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39話 ※自慰の話し
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春岳は千代に手伝われ身なりを整えると、客人の元に向かった。
遅くなってしまった事を謝罪する。
そして最近訪れた客人に渡している春岳秘伝の良く効く薬をお土産に渡した。
客人は気にした様子も無く、忙しい所にお邪魔してしまったと、逆に謝られたが、本当に忙しくは無かったのだ。
自分が勝手に盛ってしまっただけである。
客人の話を聞き、戦法や策戦を考える春岳。
客人は戦を控えている城の者で、春岳に助言を求めて来たのである。
三パターン程考えてやれば、なるほど!
と、満足してくれた様子であった。
それとやはり、近くの丸武城は不穏な動きしている様だ。
此方も武力を蓄え、備えた方が良いと忠告されてしまった。
武力を蓄えろと言われても、難しいが……
友好関係にある城には、いざと言う際に力を貸してくれる様に手紙を書くぐらいしか手立ては無さそうだ。
此方から毒を一度投げ込んで牽制している為に、そうそう手出しはして来ないとは思うが……
夜もふけ、用が済んだ客人達には色小姓達を宛てがった春岳。
伊吹の部屋に戻る。
ああ、きっと凄く怒っているだろうな。
でも謝って、誠実さを見せたい。
せめて、それから戯れでは無く、本気だと伝えなければ。
本気だからって強引に襲うのは良くない事であるが……
「伊吹、入るよ」
中に声をかけて、襖を開ける。
「え、あ、殿…… 客人の対応は終わりましたか?」
伊吹は布団にくるまって寝ていた様だった。
顔だけ此方を向ける。
「ああ、満足してくれた様子だ」
春岳は伊吹の部屋に入り、伊吹の側に寄った。
「そうですか。それは良うございました」
「伊吹、なんでそんな顔を真っ赤にしてるんですか?」
布団にくるまっていた伊吹は良く見れば顔を真っ赤にしてしまっている。
自分の顔を見ても布団から出ずにいるのは変であった。
動けないのか?
もしかして熱でも出してしまっただろうか。
春岳は心配し、伊吹の額に触れてみる。
うん。 やはり、少し高いかもしれない。
「熱冷ましを持ってきますね」
氷と濡れタオルを用意しよう。
「え? 結構です。もう殿も寝て下い」
伊吹は首を振って遠慮する。
困った表情をしていた。
「でも、顔が真っ赤ですよ。私のせいですね。申し訳ありません……」
春岳は申し訳なく、責任感を感じていた。
自分が伊吹を湯殿で襲い、のぼせさせてしまったせいで、伊吹が苦しそうにしているのだ。
「殿のせいでは御座いませんので……」
伊吹はただ、自慰が上手くいかず未だに熱を逃せないだけである。
なので早く春岳には出て行って欲しかった。
こんな事に気づかれたら、伊吹はもう立ち直れない。
「いいえ、私のせいです。申し訳ありません伊吹、私、伊吹の事が……」
春岳は自分の気持ち伝えてしまおうと思った。
だから看病をさせて欲しいと言いたかった。
「殿のせいでは御座いません。本当に、出て行って貰えませんか?」
余裕の無い伊吹は少し口調がキツくなってしまう。
言葉を遮られた春岳。
やっぱり怒っているんだ。
そう思うと、悲しくなる。
「あ、えっと、殿、解って貰えませんか? 殿だって同じ男なら解って頂けるものと思いますが、その、それなので……」
ついキツイ口調になった事を申し訳なく思った伊吹は、素直に打ち明ける事にした。
「???」
だが、どうも春岳には伝わらなかったらしく、首を傾げられてしまっていた。
そうだった。殿は性欲あまり無さそうなんだ。じゃあ、解らないか。
「えっと、あの、摩羅が熱いので自慰をしておりました。殿がお勤めしている最中に、申し訳ございません」
もうどうしたら良いのか解らなくなってしまった伊吹は、素直に言うと布団から出て土下座する。
「ああ、そう言う事でしたか。なるほど」
顔を真っ赤にしていたのは自慰していたからなのか。
春岳は納得する。
布団から出なかったのは隠したかったからだろう。
「そうなのです。殿は性欲があまり無いのでご存知無いのかも知れないのですが、男は摩羅が熱くなると自慰や交わる等して精子を出さなけば辛いのです。そして、私は今、摩羅が熱くて辛いのです」
春岳には解らないだろうと、丁寧に説明する伊吹。
恥ずかしすぎる。
体を起こすと反応した魔羅を見られてしまいそうで、伊吹は土下座の体制から体を起こせないでいた。
「う、うん。知ってる」
伊吹は忘れている様だが、春岳も勃起はするので解る。
最近は主に伊吹に向けてだけ性欲もある。
もしや伊吹は、さっき湯殿でした事も夢だと思っているのだろうか。
春岳もあのまま抜けなかったので、実は摩羅は勃起したままだ。
着物で自然にみせつつ、上手く誤魔化しているだけだ。
「ご存知でありましたか」
春岳にも性欲は有り、勃起するのだと知り、伊吹はホッとした顔を見せた。
「伊吹は自慰なんだな」
独り言の様に呟く春岳。
色小姓や女中を呼ばないのだな。
そういえば、想いの共わない交わいは好かないと言っていたか。
「……丁度、俺の魔羅もこんな状態ですし。一緒にしないか?」
前を押さえていた布を外して、前を寛げる春岳。
「え!? ええ!?!?」
ピョンと、飛び出る春岳の魔羅に伊吹はビックリした様子だ。
「そんな状況だったのですか!? 大丈夫ですか!? 色小姓を呼びましょう!」
伊吹の大丈夫ですか? は、もしかして頭を心配されているのだろうか。
多分、俺の頭は手遅れだ。
「女も色小姓も好かん。萎える」
これも何度も言ってる気がするんだが……
面倒くさいな。
どうせ夢だとに思われるんなら力任せてに襲っちまうかな。
なんて、考えてしまう春岳だ。
「私と一緒にした方がより萎えられるのでは?」
「萎えない、伊吹の自慰が見たい。俺に見せてくれ。その伊吹の自慰で俺も自慰する」
「は??」
伊吹は春岳が何を言い出したのか意味が解らず、困惑してしまった。
「一緒に自慰しましょう」
春岳はフフっと綺麗な笑顔で伊吹の布団を奪ってしまうのだった。
遅くなってしまった事を謝罪する。
そして最近訪れた客人に渡している春岳秘伝の良く効く薬をお土産に渡した。
客人は気にした様子も無く、忙しい所にお邪魔してしまったと、逆に謝られたが、本当に忙しくは無かったのだ。
自分が勝手に盛ってしまっただけである。
客人の話を聞き、戦法や策戦を考える春岳。
客人は戦を控えている城の者で、春岳に助言を求めて来たのである。
三パターン程考えてやれば、なるほど!
と、満足してくれた様子であった。
それとやはり、近くの丸武城は不穏な動きしている様だ。
此方も武力を蓄え、備えた方が良いと忠告されてしまった。
武力を蓄えろと言われても、難しいが……
友好関係にある城には、いざと言う際に力を貸してくれる様に手紙を書くぐらいしか手立ては無さそうだ。
此方から毒を一度投げ込んで牽制している為に、そうそう手出しはして来ないとは思うが……
夜もふけ、用が済んだ客人達には色小姓達を宛てがった春岳。
伊吹の部屋に戻る。
ああ、きっと凄く怒っているだろうな。
でも謝って、誠実さを見せたい。
せめて、それから戯れでは無く、本気だと伝えなければ。
本気だからって強引に襲うのは良くない事であるが……
「伊吹、入るよ」
中に声をかけて、襖を開ける。
「え、あ、殿…… 客人の対応は終わりましたか?」
伊吹は布団にくるまって寝ていた様だった。
顔だけ此方を向ける。
「ああ、満足してくれた様子だ」
春岳は伊吹の部屋に入り、伊吹の側に寄った。
「そうですか。それは良うございました」
「伊吹、なんでそんな顔を真っ赤にしてるんですか?」
布団にくるまっていた伊吹は良く見れば顔を真っ赤にしてしまっている。
自分の顔を見ても布団から出ずにいるのは変であった。
動けないのか?
もしかして熱でも出してしまっただろうか。
春岳は心配し、伊吹の額に触れてみる。
うん。 やはり、少し高いかもしれない。
「熱冷ましを持ってきますね」
氷と濡れタオルを用意しよう。
「え? 結構です。もう殿も寝て下い」
伊吹は首を振って遠慮する。
困った表情をしていた。
「でも、顔が真っ赤ですよ。私のせいですね。申し訳ありません……」
春岳は申し訳なく、責任感を感じていた。
自分が伊吹を湯殿で襲い、のぼせさせてしまったせいで、伊吹が苦しそうにしているのだ。
「殿のせいでは御座いませんので……」
伊吹はただ、自慰が上手くいかず未だに熱を逃せないだけである。
なので早く春岳には出て行って欲しかった。
こんな事に気づかれたら、伊吹はもう立ち直れない。
「いいえ、私のせいです。申し訳ありません伊吹、私、伊吹の事が……」
春岳は自分の気持ち伝えてしまおうと思った。
だから看病をさせて欲しいと言いたかった。
「殿のせいでは御座いません。本当に、出て行って貰えませんか?」
余裕の無い伊吹は少し口調がキツくなってしまう。
言葉を遮られた春岳。
やっぱり怒っているんだ。
そう思うと、悲しくなる。
「あ、えっと、殿、解って貰えませんか? 殿だって同じ男なら解って頂けるものと思いますが、その、それなので……」
ついキツイ口調になった事を申し訳なく思った伊吹は、素直に打ち明ける事にした。
「???」
だが、どうも春岳には伝わらなかったらしく、首を傾げられてしまっていた。
そうだった。殿は性欲あまり無さそうなんだ。じゃあ、解らないか。
「えっと、あの、摩羅が熱いので自慰をしておりました。殿がお勤めしている最中に、申し訳ございません」
もうどうしたら良いのか解らなくなってしまった伊吹は、素直に言うと布団から出て土下座する。
「ああ、そう言う事でしたか。なるほど」
顔を真っ赤にしていたのは自慰していたからなのか。
春岳は納得する。
布団から出なかったのは隠したかったからだろう。
「そうなのです。殿は性欲があまり無いのでご存知無いのかも知れないのですが、男は摩羅が熱くなると自慰や交わる等して精子を出さなけば辛いのです。そして、私は今、摩羅が熱くて辛いのです」
春岳には解らないだろうと、丁寧に説明する伊吹。
恥ずかしすぎる。
体を起こすと反応した魔羅を見られてしまいそうで、伊吹は土下座の体制から体を起こせないでいた。
「う、うん。知ってる」
伊吹は忘れている様だが、春岳も勃起はするので解る。
最近は主に伊吹に向けてだけ性欲もある。
もしや伊吹は、さっき湯殿でした事も夢だと思っているのだろうか。
春岳もあのまま抜けなかったので、実は摩羅は勃起したままだ。
着物で自然にみせつつ、上手く誤魔化しているだけだ。
「ご存知でありましたか」
春岳にも性欲は有り、勃起するのだと知り、伊吹はホッとした顔を見せた。
「伊吹は自慰なんだな」
独り言の様に呟く春岳。
色小姓や女中を呼ばないのだな。
そういえば、想いの共わない交わいは好かないと言っていたか。
「……丁度、俺の魔羅もこんな状態ですし。一緒にしないか?」
前を押さえていた布を外して、前を寛げる春岳。
「え!? ええ!?!?」
ピョンと、飛び出る春岳の魔羅に伊吹はビックリした様子だ。
「そんな状況だったのですか!? 大丈夫ですか!? 色小姓を呼びましょう!」
伊吹の大丈夫ですか? は、もしかして頭を心配されているのだろうか。
多分、俺の頭は手遅れだ。
「女も色小姓も好かん。萎える」
これも何度も言ってる気がするんだが……
面倒くさいな。
どうせ夢だとに思われるんなら力任せてに襲っちまうかな。
なんて、考えてしまう春岳だ。
「私と一緒にした方がより萎えられるのでは?」
「萎えない、伊吹の自慰が見たい。俺に見せてくれ。その伊吹の自慰で俺も自慰する」
「は??」
伊吹は春岳が何を言い出したのか意味が解らず、困惑してしまった。
「一緒に自慰しましょう」
春岳はフフっと綺麗な笑顔で伊吹の布団を奪ってしまうのだった。
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