ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

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ボロ竿だろうが釣竿に変わりなし

500000G

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 延べ竿を作ってから、さらに2日。
 1日2~3本というスローペースで作成し、合計で6本作ることができた。
 作った竿を渡す人は決まっている。
 アラン、テッケンさん、グスタフさん、オトシンさんに1本ずつだ。今は雑貨屋の前で待ち合わせ中。

「よーっす」

「オトシンさん。ちょうど良かった。これが新作の竿ですよ」

「うひょー! かなり完成度上がったな」

「難しかったんですけど、新レシピにしては良いでしょ?」

 小躍りするオトシンさんは俺の話など聞かずに、「どの糸を使うか」とぶつぶつ呟き出した。もっと話をしたかったが、こうなっては放置するしかない。
 アランとの約束通り、釣竿を送ることにした。

「送り先は、『フレンド:サーモナー』へ」

《接続国が異なるため、配送料が5000ゴールドかかります。》

「YES」

《輸送時間はおよそ10日かかります。》

「輸送料金も高いし、こういう移動系の手間は何とかならんのかね。とか言っても仕方ないし、YESっと」

 了承すると配達NPCが釣竿を受け取りに来た。

「異国運送竜空便をご利用ありがとうございます。それでは」

 そのNPCは荷物を手に取り翼を広げると、ブワサァと砂埃を撒き散らしながら空へ飛び去っていった。

「ゴッホ、ゴホォ。うおぉぉぇぇ。口にまで砂が」

 毎回何なんだよ! 配達頼むだけで微妙にHP減るし、数秒盲目デバフも掛かる。
 なんだかアランの名前までイラついてきた。今までの名前はアランだったのに、ネテラだけ変えるから間違えやすいっての!
 身バレしそうだったから変えたとか言ってたけど、サーモナーって何だ? 鮭か? 鮭なんだろ?

「ハッチさん。竜空便頼んだの?」

 ハッと意識を戻されると、跪《ひざまず》いている俺の前にテッケンさんがにいた。

「え、えぇ。友達に頼まれたものがあったので」

「あの設定なんとかして欲しいよね。運営もそんなことに力入れなくても良いのにさ」

 テッケンさんの言う通り。ファンタジーにしたいのかリアルにこだわりたいのか、製作者は何を考えているのだろうか?

「いやいや、あれは物理演算をそのまま適用しただけですよ」

「「グスタフさん!」」

「むしろ手抜きの結果、いらない場所でも効果が出ちゃったんですねぇ。あの翼はどれだけのパワーを秘めているのか。面白そうです」

 そこらへんの科学的な話は俺にはわからんなぁ。
 それよりも、成果の品を渡してしまおう。

「2人にも、作った釣竿を渡しますね」

「おぉ! ありがとう」「これはなかなか……」

 反応は違うけど、どちらも喜んでいるようだ。
 あとは雑貨屋に1本。


《雑貨屋に【竹の延べ竿-】を出品しますか?》

 YES!

《雑貨屋に新しく【釣竿】ジャンルが出品されるようになりました。》

「よっしゃあああああ!」

「どうした?」「なんかあった?」「ん?」

 他の弟子たちも集まってきたので、今出品した一品を指差す。

「お? おぉ!?」
「ハッチ氏の念願が叶ったのか!」
「おめでとう!」
「やったな!」
「いや、待て」
「どうした?」
「値段が……」
「うん?」

「5000ゴールドか? ちと高いな」
「いや、0足りてねーよ」
「12……5? ゼロ5個っていくらだっけぇ」
「ご・じゅ・う・ま・ん! ゴールド!」
「すげぇ! スクショとっとけ!」

 そんなバカな!?
 確かに性能によって料金は自動設定されるけど、さすがに高すぎだろう。

 _______________
 ……
【劣化鉄の斧】 2000G

 <釣竿>
【竹の延べ竿-】 500000G

 _______________


「うわぁ……」

「出品した本人が驚いてるぞ」

「なんでだ?」

 プレイヤーたちを集めて会議した結果わかったことは、ホビー系のアイテムの基礎価格が高いことと、他の作成者が少ないというに至った。
 つまりわからなかった!

「まぁ、商品一個じゃわからないよな。もう一品出すには新しく作らないといけないし」

 自分が使う用まで出品したく無いからね!

「という訳で、ハッチさんには釣竿の出品を何度かやってもらいましょう」

「出品したら報告しますね」

「はい! それでは、ドワーフ村生産会議を終了します!」

 いつの間に仕切っていたかぶち猫さんが解散を告げる。

「「「「「イェアァァ!」」」」」

 普段はソロ活動万歳なのに、こういう時は団結力あるよな。
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