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第4章 天空編
第79話 位階
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竜人のスペルビアがアルクス達の仲間に加わることになった。
『スペルビアよ、人族と共に旅をする以上見た目は人族と違和感の無い様にした方が良いであろう。
下では竜人は珍しいからな。』
『畏まりました。』
天空竜の指示により、スペルビアは竜鱗のある竜人の姿からほとんと人族と変わらない姿に変わった。
その姿は少しだけ頭部に角の生えたすらりとした長身の女性の姿であった。
アルクス達は全員驚きを隠せなかった。
『スペルビアは女性だったのか…』
『ん、どこからどう見ても女だろう?
あぁ、竜人は人族とは特徴が違うからわからなかったのか。
基本的には竜人は角の形状によって男女の違いがわかるものだ。』
人型になったスペルビアの姿をバルトロが凝視していた。
『兄さんどうしたの?スペルビアが女性だったことにそんなに驚いたの?』
『う、美しい…』
『え……!?』
バルトロの表情は今までに見たことのない様なものになっていた。
するとバルトロはスペルビアの前に歩み出て跪いた。
『貴女の様な美しい方に初めてお会いしました。
改めまして、俺は龍騎士のバルトロマエウスと申します。
これからの旅で貴女に傷がつかないようこの盾で守ることを誓いましょう。』
まさに騎士の誓いかのようにも見えるその光景にアリシアだけでなく、アルクスも呆然としていた。
(私の知らない兄さんがいる…)
(バルトロ兄さんってあんな言葉遣いできたんだ…)
『龍騎士にその様な誓いを捧げられるとは光栄だな。
だが私もまた戦士だ、守られてばかりではいられない。
お前の力は先程の戦いでよく分かった。
これからの旅では共に肩を並べて戦おうではないか!』
『あぁ、よろしく頼む!』
スペルビアとバルトロは両手を握り合いお互いを称えていた。
『兄さんが一目惚れするなんて…』
『まぁ、でも仲良くやっていけそうで良かったよ。』
『これからどうなるんだろう…』
スペルビアとバルトロの間に不思議な関係が生まれた。
アルクス達、旅の仲間の関係性もこれから少しずつ変わっていくであろうことが容易く想像された。
『おほん。あー、2人の世界が出来上がっているところ悪いけれど、良いかな?
スペルビアは人族の君達よりは長く生きているが、竜人の中ではまだまだ若い。これから力を得て成体となり真の竜の力に覚醒すると竜化することもできる様になる。どの様な竜になるかは本人次第だが、地を這う地竜にも、海を泳ぐ海竜にも、天を翔ける飛竜になることもできるだろう。
可能性に満ち溢れていると言う点では君達と同じだな。
さて、スペルビアを連れて行ってくれることに対する感謝の意を示すためにも、天空竜からの加護を授けようと思う。』
天空竜がアルクス達に向けて光を放ったかと思うと、3人の纏う龍装鎧が眩い光を放ち始めた。
『うわっ…』
『眩しい…』
光が収まった後、龍装鎧の形状が若干変わり、籠手には星の輝きを内に秘めた様な宝珠が1つ嵌っていた。
『これは一体…』
『君達はスペルビア達に勝利した。まだまだ未熟とは言え竜に勝ったという経験を君達の中に取り込んだ。それにより君達の地力が成長したのだと思って欲しい。
そしてその成長により、第一位階として認められたということだ。』
『第一位階ですか?』
『あぁ、そうだ。少し早いかとは思うのだが、龍王が認めた証だと思っておくといいだろう。
名実ともに龍騎士になったということだな。』
『この前、蒼翠龍様のところで龍騎士と認められたはずだったのですが、それとは違うのでしょうか?』
『うーん、なんと説明したものかな。
藍碧龍殿と蒼翠龍殿に実力が評価されて龍騎士として認められてスタート地点に立った、そして竜を倒した実績が評価されて第一位階に上がったと思ってもらえれば良い。
位階は第八位階まである。成長という長い旅の一歩を踏み出したと思って貰えば良いだろう。』
『第八位階ですか。そこを目指すのが龍騎士の目標と言うわけですね。』
『そうだ。龍王達から事細かく説明されることはないだろうから成長と共に徐々に解き明かしていくと良いだろう。
そして龍装鎧に八つの星が宿る時、最後の試練が訪れるという。
この世界でそこまで至った者はいないと聞いたが目指すべき目標としては良いだろう?
私達の種族には位階はないが、スペルビアが大体第一位階の入り口と見做せるくらいだな。
さて、龍騎士の話はここで良いとしてエルフのクリオよ。
君は今1つのラピスを宿しているが、君は何を目指している?
ラピスを授かった者が8つのラピスを宿した時、神への道が開けると言われている。
君は神を目指すかい?』
唐突な質問にクリオは戸惑うも、キッパリと答えた。
『いえ、私が目指すのはハイエルフです。一族の皆のためにも少しでも龍気を扱える様になります!』
『そうか、であればこれを授けよう。』
天空竜は1枚の鱗を取り出しクリオに渡した。
『これは一体…』
『竜王の鱗だ、竜鱗と呼ばれている。魔力を込めれば身を守ってくれるであろう。
ラピス持ちが龍騎士を目指すとは苦難の道であると思うが励むと良い。』
『ありがとうございます!』
クリオが竜鱗を授かり、喜んでいる横でアルクスは今の会話の中にあった1つの事がとても気になっていた。
『天空竜様、1つ質問をしても良いでしょうか。』
『あぁ、答えられることならな。』
『先程「8つのラピスを宿した時、神への道が開ける」とおっしゃっていましたが、それはどういうことでしょうか。今いる神々は人が神になったのでしょうか?神になった人はいるのでしょうか?』
『ふふふ、質問攻めだな。なかなか珍しいこともある。
では答えるとしようか。
今の神々は元から神の様なものであったな。そしてこの世界で生まれて神に到達した者はいない。
複数ラピスを宿す者はいるが、まだ時間がかかるだろう。
脅威がないと成長は難しいからな。
この世界はそれだけ平和だということだ。』
『わかりました、ありがとうございます。』
人が神に至る可能性、アルクスはその様な話はおとぎ話の類ですら聞いたこともなかった。
アリシアとバルトロはもちろん、クリオに聞くとアルフグラーティにもそのような話はないと言っていた。
『もちろん他言無用だが、言ったところで信じる者もいないだろう。第一位階に到達した褒美だと思ってもらえると良い。
さて私からも質問を良いかな。君達はこれから何のために旅を続ける?
力を得て不授という状況を作り出した神々に一矢報いるのか、
龍騎士として龍王に仕え世界の維持に努めるか、
それとも不授の仲間と新たな国でも立ち上げるか。』
アルクスは既に心に決めていたため、即答した。
『力を持たない、不授の人達の楽園を作りたいと思っています。それが国かどうかはわからないですが、生まれだけで差別されるのは違うと思います。それに闘気が扱えれば不授だから弱いということもないですし…
人々が皆努力してそれが報われる様な場所が作りたいです。』
『ならば引き続き龍王達と出会い、龍脈の力を使いこなせるようにすると良い。簡単な道ではないが必ずや君達の力になるだろう。
思い描いた夢を実現するためには力が必要だからな、いくらあっても困ることはないだろう。
あとは君の夢を叶えるためには土地が必要だな。
この島の近辺にも島々はいくつかあって、私が分け与えることも可能だが、戦ってわかったと思うが空気が薄いため普通の人族が住むには適していない。
この島にも不授の人間が少しいるが、最初は苦労したみたいだ。
下の大地で三大国に含まれない誰のものでもない土地、というよりも島を探す必要があるだろうな。
いくつか候補はあるが…
そうだな、まずは世界の中心にある大陸に向かうと良いだろう。
海路では辿り着けないが、龍騎士ならば龍脈の力を使えばなんとかなる。
アウレアンに戻った後に帝国の大陸に渡り、海底洞窟を辿ると良いだろう。』
『ありがとうごうざいます。
ですが、世界の中心には大陸はなかったかと思いますが。
世界地図では世界の中心には大渦があって近寄れない海域である書かれていました。』
『確かにそう思われていても仕方がないか。なに、行けばわかることだ。
ドク、彼らに海底洞窟への行き方を教えてやってくれるか?』
『はっ、畏まりました。スペルビアだけだと不安ですので、アルクス殿も後ほどお願いします。』
『わかりました。よろしくお願いします。』
アルクス達の次の旅の目的地は帝国へと渡り海底洞窟へと向かうことが確定した。
帝国にいる龍王にも会う必要があるが危険が多く準備が必要な場所のため、急ぐ必要はないだろうと皆で合意した。
『さて、急ぐ旅でもないだろう?しばらくはこの島いると良い。
ちなみにここは竜の国ドラコ・レグルスと呼ばれている。
空の上の暮らしというのも味わっておくと良いだろう。
その間に下の暮らしのことを若い竜人達に教えてくれると助かる。』
『滞在の許可をいただきありがとうございます。
それくらいでしたらお安い御用ですよ!
僕達も竜人の皆さんから色々と教わりたいと思います。』
『うむ。ではゆっくりと過ごしてくれ!』
そう言うと天竜王は竜の姿に変わるとどこかへと飛んで行ってしまった。
『竜王様は気ままな方ですので、お気になさらずに。
さて、今日はもう遅いですし、また後日海底洞窟への行き方を説明しましょう。
宮殿に部屋を用意してありますので龍騎士の皆様方はご案内します。』
ドクに案内され、アルクス達はしばらく宮殿で世話になることになった。
スペルビアも天空竜の側近ということで宮殿で生活している様子であった。
その後アルクス達は約一月ほど竜人達と交流を図り、(主にアルクスが)お互いの知識を教えあったり、
手合わせをして鍛錬方法を学んだりと充実した日々を過ごした。
そしてその間にスペルビアとアルクス達は共に旅をしていく上でお互い何を信念としているかという生き方から何が好きで何が嫌いかなど積極的にお互いを知るためにも語り合った。
出会った当初のスペルビアは人族を含めた他種族を見下していたが、ただそれは他種族が弱いと思っていたからであった。
強き者には従うという竜人らしい考え方から、自分に勝利したアルクスの言うことは割と話を聞くようになっていた。
その後の手合わせでスペルビアはバルトロとアリシアとも何度か矛を交えたが、バルトロは守れるが反撃のタイミングの見極めに苦戦し、アリシアは手数に勝るものの決定打にかけるという弱点が見えてきた。
クリオは魔力があまり練れないため、闘気の修行に集中した過ごし、身体能力の向上が見られた。
そうしてそろそろ旅立とうかという日がやってきた。
『スペルビアよ、人族と共に旅をする以上見た目は人族と違和感の無い様にした方が良いであろう。
下では竜人は珍しいからな。』
『畏まりました。』
天空竜の指示により、スペルビアは竜鱗のある竜人の姿からほとんと人族と変わらない姿に変わった。
その姿は少しだけ頭部に角の生えたすらりとした長身の女性の姿であった。
アルクス達は全員驚きを隠せなかった。
『スペルビアは女性だったのか…』
『ん、どこからどう見ても女だろう?
あぁ、竜人は人族とは特徴が違うからわからなかったのか。
基本的には竜人は角の形状によって男女の違いがわかるものだ。』
人型になったスペルビアの姿をバルトロが凝視していた。
『兄さんどうしたの?スペルビアが女性だったことにそんなに驚いたの?』
『う、美しい…』
『え……!?』
バルトロの表情は今までに見たことのない様なものになっていた。
するとバルトロはスペルビアの前に歩み出て跪いた。
『貴女の様な美しい方に初めてお会いしました。
改めまして、俺は龍騎士のバルトロマエウスと申します。
これからの旅で貴女に傷がつかないようこの盾で守ることを誓いましょう。』
まさに騎士の誓いかのようにも見えるその光景にアリシアだけでなく、アルクスも呆然としていた。
(私の知らない兄さんがいる…)
(バルトロ兄さんってあんな言葉遣いできたんだ…)
『龍騎士にその様な誓いを捧げられるとは光栄だな。
だが私もまた戦士だ、守られてばかりではいられない。
お前の力は先程の戦いでよく分かった。
これからの旅では共に肩を並べて戦おうではないか!』
『あぁ、よろしく頼む!』
スペルビアとバルトロは両手を握り合いお互いを称えていた。
『兄さんが一目惚れするなんて…』
『まぁ、でも仲良くやっていけそうで良かったよ。』
『これからどうなるんだろう…』
スペルビアとバルトロの間に不思議な関係が生まれた。
アルクス達、旅の仲間の関係性もこれから少しずつ変わっていくであろうことが容易く想像された。
『おほん。あー、2人の世界が出来上がっているところ悪いけれど、良いかな?
スペルビアは人族の君達よりは長く生きているが、竜人の中ではまだまだ若い。これから力を得て成体となり真の竜の力に覚醒すると竜化することもできる様になる。どの様な竜になるかは本人次第だが、地を這う地竜にも、海を泳ぐ海竜にも、天を翔ける飛竜になることもできるだろう。
可能性に満ち溢れていると言う点では君達と同じだな。
さて、スペルビアを連れて行ってくれることに対する感謝の意を示すためにも、天空竜からの加護を授けようと思う。』
天空竜がアルクス達に向けて光を放ったかと思うと、3人の纏う龍装鎧が眩い光を放ち始めた。
『うわっ…』
『眩しい…』
光が収まった後、龍装鎧の形状が若干変わり、籠手には星の輝きを内に秘めた様な宝珠が1つ嵌っていた。
『これは一体…』
『君達はスペルビア達に勝利した。まだまだ未熟とは言え竜に勝ったという経験を君達の中に取り込んだ。それにより君達の地力が成長したのだと思って欲しい。
そしてその成長により、第一位階として認められたということだ。』
『第一位階ですか?』
『あぁ、そうだ。少し早いかとは思うのだが、龍王が認めた証だと思っておくといいだろう。
名実ともに龍騎士になったということだな。』
『この前、蒼翠龍様のところで龍騎士と認められたはずだったのですが、それとは違うのでしょうか?』
『うーん、なんと説明したものかな。
藍碧龍殿と蒼翠龍殿に実力が評価されて龍騎士として認められてスタート地点に立った、そして竜を倒した実績が評価されて第一位階に上がったと思ってもらえれば良い。
位階は第八位階まである。成長という長い旅の一歩を踏み出したと思って貰えば良いだろう。』
『第八位階ですか。そこを目指すのが龍騎士の目標と言うわけですね。』
『そうだ。龍王達から事細かく説明されることはないだろうから成長と共に徐々に解き明かしていくと良いだろう。
そして龍装鎧に八つの星が宿る時、最後の試練が訪れるという。
この世界でそこまで至った者はいないと聞いたが目指すべき目標としては良いだろう?
私達の種族には位階はないが、スペルビアが大体第一位階の入り口と見做せるくらいだな。
さて、龍騎士の話はここで良いとしてエルフのクリオよ。
君は今1つのラピスを宿しているが、君は何を目指している?
ラピスを授かった者が8つのラピスを宿した時、神への道が開けると言われている。
君は神を目指すかい?』
唐突な質問にクリオは戸惑うも、キッパリと答えた。
『いえ、私が目指すのはハイエルフです。一族の皆のためにも少しでも龍気を扱える様になります!』
『そうか、であればこれを授けよう。』
天空竜は1枚の鱗を取り出しクリオに渡した。
『これは一体…』
『竜王の鱗だ、竜鱗と呼ばれている。魔力を込めれば身を守ってくれるであろう。
ラピス持ちが龍騎士を目指すとは苦難の道であると思うが励むと良い。』
『ありがとうございます!』
クリオが竜鱗を授かり、喜んでいる横でアルクスは今の会話の中にあった1つの事がとても気になっていた。
『天空竜様、1つ質問をしても良いでしょうか。』
『あぁ、答えられることならな。』
『先程「8つのラピスを宿した時、神への道が開ける」とおっしゃっていましたが、それはどういうことでしょうか。今いる神々は人が神になったのでしょうか?神になった人はいるのでしょうか?』
『ふふふ、質問攻めだな。なかなか珍しいこともある。
では答えるとしようか。
今の神々は元から神の様なものであったな。そしてこの世界で生まれて神に到達した者はいない。
複数ラピスを宿す者はいるが、まだ時間がかかるだろう。
脅威がないと成長は難しいからな。
この世界はそれだけ平和だということだ。』
『わかりました、ありがとうございます。』
人が神に至る可能性、アルクスはその様な話はおとぎ話の類ですら聞いたこともなかった。
アリシアとバルトロはもちろん、クリオに聞くとアルフグラーティにもそのような話はないと言っていた。
『もちろん他言無用だが、言ったところで信じる者もいないだろう。第一位階に到達した褒美だと思ってもらえると良い。
さて私からも質問を良いかな。君達はこれから何のために旅を続ける?
力を得て不授という状況を作り出した神々に一矢報いるのか、
龍騎士として龍王に仕え世界の維持に努めるか、
それとも不授の仲間と新たな国でも立ち上げるか。』
アルクスは既に心に決めていたため、即答した。
『力を持たない、不授の人達の楽園を作りたいと思っています。それが国かどうかはわからないですが、生まれだけで差別されるのは違うと思います。それに闘気が扱えれば不授だから弱いということもないですし…
人々が皆努力してそれが報われる様な場所が作りたいです。』
『ならば引き続き龍王達と出会い、龍脈の力を使いこなせるようにすると良い。簡単な道ではないが必ずや君達の力になるだろう。
思い描いた夢を実現するためには力が必要だからな、いくらあっても困ることはないだろう。
あとは君の夢を叶えるためには土地が必要だな。
この島の近辺にも島々はいくつかあって、私が分け与えることも可能だが、戦ってわかったと思うが空気が薄いため普通の人族が住むには適していない。
この島にも不授の人間が少しいるが、最初は苦労したみたいだ。
下の大地で三大国に含まれない誰のものでもない土地、というよりも島を探す必要があるだろうな。
いくつか候補はあるが…
そうだな、まずは世界の中心にある大陸に向かうと良いだろう。
海路では辿り着けないが、龍騎士ならば龍脈の力を使えばなんとかなる。
アウレアンに戻った後に帝国の大陸に渡り、海底洞窟を辿ると良いだろう。』
『ありがとうごうざいます。
ですが、世界の中心には大陸はなかったかと思いますが。
世界地図では世界の中心には大渦があって近寄れない海域である書かれていました。』
『確かにそう思われていても仕方がないか。なに、行けばわかることだ。
ドク、彼らに海底洞窟への行き方を教えてやってくれるか?』
『はっ、畏まりました。スペルビアだけだと不安ですので、アルクス殿も後ほどお願いします。』
『わかりました。よろしくお願いします。』
アルクス達の次の旅の目的地は帝国へと渡り海底洞窟へと向かうことが確定した。
帝国にいる龍王にも会う必要があるが危険が多く準備が必要な場所のため、急ぐ必要はないだろうと皆で合意した。
『さて、急ぐ旅でもないだろう?しばらくはこの島いると良い。
ちなみにここは竜の国ドラコ・レグルスと呼ばれている。
空の上の暮らしというのも味わっておくと良いだろう。
その間に下の暮らしのことを若い竜人達に教えてくれると助かる。』
『滞在の許可をいただきありがとうございます。
それくらいでしたらお安い御用ですよ!
僕達も竜人の皆さんから色々と教わりたいと思います。』
『うむ。ではゆっくりと過ごしてくれ!』
そう言うと天竜王は竜の姿に変わるとどこかへと飛んで行ってしまった。
『竜王様は気ままな方ですので、お気になさらずに。
さて、今日はもう遅いですし、また後日海底洞窟への行き方を説明しましょう。
宮殿に部屋を用意してありますので龍騎士の皆様方はご案内します。』
ドクに案内され、アルクス達はしばらく宮殿で世話になることになった。
スペルビアも天空竜の側近ということで宮殿で生活している様子であった。
その後アルクス達は約一月ほど竜人達と交流を図り、(主にアルクスが)お互いの知識を教えあったり、
手合わせをして鍛錬方法を学んだりと充実した日々を過ごした。
そしてその間にスペルビアとアルクス達は共に旅をしていく上でお互い何を信念としているかという生き方から何が好きで何が嫌いかなど積極的にお互いを知るためにも語り合った。
出会った当初のスペルビアは人族を含めた他種族を見下していたが、ただそれは他種族が弱いと思っていたからであった。
強き者には従うという竜人らしい考え方から、自分に勝利したアルクスの言うことは割と話を聞くようになっていた。
その後の手合わせでスペルビアはバルトロとアリシアとも何度か矛を交えたが、バルトロは守れるが反撃のタイミングの見極めに苦戦し、アリシアは手数に勝るものの決定打にかけるという弱点が見えてきた。
クリオは魔力があまり練れないため、闘気の修行に集中した過ごし、身体能力の向上が見られた。
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追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
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