ネオ・アース・テラフォーミング〜MRMMOで釣り好きドワーフの生産奮闘記〜

コアラ太

文字の大きさ
73 / 111
日本初イベント大会

光虫の素材回収完了

しおりを挟む
 光虫の爆発後、再戦までちょっと時間かかったな。
 それでもその日中に4体分の光油《こうゆ》を手に入れることができた。ここまで狙った種類が出てくるのも珍しい。

「クモモの糸も手に入ったし、予定より相当良い成果でした」
「それなら良かったですわ。それで明日は洞窟でしたっけ」

 モウカさんたちも俺《ヤマト》の働きを認めて、明日も同行してくれることになった。

「それにしても、こんなに至れり尽くせりな狩りは初めてです」
「これは雑貨屋の弟子特典ですね。といっても武具屋の弟子もそれなりに修理できますから、あいつらもオススメですよ」

 逆に木工関係は頼むし、生産者仲間ゆえの便利さでもある。
 それにしても、モジョコさんもかなり戦闘よりの育成なのかな?
 威力はモウカさんと良い勝負だし、それも風属性だけでしょ。明日は火も使えるから楽になるかな?
 洞窟の情報を伝えつつ街まで戻ると、今までに見たことないちょっと豪華な馬車が止まっていた。

「初めて見た。モウカさん知ってる?」
「いえ。私も初めて見ました」

 馬車の横にマークが付いていて、それが車輪と釣竿のマークをしているわけよ。これはちょっとテンションがあがるよね。

「なかなか良い趣味しているな」
「車輪は馬車でしょうか?」

 気になるのは俺たちだけじゃなく他の人たちも野次馬している。
 グスタフさんやテッケンさんも見えるし、ケットシー族はテンションをあげて飛び跳ねている。

「ハッチ氏! やっと戻ってきましたか」
「グスタフさんはこの馬車何か知ってます?」
「何ってあなたに用事みたいですよ」
「俺に?」

 用のある人がすぐ戻ってくると言うので待つことになった。
 それでこの馬車なんだけど、企業専用車らしく特別に大きなロゴをつける許可が与えられているらしい。

「そうだ。新しい釣り場の魚があるから、待ってる間に食べようよ」
「それなら私が焼きますよ。得意なんです」

 得意というならモジョコさんにお任せしよう。

「こんな魚もいるんですねぇ」

『角なまず』
 ツノでは無い。こいつはカクなまずと言って角ばっている形と海底を歩くようなヒゲがある。

「俺は『ほぼホウボウ』って呼んでる」
「じゃあちゃちゃっと焼いてきちゃいます」

 モジョコさんは手早く串を打ち、焚き火にかけ始めたが、目敏い奴らが見つけて近づいてくる。

「おうおう。良いもの焼いてるじゃにゃーか」
「もちろん、強牙《きょうが》兄貴の分もあるんだよにゃ?」
「そうだそうだ」

 魚大好きの3猫が強請ってくる。

「おい! この間も玉ウグイをやったじゃないか!」
「あんな小魚じゃ足らんにゃー!」
「自分で釣れよ。ケットシーなら、もう買えるくらい出回ってるだろ!?」
「そ、そんにゃの買ってられるかにゃ!」

 横から子分2匹がヒソヒソ話をしているが、すべて丸聞こえだ。

「兄貴は金にゃいからにゃぁ」
「新作の装備買って今月何もできないってにゃ」

 釣竿買えなくて強請ってるのかよ……。

「私の作った手甲鉤が売れました」

 グスタフさんのお客さんだった。

「お金が無いなら他にアイテムとか無いわけ? それなりに貴重なら作ってくれそうな奴探すけどさ」
「ほんとか!? 頼む!」
「それで、物《ぶつ》を出しな」

(これじゃどっちが悪者かわからないですわ)
(もともとは突っかかられたはずなんだけどなぁ)

 良いんだよ。他のケットシーはわからないけど、こいつはしょっちゅう強請ってくるんだから、多少出させないといつまでもついてくるぞ。
 強牙がゴソゴソとカバンを探ると一個の石を取り出してきた。

「良いもの作ってくれるにゃら、これをやるにゃ」

 みんなで覗き込むが首を捻るばかり。

「ただの石ですわ?」
「石が報酬ってことですか?」
「ばかにゃ!? これの価値がわからにゃいのか?」

 うーん。モウカさんの言う通り石に見えるけど、何かありそうな気もする。
 テッケンさんが何やら操作してるのを見て、ふとあれを試そうと思った。ちょうど場所もセーフティだからスキルの付け替えができる。
『鉱物探知』
 付け替えてから石の中に光りが見える。

「何かの鉱石かな?」
「それにしては光が強く無いか?」
「宝石では無いかと思いますが」

 そこで強牙の顔が綻ぶ。

「やっぱりグスタフはわかる奴にゃ。上手く削れば良い宝石が出るって」
「俺の伝手だと宝石は微妙かな」

 今は宝石よりも魔石や皮の人気が高い。
 テッケンさんの知り合いも使いそうな人はいないみたい。

「それなら、ぶち猫さんに聞いてみたらどうですか?」
「いや、彼女も魔石が欲しいって毎日騒いでますよ」
「それは私も聞いてます。だけど使えそうな気がするんですよね」

 よくわからないが、連絡してみることになった。

「……というわけで、どうする?」
「うーん。宝石の原石ですか。今は使い道がなぁ」
「そうだと思ったんだけど、グスタフさんにも言われたし一応ね」
「グスタフさんが? またどうし……そうか! 受けます受けます! そこで待ってて」

 通信が切れると数十秒でテロップと一緒にやってきた。

「それで新しいネタって何?」
「ハッチさん! どれですか!?」

 石を見せると2人して覗き込む。

「うーん。本当に宝石ですか?」
「「「おそらく」」」
「先行3人がそう言うなら、行けますかね」
「よし。告知して明日夜に配信しよう」

 どうやら配信のネタに使われるみたいだ。
 物としての価値じゃなくて、ネタとしての価値になったか。
 依頼者として強牙も一緒に見守ることになったが、ぶち猫さんの釣竿がもらえることになってそれどころではない喜びよう。

「兄貴おめでとう!」
「これで兄貴も大人の仲間入りにゃ!」
「にゃー! 今度はお前たちの分まで手に入れるにゃ」

 両前足を高く掲げて雄叫びをあげる3匹。
「「「やー!」」」

 タイミング良く魚が焼けた。
 モジョコさんの焼き魚を頬張りスタミナを回復していると、お待ちかねの相手がやってきた。

「いたいた! あいつがハッチですよ」

 見知った人だけど、丁寧語を使ってると違和感が強い。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~

夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。 全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった! ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。 一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。 落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

あなたは異世界に行ったら何をします?~良いことしてポイント稼いで気ままに生きていこう~

深楽朱夜
ファンタジー
13人の神がいる異世界《アタラクシア》にこの世界を治癒する為の魔術、異界人召喚によって呼ばれた主人公 じゃ、この世界を治せばいいの?そうじゃない、この魔法そのものが治療なので後は好きに生きていって下さい …この世界でも生きていける術は用意している 責任はとります、《アタラクシア》に来てくれてありがとう という訳で異世界暮らし始めちゃいます? ※誤字 脱字 矛盾 作者承知の上です 寛容な心で読んで頂けると幸いです ※表紙イラストはAIイラスト自動作成で作っています

処理中です...