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高瀬の知り合いという白衣の男と二人っきりにされ、緊張する。
色々と質問されたが、高瀬の友人だと言う事で、信頼して全部ありのままに話した。
男に高瀬は俺が野菜パニックの魔王である事を話していた様で、俺の世界の事や俺の仕事内容、それをしてどう思っていたかや、野菜パニックで育って来た状況を聞かれた。
やたら詳細に聞かれて、ちょっと疲れたが、全部思い出せるだけ話した。
高瀬の友人はうんうんと、話を聞いてくれる。
この人も高瀬と同じでビックリするでもなく、怖がるでもなくすんなり受け入れてくれた。
やっぱりこっちの世界では不思議なものでは無いらしい。
もしかしてこの世界で前の世界の部下と出会えたりするのだろうか。
一通り話しをした後、念の為に色々検査がしたいと言い出した。
俺は何処も悪く無いので大丈夫だと言ったが、異世界から来たのなら何か未知の病気や異常が有っては困ると言う。
確かに体の作りが違ったりしたら後々大変だろう。
そう思って調べて貰う事にしたが、これもまた大変だった。
血液検査という鋭い針を腕に刺されて血を抜かれたり、やたら煩い機械の中に入れられたり、正直すごく怖かった。
どのくらいの時間を過ごしだろう。
南先生と話していると、高瀬が部屋に入って来た。
「高瀬! 俺を置いて何処に行っていたんだ!」
思わずキッと睨みつけてしまう。
寂しかったし、怖かったんたぞ!
「警察に貴方の事を相談に…… やはり、捜索願いは出ていませんてした」
「当たり前だ。俺は異世界から来た魔王なんだぞ? 誰が俺の捜索願いを出すんだ。俺の知り合いはこの世界には居ないんだ」
フンと、腕組みして高瀬から顔を反らす。
「申し訳ありません。貴方の知り合いがもしかしたら此方に転生していて困っているかも知れないと思ったので、似たような人が保護されて居ない聞いたんですよ」
ハハッと、苦笑してみせる高瀬。
なるほど、気が回る奴だ。
「誰か居たか?」
「いえ、居ませんでした」
「そうか……」
俺しか転生しなかったのか、もしくは全然違うけ世界に転生しているのかも知れないな。
南が高瀬に話しかける。
「帰って貰って大丈夫だ。検査に異常は無かったし、変わったところも無い。認知機能に異常が有るわけでもなく、知らない事でも教えれば直ぐ覚える。何の問題もない状態だ。何か強いストレスが影響してるいるかも知れないが、今の所はそんな様子も見受けられなかった」
俺の検査の結果についての報告らしいな。
「そうですか」
「どうする? お前が引き続き面倒を見てもらうと助かるが、此方に預けて貰っても構わない。適切な支援をしよう」
「そうですねぇ……」
高瀬は南の話に考える様子を見せた。
上手く話は飲み込めないが、検査に異常が無いから帰っても良いらしいが、高瀬に俺の面倒が見れないなら置いていけと言っているらしい。
そして高瀬は迷っている。
え?
俺、ここに置いてかれるの!?
確かにこの世界のことはまだ良く解らないし、高瀬に沢山迷惑かけてしまう。
非常識な事を言うだろうし、問題行動も起こすかも知れない。
異世界から来た奴はやっぱり俺みたいに住まいは無いだろうし、何処かに異世界人を集めて面倒を見る施設が有るのだろう。
俺を其処に送ると言うのか。
でも、そっちの方が良いのかな……
高瀬はたまたま俺を車で引きそうになったから拾ってくれただけだし。
面倒だよな。
俺だってその異世界人が集まる施設に行った方が話も合うかも知れない。
「連れて帰ります。また何か有ったら連絡しますね」
高瀬は南に言うと、俺に手差し出した。
掴んで良いのか、一瞬迷った。
「帰りましょう」
俺に笑顔を見せてくれた。
俺は高瀬の手を取った。
「じゃあ、まぁ、小学生の教科書とかドリルからやらせてみたら良いんじゃないか。あと、日常生活に必要な事を教えてやれば大丈夫だろう」
南は高瀬にアドバイスをして、俺達を見送る。
「あ、そうだ。名前が無いとカルテ付けられないから取り敢えず、山田マオにしておいたから」
思い出した様に付け加える南。
今日、俺の名前が山田マオに決まったらしい。
色々と質問されたが、高瀬の友人だと言う事で、信頼して全部ありのままに話した。
男に高瀬は俺が野菜パニックの魔王である事を話していた様で、俺の世界の事や俺の仕事内容、それをしてどう思っていたかや、野菜パニックで育って来た状況を聞かれた。
やたら詳細に聞かれて、ちょっと疲れたが、全部思い出せるだけ話した。
高瀬の友人はうんうんと、話を聞いてくれる。
この人も高瀬と同じでビックリするでもなく、怖がるでもなくすんなり受け入れてくれた。
やっぱりこっちの世界では不思議なものでは無いらしい。
もしかしてこの世界で前の世界の部下と出会えたりするのだろうか。
一通り話しをした後、念の為に色々検査がしたいと言い出した。
俺は何処も悪く無いので大丈夫だと言ったが、異世界から来たのなら何か未知の病気や異常が有っては困ると言う。
確かに体の作りが違ったりしたら後々大変だろう。
そう思って調べて貰う事にしたが、これもまた大変だった。
血液検査という鋭い針を腕に刺されて血を抜かれたり、やたら煩い機械の中に入れられたり、正直すごく怖かった。
どのくらいの時間を過ごしだろう。
南先生と話していると、高瀬が部屋に入って来た。
「高瀬! 俺を置いて何処に行っていたんだ!」
思わずキッと睨みつけてしまう。
寂しかったし、怖かったんたぞ!
「警察に貴方の事を相談に…… やはり、捜索願いは出ていませんてした」
「当たり前だ。俺は異世界から来た魔王なんだぞ? 誰が俺の捜索願いを出すんだ。俺の知り合いはこの世界には居ないんだ」
フンと、腕組みして高瀬から顔を反らす。
「申し訳ありません。貴方の知り合いがもしかしたら此方に転生していて困っているかも知れないと思ったので、似たような人が保護されて居ない聞いたんですよ」
ハハッと、苦笑してみせる高瀬。
なるほど、気が回る奴だ。
「誰か居たか?」
「いえ、居ませんでした」
「そうか……」
俺しか転生しなかったのか、もしくは全然違うけ世界に転生しているのかも知れないな。
南が高瀬に話しかける。
「帰って貰って大丈夫だ。検査に異常は無かったし、変わったところも無い。認知機能に異常が有るわけでもなく、知らない事でも教えれば直ぐ覚える。何の問題もない状態だ。何か強いストレスが影響してるいるかも知れないが、今の所はそんな様子も見受けられなかった」
俺の検査の結果についての報告らしいな。
「そうですか」
「どうする? お前が引き続き面倒を見てもらうと助かるが、此方に預けて貰っても構わない。適切な支援をしよう」
「そうですねぇ……」
高瀬は南の話に考える様子を見せた。
上手く話は飲み込めないが、検査に異常が無いから帰っても良いらしいが、高瀬に俺の面倒が見れないなら置いていけと言っているらしい。
そして高瀬は迷っている。
え?
俺、ここに置いてかれるの!?
確かにこの世界のことはまだ良く解らないし、高瀬に沢山迷惑かけてしまう。
非常識な事を言うだろうし、問題行動も起こすかも知れない。
異世界から来た奴はやっぱり俺みたいに住まいは無いだろうし、何処かに異世界人を集めて面倒を見る施設が有るのだろう。
俺を其処に送ると言うのか。
でも、そっちの方が良いのかな……
高瀬はたまたま俺を車で引きそうになったから拾ってくれただけだし。
面倒だよな。
俺だってその異世界人が集まる施設に行った方が話も合うかも知れない。
「連れて帰ります。また何か有ったら連絡しますね」
高瀬は南に言うと、俺に手差し出した。
掴んで良いのか、一瞬迷った。
「帰りましょう」
俺に笑顔を見せてくれた。
俺は高瀬の手を取った。
「じゃあ、まぁ、小学生の教科書とかドリルからやらせてみたら良いんじゃないか。あと、日常生活に必要な事を教えてやれば大丈夫だろう」
南は高瀬にアドバイスをして、俺達を見送る。
「あ、そうだ。名前が無いとカルテ付けられないから取り敢えず、山田マオにしておいたから」
思い出した様に付け加える南。
今日、俺の名前が山田マオに決まったらしい。
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