ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

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ボロ竿だろうが釣竿に変わりなし

釣具を作るために1

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 人間という生き物は、どうすれば良いかわからないと、ずっと同じところをグルグル回っている物だ。それがどうだ。一つ目的とやることが決まれば、スンスンと動けてしまうこともある。

「だけど、骨の加工でちゃんと釣り針になるんだろうか…」

「自問するのも良いけど、アルデンさんに迷惑かけないでよね」

「あ、はい」

 木工工房《まくつ》の中で考え事とは…危なかったな。
 彼女達の前で迂闊なことを言えば、全国各地に敵を作ることになる。
 ちょくちょくアルデン配信なるものをしていて、アルデンさんの人気はうなぎ登り中。一応初代としてお目溢《めこぼ》しいただいているが、不適切な発言1つで、ユダのごとく裏切り者にされてしまうだろう。
 そんなことよりも、釣り針と釣竿だ。

「中々良く出来てるね。最近練習減ってたけど、これなら問題ないかな」

「アルデンしゃまぁぁぁ!」「ひゃあああああ!」「ほわわわわ」「まぶしぃ」

 あぶね!
 削ってる最中に揺らさないで欲しい。
 体力ポーションも馬鹿にならない値段なんだぞ?

「えっと。木工の進捗はどうかな?」

「はい!修練の方はもう少しで出来るかと思います。ただ…」

「何か問題でもあるの?」

「釣竿の方がスキル足りるかなと思って」

 すると、アルデンさんが奥から何種類か棒を持ってきた。

「釣竿も色々種類があると思うけど、木材から作る物と竹で作る物。あとはこれ。」

 木材と竹は見たまんまだが、最後のは黒く光っていて素材がわからない。
 周りのファンも不思議そうに眺めている。

「最後のって何で出来てるんですか?」

「ふふふ。これは、ドワーフならそのうち作れるんじゃない?」

「ドワーフなら…やる気が出てきた」

「ちなみにこれは、鍛冶でも木工でも無いよ」

 ナゾナゾだろうか?とりあえず、木材だけじゃないということが、わかっただけでも大きい。

「竹は良いな!余計な加工しなくても使えるし」

「竹だったら、君のスキルでも使えそうだね。鉱山の先にあるけど、1人だと危ないから、仲間と行ってきたら良い」

「アルデンしゃま優しい」「かっこいい!」「うつくしい!」「とろけりゅー」

 1つの会話ごとにこれが入るから、気が散って話が進みづらい。
 とか思ってたら、頭がグリンと半回転して、2つの眼光がこちらに刺さる。

「アルデンさん優しいなぁ! ははは!」

「ですよねぇー。さいこう!」

 こっわ!
 次から心を閉ざす訓練も必要か…。



 仲間と一緒にか。
 そうは言っても、このドワーフ村1に、村の外出歩ける奴は限られている。
 初めての場所だから、出来れば3人で行きたいな。

「おう。雑貨屋の小僧か、珍しいな」

「どうも。グスタフいませんか?」

「あいつならホラ」

 グレンディルさんが、俺の後ろを指すと、ツルハシを持ったグスタフさんがいた。

「ハッチさんですか? 何か用でも?」

「一緒に竹を取りに行かないかと誘いにね」

「竹? そんなものがあったのですか!?」

「鉱山の向こうにあるって、木工工房で聞いたんだ」

 それを言うと、膝から崩れ落ちて悔しそうに地面を叩いている。

「まさか、まさか。木工工房がフラグだったとは…」

「そんなに竹を探してたんですか?」

「当然じゃ無いか! 竹ですよ竹! バンブス!」

「はぁ。まぁ、俺も釣竿に使いたいので、欲しいっちゃ欲しいです」

 返答がよろしくなかったのか、呆れたという顔でこちらを見てくる。

「ハッチさんはヤーポンですよね?」

「ヤーポン?あぁ、日本ね。そうですよ」

「ヤーポンとバンブスは切っても切れない関係です! バンブスシュピーアは、良き発想です!」

「竹槍のことですね。昔から竹は身近にあったと聞いています」

 ここで俺たちの会話を聞いてた弟弟子達がやってきた。

「話は聞きましたぞ!」「竹槍の意思は我らにお任せを!」「竹槍だけでなく、竹で飛行機から戦艦まで! この世界で実現を!」

「ヤーポンの魂はここに引き継がれた! 同志達よ!」

 ヒシと抱き合うハーフドワーフ達4人。

「グレンディルさんのところって、いつもこうなんですか?」

「…未成年ども! まだ剣の納品出来てないぞ!」

 まさかのスルー!?
 あれー?AI的には返答してくれる内容だと思うんだけど…。
 めっちゃ目線泳いでるし!

「ところでハッチさん」

「うお!? はい!」

「2人で行くのですか?」

「あぁ。せっかくだから、テッケンさんも呼んで、成人組全員で行けたらと思いまして」

「その方が良いですね。一度だけ少し遠くに行きましたが、モンスターの強さは段違いでした。装備もスキルも足りないのでしょう。1人じゃお手上げですよ」

 まさか、そこまで強かったとは思わなかった。ポーションもいくつか用意しておいた方がいいか。

「テッケンさんへの連絡は、私がやっておきますよ」

「そうですか? じゃあお任せします」

「準備含めて2日後にしましょー。その日はテッケンさん空いてると言ってました」

「おぉ! それならちょうど良いですね!」

 じゃあ、それまでに金策してポーション買っておこう。
 ふふふ。釣りが出来ると思うったら、ニヤつきが止められないな!
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