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5話
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「本条さんは本当にホットココアがお好きなんですね」
ホットココア飲む翠をニコニコと楽しげに眺める店主。
ホットココアだけじゃない。
翠は店主の綺麗な顔と笑顔を見るのも大好きだ。
そう言えば、店主さんの名前が解らないと困るな。
「店主さんのお名前を教えて貰っても良いですか?」
「ああ、そうですよね。でも私、魔王とか店主さんとか肩書しか無くて、もう魔王が名前みたいなものなんですけど」
昔は有ったのかも知れないが、長い間一人で居て皆魔王魔王と呼ぶので忘れてしまった魔王だ。
「そうなんですか……」
「今まで通り店主さんで良いですよ」
「うーん……」
何か寂しく無いだろうか。
「あ、あれなら本条さんが私に名前を付けて下さいで」
「無茶振り過ぎますよ」
急に名前を付けろなんて言われても、翠は困ってしまう。
笑顔が素敵でココアを入れるのが上手い美人さんと言う情報しか知らないのに、名前なんて……
笑美さんとかだろうか。
「そうだ笑美さんはココアにも何か魔法をかけているんですか?」
「エミと言う名前を付けてくれたんですね! 嬉しいです」
ついうっかり考えていたら勝手に笑美さんと呼んでしまった翠だが、魔王もすんなり受け入れたらしく、喜んでいる。
まぁ、良いかとなる翠。
喜んでくれているし、やっぱり笑顔が素敵だ。
「ココアには何もしてませんよ。そう言う魔法は掛けられません、私は物理的な魔法しか使えません、何か作り出す事もまぁ得意ですが、どちらかと言えば破壊する魔法の方が得意ですね。治癒も出来なくは無いのですが苦手で、薬草を使った方が良い」
フゥーと、困った表情で溜息と吐く笑美。
このココアに何もしてないと言う事は、やっぱただのココアと言う事。
俺は笑美さんの笑顔と、ココアに癒やされて良く眠れるだけなんだなぁ。
「さぁ、今日は疲れてしまったでしょうし、もう寝ましょう。お部屋は此方です」
ココア飲み終えた翠の手を引く笑美。
「あ、歯磨きがしたいです」
「あ、そうですよね。洗面所は此方に、お風呂も入ります?」
「朝、シャワーを浴びさせて下さい」
「解りました」
笑美は先ず洗面所に連れて行くのだった。
ホットココア飲む翠をニコニコと楽しげに眺める店主。
ホットココアだけじゃない。
翠は店主の綺麗な顔と笑顔を見るのも大好きだ。
そう言えば、店主さんの名前が解らないと困るな。
「店主さんのお名前を教えて貰っても良いですか?」
「ああ、そうですよね。でも私、魔王とか店主さんとか肩書しか無くて、もう魔王が名前みたいなものなんですけど」
昔は有ったのかも知れないが、長い間一人で居て皆魔王魔王と呼ぶので忘れてしまった魔王だ。
「そうなんですか……」
「今まで通り店主さんで良いですよ」
「うーん……」
何か寂しく無いだろうか。
「あ、あれなら本条さんが私に名前を付けて下さいで」
「無茶振り過ぎますよ」
急に名前を付けろなんて言われても、翠は困ってしまう。
笑顔が素敵でココアを入れるのが上手い美人さんと言う情報しか知らないのに、名前なんて……
笑美さんとかだろうか。
「そうだ笑美さんはココアにも何か魔法をかけているんですか?」
「エミと言う名前を付けてくれたんですね! 嬉しいです」
ついうっかり考えていたら勝手に笑美さんと呼んでしまった翠だが、魔王もすんなり受け入れたらしく、喜んでいる。
まぁ、良いかとなる翠。
喜んでくれているし、やっぱり笑顔が素敵だ。
「ココアには何もしてませんよ。そう言う魔法は掛けられません、私は物理的な魔法しか使えません、何か作り出す事もまぁ得意ですが、どちらかと言えば破壊する魔法の方が得意ですね。治癒も出来なくは無いのですが苦手で、薬草を使った方が良い」
フゥーと、困った表情で溜息と吐く笑美。
このココアに何もしてないと言う事は、やっぱただのココアと言う事。
俺は笑美さんの笑顔と、ココアに癒やされて良く眠れるだけなんだなぁ。
「さぁ、今日は疲れてしまったでしょうし、もう寝ましょう。お部屋は此方です」
ココア飲み終えた翠の手を引く笑美。
「あ、歯磨きがしたいです」
「あ、そうですよね。洗面所は此方に、お風呂も入ります?」
「朝、シャワーを浴びさせて下さい」
「解りました」
笑美は先ず洗面所に連れて行くのだった。
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