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新しい都市
新しい坑道で新素材をゲット
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「儂はヴァーリンじゃ。炉は好きに使ってええぞ」
新たな親方にお礼しつつ奥へ進むと、見慣れた先客がいた。
「グスタフさんも来てたんですね」
「やっぱり、こういうのが作りたくてゲームやってますからね」
見せてくれた槍先は綺麗な菱形《ひしがた》で鈍く光っている。
同じ鍛冶士だったけど、一緒の工房で作ることは無かったので、少し新鮮な気分だな。
「じゃあ、俺も作りますか」
久しぶりの鍛冶は気持ちよく、気づけばスキルを使わず手作業をしていた。
「さて、仕上げの一打だ」
「ちょっと待ってください!」
良いところでグスタフさんに止められてしまう。
「その動作は何ですか!?」
「ん? いつも通りやってるだけですが」
「なぜ手元を見ないんです!? どうして体が反ってるんです!?」
「神様に祈ってるからですね。雑貨屋だと結構定番のポーズですよ?」
「そんなスタンダードなど聞いたこともないぞ!」
ぶつぶつとやかましいので、後にしてもらおう。
これは大事な一打なんだ。
エビス様お願いします!
カーンと響く音が心地よい。
完成品はどうかな?
【鉄の鉈-】
久しぶりに作ったわりに、出来は良いんじゃないか?
あとは作業用のツルハシと、手斧も作ってやりたいな。
「新しい鉈ですか?」
グスタフさんが戻ってきた。
「新しいフレンドの装備を作ることになりましてね」
「面白そうですね。私もやってみたいです」
「それなら……」
ウーゴの種族と現状の装備を伝えると、俄然やる気を出したグスタフさん。
互いにあーでもないこーでもないと話し合っていたら、2時間も経ってしまっていた。
「ではメイスと籠手《こて》を作るということで」
「籠手《こて》は後にしてくださいよ?」
「わかってます。テッケンさんにも手伝ってもらわないと」
すでに革製品を頼まれてるから忙しいはず。
最悪籠手は無しかなぁ。
◆◆◆
「鉈だけ先に完成させたよ」
「サンキュー! うおぉぉ! やっとまともな装備だ」
喜んでくれてこちらも嬉しい。
ついでに、グスタフさんと他の装備を作ることも伝えた。
「マジか! こちらとしてはありがたいが、そっちの都合は良いのか?」
「俺ともう一人は生産メインだから、作るのが好きなの。テッケンさんは戦闘メインで始めたからどうかな?」
「えぇ!? 昨日頼んじゃったけど良いのか?」
あの程度なら大丈夫だと思う。
というか俺が言ってしまったから、何か不都合があったら、俺が埋め合わせしないとな。
「まぁ、何度も言わなければ大丈夫でしょ」
それよりも素材集めだな。
教授から採掘の場所と紹介状をいただいたので、今日からそちらへ行くことになる。
昨日の大岩から、さらに北方へ進むと目的の坑道が見えてきた。
「紹介状を見せてくれ」
ここの門番はエルフではなくてポックルだった。
「これです。ここら辺は全部エルフが管理してると思ってました」
「できない訳じゃないんだけどね。苦手だから仕方ないさ」
エルフは洞窟が苦手なのか。
ドワーフに任せれば良いと思うが、できない理由があるようだ。
中に入れてもらってからウーゴにこの話を振ると、彼は理由を知っていた。
「ドワーフ族でも知らないのか。やっぱ俺っちがいたところは特殊地域なんだな」
「俺はオーク族が選択肢に無かったけど、後から増えたの?」
「……だよ。ん? ……だって!」
こりゃ禁止ワードだなぁ。そのうち話せるようになるだろうし、それまで待ちますかね。
「とりあえず中に入ろうか」
坑道はドワーフ鉱山よりも広く作られていて、広々としている。
入り口付近の敵は、同じくネズミ君のみ。
こいつらだけなら、少し大きくなったヤマトでも倒せるようになった。
アルフヘイムに到着前、光ってサイズ変わった程度かと思えば、かなりパワフルになっている。
「そこだ! 良いぞヤマト!」
ネズミを倒したヤマトはいつも通り顔を洗っている。
「機獣ってのは初めて見たけど、なかなかやるじゃないか」
そうだろう?
ウチのヤマトは最高なんだ。
特に可愛いところがな!
2層に到着すると敵が変わってくる。
ここらに出てくるヘビは強く、ウーゴの鉈でも3撃も当てないと倒れてくれない。
「ハッチ! 右から攻撃してくれ!」
「わかった!」
土弾をメインにスリングでちまちま攻撃しているけど、そろそろスリングの火力が足りなくなってきた。
「ハッチ。 そのスリング弱くないか?」
「試作型だからなぁ。バネを変えた程度じゃなぁ……そろそろ厳しいか」
なんなら投擲の方がダメージは上がってきている。
【スリング:LV20】
【投擲:LV20】→アーツ:ダブルスロー
スリングはアーツを覚えないので困っている。
機械式だと武器性能だけでダメージが決まってしまう。それがかえって足枷になってしまうとは思ってなかった。
使い始めは一番の火力だったのに……。
「俺っちの鉈もそこまで切れなかったな。スキル足りなかったせいか?」
「どうだろう。とりあえずヘビを解体しちゃおうか」
なんで切れなかったかは解体してるときにわかった。
このヘビはウロコと皮が頑丈なんだ。
伸縮性があって、滑らせるような作りの鱗は刃物と相性が悪い。腹側の皮は切れることが分かったけど、他の武器も考えないといけないな。
だけどこの皮は使えそうだ。
新しい素材に心が躍ってしまうのを抑えつつ、俺たちは黙々と解体をした。
新たな親方にお礼しつつ奥へ進むと、見慣れた先客がいた。
「グスタフさんも来てたんですね」
「やっぱり、こういうのが作りたくてゲームやってますからね」
見せてくれた槍先は綺麗な菱形《ひしがた》で鈍く光っている。
同じ鍛冶士だったけど、一緒の工房で作ることは無かったので、少し新鮮な気分だな。
「じゃあ、俺も作りますか」
久しぶりの鍛冶は気持ちよく、気づけばスキルを使わず手作業をしていた。
「さて、仕上げの一打だ」
「ちょっと待ってください!」
良いところでグスタフさんに止められてしまう。
「その動作は何ですか!?」
「ん? いつも通りやってるだけですが」
「なぜ手元を見ないんです!? どうして体が反ってるんです!?」
「神様に祈ってるからですね。雑貨屋だと結構定番のポーズですよ?」
「そんなスタンダードなど聞いたこともないぞ!」
ぶつぶつとやかましいので、後にしてもらおう。
これは大事な一打なんだ。
エビス様お願いします!
カーンと響く音が心地よい。
完成品はどうかな?
【鉄の鉈-】
久しぶりに作ったわりに、出来は良いんじゃないか?
あとは作業用のツルハシと、手斧も作ってやりたいな。
「新しい鉈ですか?」
グスタフさんが戻ってきた。
「新しいフレンドの装備を作ることになりましてね」
「面白そうですね。私もやってみたいです」
「それなら……」
ウーゴの種族と現状の装備を伝えると、俄然やる気を出したグスタフさん。
互いにあーでもないこーでもないと話し合っていたら、2時間も経ってしまっていた。
「ではメイスと籠手《こて》を作るということで」
「籠手《こて》は後にしてくださいよ?」
「わかってます。テッケンさんにも手伝ってもらわないと」
すでに革製品を頼まれてるから忙しいはず。
最悪籠手は無しかなぁ。
◆◆◆
「鉈だけ先に完成させたよ」
「サンキュー! うおぉぉ! やっとまともな装備だ」
喜んでくれてこちらも嬉しい。
ついでに、グスタフさんと他の装備を作ることも伝えた。
「マジか! こちらとしてはありがたいが、そっちの都合は良いのか?」
「俺ともう一人は生産メインだから、作るのが好きなの。テッケンさんは戦闘メインで始めたからどうかな?」
「えぇ!? 昨日頼んじゃったけど良いのか?」
あの程度なら大丈夫だと思う。
というか俺が言ってしまったから、何か不都合があったら、俺が埋め合わせしないとな。
「まぁ、何度も言わなければ大丈夫でしょ」
それよりも素材集めだな。
教授から採掘の場所と紹介状をいただいたので、今日からそちらへ行くことになる。
昨日の大岩から、さらに北方へ進むと目的の坑道が見えてきた。
「紹介状を見せてくれ」
ここの門番はエルフではなくてポックルだった。
「これです。ここら辺は全部エルフが管理してると思ってました」
「できない訳じゃないんだけどね。苦手だから仕方ないさ」
エルフは洞窟が苦手なのか。
ドワーフに任せれば良いと思うが、できない理由があるようだ。
中に入れてもらってからウーゴにこの話を振ると、彼は理由を知っていた。
「ドワーフ族でも知らないのか。やっぱ俺っちがいたところは特殊地域なんだな」
「俺はオーク族が選択肢に無かったけど、後から増えたの?」
「……だよ。ん? ……だって!」
こりゃ禁止ワードだなぁ。そのうち話せるようになるだろうし、それまで待ちますかね。
「とりあえず中に入ろうか」
坑道はドワーフ鉱山よりも広く作られていて、広々としている。
入り口付近の敵は、同じくネズミ君のみ。
こいつらだけなら、少し大きくなったヤマトでも倒せるようになった。
アルフヘイムに到着前、光ってサイズ変わった程度かと思えば、かなりパワフルになっている。
「そこだ! 良いぞヤマト!」
ネズミを倒したヤマトはいつも通り顔を洗っている。
「機獣ってのは初めて見たけど、なかなかやるじゃないか」
そうだろう?
ウチのヤマトは最高なんだ。
特に可愛いところがな!
2層に到着すると敵が変わってくる。
ここらに出てくるヘビは強く、ウーゴの鉈でも3撃も当てないと倒れてくれない。
「ハッチ! 右から攻撃してくれ!」
「わかった!」
土弾をメインにスリングでちまちま攻撃しているけど、そろそろスリングの火力が足りなくなってきた。
「ハッチ。 そのスリング弱くないか?」
「試作型だからなぁ。バネを変えた程度じゃなぁ……そろそろ厳しいか」
なんなら投擲の方がダメージは上がってきている。
【スリング:LV20】
【投擲:LV20】→アーツ:ダブルスロー
スリングはアーツを覚えないので困っている。
機械式だと武器性能だけでダメージが決まってしまう。それがかえって足枷になってしまうとは思ってなかった。
使い始めは一番の火力だったのに……。
「俺っちの鉈もそこまで切れなかったな。スキル足りなかったせいか?」
「どうだろう。とりあえずヘビを解体しちゃおうか」
なんで切れなかったかは解体してるときにわかった。
このヘビはウロコと皮が頑丈なんだ。
伸縮性があって、滑らせるような作りの鱗は刃物と相性が悪い。腹側の皮は切れることが分かったけど、他の武器も考えないといけないな。
だけどこの皮は使えそうだ。
新しい素材に心が躍ってしまうのを抑えつつ、俺たちは黙々と解体をした。
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