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中居さん達が食べ終えた食事を片付けたり布団を敷いてくれている間、俺たちは縁側にはけて涼みつつ、月さんにアルバムを見せていた。
「こっちがタマかな?」
「そうですね。本当に昔から冴えない子でしたよ」
夏樹は昔からやたら美形だった。
横に並ぶとモブ感が凄すぎる。
「そう? 可愛いけど。髪伸ばしてたの?」
「ええ、何か伸ばされてましたね」
いつも一つ結びにされていたっけ。
「あれ、これは……」
「ああ、子供の頃はよく着物を着せられてたんですよ」
何か可愛いからと女の子の着物を着せられてたな。
恥ずかしい。
「僕の初恋の子だぁ!」
「えっ?」
ビックリした様子の月さんは、スマホのカード入れから写真を取り出す。
「ほら、これが僕で、これがその子」
「あ、俺です……」
そういえば昔、母の実家へ行った時に女の子に会ったった。
すごくバイオリンの上手な子で……
仲良くなって夏祭りに行った。
「あの子、月さんだったんですか!?」
ビックリして月さんを見ればウンウン頷いている。
「女の子かと思ってました」
だって、ものすごく上品で可愛くて、ひらひらした服を着ていたんだ。
「僕も女の子かと思ってた」
「初恋なんですか?」
「そうなんだよ」
「なんか、ごめんなさい。忘れてください」
月さんの記念すべき初恋がまさか自分であるなんて。
実は男の子でしたなんて知りたくなかっただろう。
いや、俺もあの子との思い出は結構、爽やかな一夏の恋みたいな思い出だった。
まさか男の子だったなんて……
ちょっとショックだ。
きっと、月さんはもっとショックだろう。
夏樹がアルバムなんて持ってくるからこんな事に!
「タマと僕はもしかして運命の赤い糸で結ばれているんじゃないかな!」
「運命の赤い糸って友情みたいなのでも結ばれいるんですかね?」
これが運命の赤い糸かどうかは解らないが、運命的ではある。
月さんと運命の何かしらの糸で繋がっているなら嬉しい。
「とにかく、僕とタマは運命の糸で繋がってるんだ!」
「光栄ですよ」
嬉しそうにギュッと手を握って来る月さんが可愛い。
思わず笑顔になった。
「お片付けとお布団の用意が出来ました。では我々はこれで失礼致します」
夏樹が此方に声をかけて来た。
「有難うございます。写真も有難うございました」
アルバムは見終わったので返す。
「楽しんで頂けたなのなら母も喜びます」
夏樹はフフっと綺麗に微笑んで頭を下げるとアルバムを持って部屋を出ていった。
「あの子、何か裏がありそうな微笑みをするなぁ」
何か月さんの気に障ったらしい。
「すみません、笑顔が下手くそなんですよ。接客なのに致命的ですよね」
苦笑してしまう俺だ。
確かに、夏樹は昔から笑顔がちょっと怖い。
「ううん、僕の感覚の問題だから気にしないで。さて、折角の温泉を楽しまなきなゃね。行こう」
お腹も落ち着いたからと、月さんが俺の手を引いた。
大人しくお風呂場までついてきてハッとなる。
二人っきりで入るのはちょっと緊張する。
いや、男同士で何を緊張する事が有ると言うのだ。
変に意識する方が変だ。
「タマは服を着たまま温泉に入る気なのかな?」
「あわわ、取り敢えずトイレ!」
服をパッパと脱いでしまう月さん。
やっぱりワタワタしてしまう俺。
取り敢えずトイレに駆け込む。
一息ついてからトイレを出た。
「僕は先に入っているからね。すっぽかさないでね?」
逃げないでよ?と、念を押されてしまった。
俺も何を逃げる事が有るんだと、ふっきって服を脱ぐ。
それにしても、月さん、脱いだら凄すぎる。
腹筋バキバキだった。
「タマぁー、背中洗って」
入ると、月さんは体を洗っているところだった。
「はい」
ドキドキしながらタオルを受け取って、月さんの背中をゴシゴシする。
めっちゃくちゃ綺麗な背中だ。
白くてスベスベ。
「有難う。タマの背中も洗ってあげる」
「いえ、俺は……」
「洗ってあげる」
自分で出来ると断ろうとしたが、圧を感じて任せる事にした。
月さんはなぜそんなに俺の背中を洗いたがっているのだろう。
男同士の付き合い的なやつだろうか。
なんせ俺ときたら、男同士の入浴だって子供の頃に夏樹としたぐらいで、友人との付き合い方も良く解らない。
やっぱり月さんに任せとこう。
「タマの背中、綺麗だね。スベスベ」
「月さんの背中の方が綺麗でしたよ」
「そうかな。あ、こんな所に黒子あるよ」
「ひやっ!」
腰の辺りを急に触られてビックリし、変な声を上げてしまった。
恥ずかしくてヤバい。
「もう十分です!」
背中はもう綺麗なはずだ。
逃げる様に場所を移動し、自分も体を洗う事にした。
「そんな恥ずかしがらなくてもいいのに」
ハハっと笑う月さん。
そんな事言っても恥ずかしいものは恥ずかしい。
体を綺麗にし、湯船につかる。
「良いねぇ、気持ちいい」
「ええ、とても」
石造りの湯船は雰囲気も有って良いし、エメラルドグリーンの温泉が綺麗だ。
疲れが一気に吹き飛ぶ様だった。
「露天風呂にも行こうか」
「そうですね」
内風呂を堪能した後、露天風呂にも行く事にし、湯船を出る。
そんなつもりは無かったのに、不意に視線が月さんの股間に行ってしまった。
お、大きい。
待ってくれ、月さんの月さん、めっちゃ雄々しい。
受けの大きさじゃない。
あんなの勃起したら大変な事になる。
いや、受けのナニが大きのもエモいけど。
何を考えてるんだ俺は!!
慌てて視線を逸らすが、多分顔は真っ赤である。
「もうのぼせちゃった? 出る??」
こちらに気づいた月さんが事もあろうに心配してくれるのがまた、申し訳なさすぎて泣きたくなる。
首を振って露天風呂に同行した。
露天風呂もまた雰囲気のある石造りで良かった。
温泉を十分に堪能する事が出来た。
温泉が透明じゃなくて良かったと、俺はつくづく思ったのだった。
俺は自分でも思った以上に変態野郎だ。
月さんには本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまった。
「こっちがタマかな?」
「そうですね。本当に昔から冴えない子でしたよ」
夏樹は昔からやたら美形だった。
横に並ぶとモブ感が凄すぎる。
「そう? 可愛いけど。髪伸ばしてたの?」
「ええ、何か伸ばされてましたね」
いつも一つ結びにされていたっけ。
「あれ、これは……」
「ああ、子供の頃はよく着物を着せられてたんですよ」
何か可愛いからと女の子の着物を着せられてたな。
恥ずかしい。
「僕の初恋の子だぁ!」
「えっ?」
ビックリした様子の月さんは、スマホのカード入れから写真を取り出す。
「ほら、これが僕で、これがその子」
「あ、俺です……」
そういえば昔、母の実家へ行った時に女の子に会ったった。
すごくバイオリンの上手な子で……
仲良くなって夏祭りに行った。
「あの子、月さんだったんですか!?」
ビックリして月さんを見ればウンウン頷いている。
「女の子かと思ってました」
だって、ものすごく上品で可愛くて、ひらひらした服を着ていたんだ。
「僕も女の子かと思ってた」
「初恋なんですか?」
「そうなんだよ」
「なんか、ごめんなさい。忘れてください」
月さんの記念すべき初恋がまさか自分であるなんて。
実は男の子でしたなんて知りたくなかっただろう。
いや、俺もあの子との思い出は結構、爽やかな一夏の恋みたいな思い出だった。
まさか男の子だったなんて……
ちょっとショックだ。
きっと、月さんはもっとショックだろう。
夏樹がアルバムなんて持ってくるからこんな事に!
「タマと僕はもしかして運命の赤い糸で結ばれているんじゃないかな!」
「運命の赤い糸って友情みたいなのでも結ばれいるんですかね?」
これが運命の赤い糸かどうかは解らないが、運命的ではある。
月さんと運命の何かしらの糸で繋がっているなら嬉しい。
「とにかく、僕とタマは運命の糸で繋がってるんだ!」
「光栄ですよ」
嬉しそうにギュッと手を握って来る月さんが可愛い。
思わず笑顔になった。
「お片付けとお布団の用意が出来ました。では我々はこれで失礼致します」
夏樹が此方に声をかけて来た。
「有難うございます。写真も有難うございました」
アルバムは見終わったので返す。
「楽しんで頂けたなのなら母も喜びます」
夏樹はフフっと綺麗に微笑んで頭を下げるとアルバムを持って部屋を出ていった。
「あの子、何か裏がありそうな微笑みをするなぁ」
何か月さんの気に障ったらしい。
「すみません、笑顔が下手くそなんですよ。接客なのに致命的ですよね」
苦笑してしまう俺だ。
確かに、夏樹は昔から笑顔がちょっと怖い。
「ううん、僕の感覚の問題だから気にしないで。さて、折角の温泉を楽しまなきなゃね。行こう」
お腹も落ち着いたからと、月さんが俺の手を引いた。
大人しくお風呂場までついてきてハッとなる。
二人っきりで入るのはちょっと緊張する。
いや、男同士で何を緊張する事が有ると言うのだ。
変に意識する方が変だ。
「タマは服を着たまま温泉に入る気なのかな?」
「あわわ、取り敢えずトイレ!」
服をパッパと脱いでしまう月さん。
やっぱりワタワタしてしまう俺。
取り敢えずトイレに駆け込む。
一息ついてからトイレを出た。
「僕は先に入っているからね。すっぽかさないでね?」
逃げないでよ?と、念を押されてしまった。
俺も何を逃げる事が有るんだと、ふっきって服を脱ぐ。
それにしても、月さん、脱いだら凄すぎる。
腹筋バキバキだった。
「タマぁー、背中洗って」
入ると、月さんは体を洗っているところだった。
「はい」
ドキドキしながらタオルを受け取って、月さんの背中をゴシゴシする。
めっちゃくちゃ綺麗な背中だ。
白くてスベスベ。
「有難う。タマの背中も洗ってあげる」
「いえ、俺は……」
「洗ってあげる」
自分で出来ると断ろうとしたが、圧を感じて任せる事にした。
月さんはなぜそんなに俺の背中を洗いたがっているのだろう。
男同士の付き合い的なやつだろうか。
なんせ俺ときたら、男同士の入浴だって子供の頃に夏樹としたぐらいで、友人との付き合い方も良く解らない。
やっぱり月さんに任せとこう。
「タマの背中、綺麗だね。スベスベ」
「月さんの背中の方が綺麗でしたよ」
「そうかな。あ、こんな所に黒子あるよ」
「ひやっ!」
腰の辺りを急に触られてビックリし、変な声を上げてしまった。
恥ずかしくてヤバい。
「もう十分です!」
背中はもう綺麗なはずだ。
逃げる様に場所を移動し、自分も体を洗う事にした。
「そんな恥ずかしがらなくてもいいのに」
ハハっと笑う月さん。
そんな事言っても恥ずかしいものは恥ずかしい。
体を綺麗にし、湯船につかる。
「良いねぇ、気持ちいい」
「ええ、とても」
石造りの湯船は雰囲気も有って良いし、エメラルドグリーンの温泉が綺麗だ。
疲れが一気に吹き飛ぶ様だった。
「露天風呂にも行こうか」
「そうですね」
内風呂を堪能した後、露天風呂にも行く事にし、湯船を出る。
そんなつもりは無かったのに、不意に視線が月さんの股間に行ってしまった。
お、大きい。
待ってくれ、月さんの月さん、めっちゃ雄々しい。
受けの大きさじゃない。
あんなの勃起したら大変な事になる。
いや、受けのナニが大きのもエモいけど。
何を考えてるんだ俺は!!
慌てて視線を逸らすが、多分顔は真っ赤である。
「もうのぼせちゃった? 出る??」
こちらに気づいた月さんが事もあろうに心配してくれるのがまた、申し訳なさすぎて泣きたくなる。
首を振って露天風呂に同行した。
露天風呂もまた雰囲気のある石造りで良かった。
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温泉が透明じゃなくて良かったと、俺はつくづく思ったのだった。
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