あなたを転移させてきただけなので赤ちゃんからやり直し、なんてことはありませんのでご安心を」

 俺の心の声がバレてる!?

 美しい声で女の人は俺に語りかけてくる。

「あなたにはこの世界の魔王を倒して欲しいのです。この世界のものでは手が出ませんので。一人だけ可能性があるものがいるのですが、彼は自己評価が低すぎるので……」

「わかりました。その魔王を倒せばいいんすよね」

「はい……。あんまり戸惑わないんですね」

 女の人が戸惑っている。やべぇ。めちゃくちゃ可愛いんだけど。

「はい。少しびっくりしましたが、問題ありませんよ」

「はあ……。ではあなたのスキルをお選びください。五つまで選択可能ですよ」

 女の人がそう言うと、何も無い空間に光の文字が浮び上がる。

 へえ。高速移動、ダメージ無効、時間干渉、どれも強そうなスキルばかりだが、俺の魔王のこと知らんしな、なんかおすすめを選んで貰うか……。ん?

「魅了?」

「魅了というのは相手の好意を操り、自分の思い通りに操るスキルです。相手の価値観を上書きして、自分の都合のいい人格にすることも可能です」

 へぇ。このスキル面白そう。

「説明ありがとうございます。じゃあ、このスキルと、何かをおすすめのスキルをを四つお願いします」

「ご自分で選ばれないんですか?」

 女の人が驚いたようにこちらを見る。

「はい。魔王がどんな力を持っているか俺には分かりませんから」

 なんだこの人、全部の心の声が聞こえてる訳では無いのか?
 
「ええ。そんな便利なものではありませんので」

 今のは聞こえたのか。

「では、ドラゴン召喚、相手の行動予測、全属性の魔法の使用権、無限ジャンプ、魅了。この五つがあなたのスキルです。それでは行ってらっしゃいませ、勇者様」

 あ、異世界ってここじゃないんだ。

「はい。行ってきます。……女神様?」

「ええ、そんなようなものです」

 女の人、改めて女神様が頷いた瞬間、俺はまるで王宮のような豪華な建物の中にいた。

「おお!召喚成功だ!」

 ものすごい歓声で耳が潰れそうになる。
 少しイラッとしたが気分は悪くなかった。

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

「申し訳ございません。勇者様パーティの件ですが、断られてしまいました」

「……へぇ」

 騎士の人が報告に来てくれた。使えな。
 でも絶世の美少女って聞いたからパーティには必須だよなー。
 俺の学校ブスかビッチしかいなかったし、せっかく異世界呼ばれて何故か魔王を倒す羽目になったんだから3、4人で乱れるくらいはいいだろ。

 てか俺、イケメンだし、あったら気が変わるか。最悪もあるし。
 とりあえず今日はもう遅いし、明日の朝にでも行ってくるか。

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

 朝、ベットから起きて着替えを済ませた俺は自分の部屋のドアを開けた。

「アルフおはよう」

 部屋の前で待っていたのかミリスがすぐ目の前に立っていた。
 目を赤く腫らしている。一晩中泣いていたのだろうか。そんなにショックだったのか?

「お、おはようミリス。どうしたんだ?」

 俺は挨拶を返したがミリスは特に反応することなく、俺の腕しっかりと捕まえる。
 体が密着してすごくドキドキするんだが。

「どうしたんだよミリス!色々当たってるんだが……」

「……もう絶対と離さない」

「え?」

 ミリスは離してくれなさそうだし、仕方なくみんなのいる食卓にそのま向かった。

✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿✿

「お、おはよう!アルフ!」

 嘘、でしょ!グレイアが挨拶をしてきた!?
 いつもなら目を合わせると舌打ちしてくるあのグレイアが!?

「お、おはようグレイア。……何か変なものでも食べた?」

「なんでよ!?」

 グレイアは一瞬起怒りかけたが、またすぐぎこちない笑顔に戻る。
 本当にどうしちゃったの?

 って!もうこんな時間に!急いでご飯を――

「おはようございます。アルフさん」

 急いでキッチンに向かおうとした俺は向かっていたキッチン出てきたシスタに挨拶された。
 エプロン可愛いな。
 ……ん?エプロン?

「今料理をお持ちしますのでアルフさんはゆっくりなさっていてください」

 ……シスタ、なんかいつもより敬語固くない?
 というか、ただでさえお荷物の俺が家事さえやらせて貰えなくなったらいよいよただのヒモだぞ!?

 


 
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