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眠れる森の子ダヌキ
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廊下は中庭へ下りたアリスは東屋へ向かって歩き出した。
すると直ぐ手前の植え込みの茂みがガサガサと揺れた。
「?」
足を止めるアリス。
もしや子ダヌキ?
ガサッ、ガサガサ、……、ガサッ!
大きく揺れた茂みの中から飛び出してきたのは、
「?!クラリア様?」
クラリアだった。植え込みからガサガサと出てきたクラリアは髪や制服についた葉っぱを乱雑に払うと驚きに腰を抜かしそうになっているアリスを見た。
「怪しい」
「へっ?!」
「東屋の子ダヌキよっ」
意味が解らず目を丸くするアリス。その耳をクラリアはグイッと引っ張った。
「い痛ででっ」
「行くわよっ」
クラリアはそのままアリスを手にのしのしと中庭の遊歩道を東屋に向かって歩き出した。
東屋の前で仁王立ちのクラリア。その横で耳を擦りながらアリスは口を尖らせた。
「も~、耳が千切れますって~」
文句を言うアリス。がクラリアは完全無視で東屋を睨み付けていた。
「子ダヌキが逃げちゃうよお」
そのアリスの目の前に青い薔薇の花びらが一枚、また一枚と風に乗ってひらりひらりと流れてくる。青い花びらの舞う先に目を向けたアリスは、
「…、え?」
「……」
ズカズカと東屋へ近付いていくクラリアの背中に隠れるように付いていったアリスはクラリアの肩越しに東屋の中を除き込み、
「ひゅっ」
息を飲み思わずビスケットの箱を握り締めた。
青い薔薇が咲き乱れる東屋の中で椅子にもたれ、カイルが寝息を立てていた。長い脚を投げ出し形の良い唇から洩れる寝息に合わせて薄く胸が上下している。閉じられた瞳がより睫毛の長さをことさら強調していて額に掛かる銀髪をそよ風が気まぐれに揺らしていた。
…、これは青い薔薇の森で眠れる森の美男!!
アリスはクラリアの肩越しに食い入るように眠っているカイルをガン見した。
これは、これは、喪女ルート特別スチルではない。カイルルート潜入おめでとうスチルだっ。どんぶり飯どころの騒ぎじゃないわ。足りないわ、炊飯器ごと飯がイケるわ。
もー、超絶カッコいい。若かりし頃のアイルたん、カイル王太子がめちゃくちゃイケメン過ぎるんですけどーっ♪目に焼き付けねば。脳裏に刻み込まなくてはなりませぬ~っ。
まばたきも忘れてカイルを凝視し続けるアリス。
その時、クラリアの厳しい声が飛んだ。
「狸寝入りをするのは止めろっ」
子ダヌキは後でいいです、クラリア様。
アリスはカイルをただ見惚れ続けて、
パチッ。
不意にカイルの瞳が開いた。スッと身を起こしたカイルは椅子に座り直し足を組んでから髪をかき上げると、ニコッとアリスに微笑み掛けた。
「ぐはっ」
丸腰だったアリスはキラキラの弾丸に撃ち抜かれた。そのまま膝から崩れ落ちるアリスの首根っこ掴みつつケツを膝蹴りして立たせたクラリアはズイッとアリスをカイルに突き出した。
「どういうおつもりで?」
「どういうつもり、とは?」
ウチの子(犬)にまた妙な真似をしたらタダではおかない、と顔に書いてあるクラリアの問いに邪気の無い笑顔を浮かべたカイルは二人にスッと向かいの席を指し示す。
「結構よ、時間が御座いません」
クラリアはつれなく返すがアリスはフラフラと夢遊病者のようにカイルに促されるままにカイルの向かいの席に座った。
それを見たクラリアの眼尻が吊り上がる。
このバカ犬!サカリのついたオス犬の前にノコノコ出ていくなんて何を考えているのよ。
何も考えていないアリスは、
は~♪カッコ良いなあ。
ぽ~っと自分に見惚れているアリスにカイルはちょっと照れたような顔になった。
「あの、そうじっと見つめられるとちょっと恥ずかし…」
「スミマセンでしたー!」
次の瞬間アリスは椅子から転げ落ちるように土下座していた。
「いや、それもちょっと」
慌てたカイルはアリスの腕を掴み椅子に座らせる。
や~ん♪カイル様に腕を掴まれちゃったー♪
座り直したアリスは自分の腕を見て、
カイル様を見るのはNGだから~。
とクラリアを見た。溜め息をついたクラリアはしぶしぶといった顔で東屋へ来るとアリスの隣りに座りカイルを睨んだ。
「で、アリスに何の用?!」
「アリス嬢にドレスの事を聞きたくてね」
「それでビスケットで釣ったのね」
アリスはテーブルの上で握りしめられ過ぎてぐでっと歪んだビスケットの箱を見る。そのアリスと歪んだビスケットの箱を見比べてフフッとカイルは笑うと、
「で、どうだったかな?私の選んだドレスはお気に召しただろうか?」
カイルの問い掛けに、バッとビスケットの箱で顔を隠したアリスはそのままうんうんと頷いた。
「ハイ、とってもっ素敵なドレスで御座いますっ」
「あーら、これではご馳走が食べられないとおっしゃられていませんでしたかしら~」
そこにクラリアの意地悪い横槍が入る。
「そうなの?」
「ママドレスの方が沢山食べられるのよねー」
更に続けるクラリアにカイルは気掛かりな様子でビスケットの箱越しにアリスを見る。
「すでに御母上が用意なさっていたのかい?」
「いえ、その」
アリスはうぬぬと言い淀んだ。
ドレスはコチラで用意するよサインを全て見逃してましたとか、クリスマス舞踏会のご馳走目当ての参加希望でしたとか、ドレスのウエストにはコルセットではなく総ゴムをお願いしたいとか、言える訳がないよ~っ。
進退窮まるアリスにザ悪役令嬢な笑みを浮かべたクラリアが、
「そんな事は無かったわね。とても素敵なドレスをとても気に入っていたものね」
イケメンと簡単おしゃべりマニュアル基本中の基本 攻略対象キャラクター共通 犬でも出来ちゃう会話応対集、攻略対象キャラクターが挨拶の後も話を続けてきたら。お勧めパターン 友人といる場合、全てのセリフや間合いを真似して繰り返す。
アリスはくっと唇を噛むとビスケットをテーブルの上に置いた。
「そんな事は御座いません。とても素敵なドレスで気に入っています」
ニッと笑うアリスにカイルは優しく微笑み掛ける。
「良かった。着替えの場所はクラリアの部屋を頼んであるよ。もう一度ドレスを合わせる時には仮縫いの時にいた二人を行かせるから、その時に希望のアクセサリーや髪型を伝えてくれるかな。履き慣れた靴を用意してくれれば良いからね。当日の着替えもその二人が行くから心配しないで」
「まあ、何から何まで。感謝なさい、アリス」
「ハイ、何から何まで感謝します。アリ…」
「あり?」
しまった、繰り返し過ぎた。
テンパリアリスと笑いを堪えるクラリアにカイルは首を傾げたがそれ以上は触れずに、
「ではまた、時間を取らせて悪かったね」
カイルはテーブルの上に投げ出されていたアリスの手にポンポンと自分の手を重ねると、
「じゃあね」
とアリスとクラリアに手を振り、そしてそのまま東屋を去って行った。
フンッと鼻を鳴らしたクラリアは、
「まあ、いいわ。手の消毒は自分でしておくのよ」
アリスの頭をポンポンと叩いて東屋を出ていく。
アリスは様々な問題は全て後回しで、
私の手の上にカイル様の手がポンポンってーっ。
をひたすら反芻していた。
すると直ぐ手前の植え込みの茂みがガサガサと揺れた。
「?」
足を止めるアリス。
もしや子ダヌキ?
ガサッ、ガサガサ、……、ガサッ!
大きく揺れた茂みの中から飛び出してきたのは、
「?!クラリア様?」
クラリアだった。植え込みからガサガサと出てきたクラリアは髪や制服についた葉っぱを乱雑に払うと驚きに腰を抜かしそうになっているアリスを見た。
「怪しい」
「へっ?!」
「東屋の子ダヌキよっ」
意味が解らず目を丸くするアリス。その耳をクラリアはグイッと引っ張った。
「い痛ででっ」
「行くわよっ」
クラリアはそのままアリスを手にのしのしと中庭の遊歩道を東屋に向かって歩き出した。
東屋の前で仁王立ちのクラリア。その横で耳を擦りながらアリスは口を尖らせた。
「も~、耳が千切れますって~」
文句を言うアリス。がクラリアは完全無視で東屋を睨み付けていた。
「子ダヌキが逃げちゃうよお」
そのアリスの目の前に青い薔薇の花びらが一枚、また一枚と風に乗ってひらりひらりと流れてくる。青い花びらの舞う先に目を向けたアリスは、
「…、え?」
「……」
ズカズカと東屋へ近付いていくクラリアの背中に隠れるように付いていったアリスはクラリアの肩越しに東屋の中を除き込み、
「ひゅっ」
息を飲み思わずビスケットの箱を握り締めた。
青い薔薇が咲き乱れる東屋の中で椅子にもたれ、カイルが寝息を立てていた。長い脚を投げ出し形の良い唇から洩れる寝息に合わせて薄く胸が上下している。閉じられた瞳がより睫毛の長さをことさら強調していて額に掛かる銀髪をそよ風が気まぐれに揺らしていた。
…、これは青い薔薇の森で眠れる森の美男!!
アリスはクラリアの肩越しに食い入るように眠っているカイルをガン見した。
これは、これは、喪女ルート特別スチルではない。カイルルート潜入おめでとうスチルだっ。どんぶり飯どころの騒ぎじゃないわ。足りないわ、炊飯器ごと飯がイケるわ。
もー、超絶カッコいい。若かりし頃のアイルたん、カイル王太子がめちゃくちゃイケメン過ぎるんですけどーっ♪目に焼き付けねば。脳裏に刻み込まなくてはなりませぬ~っ。
まばたきも忘れてカイルを凝視し続けるアリス。
その時、クラリアの厳しい声が飛んだ。
「狸寝入りをするのは止めろっ」
子ダヌキは後でいいです、クラリア様。
アリスはカイルをただ見惚れ続けて、
パチッ。
不意にカイルの瞳が開いた。スッと身を起こしたカイルは椅子に座り直し足を組んでから髪をかき上げると、ニコッとアリスに微笑み掛けた。
「ぐはっ」
丸腰だったアリスはキラキラの弾丸に撃ち抜かれた。そのまま膝から崩れ落ちるアリスの首根っこ掴みつつケツを膝蹴りして立たせたクラリアはズイッとアリスをカイルに突き出した。
「どういうおつもりで?」
「どういうつもり、とは?」
ウチの子(犬)にまた妙な真似をしたらタダではおかない、と顔に書いてあるクラリアの問いに邪気の無い笑顔を浮かべたカイルは二人にスッと向かいの席を指し示す。
「結構よ、時間が御座いません」
クラリアはつれなく返すがアリスはフラフラと夢遊病者のようにカイルに促されるままにカイルの向かいの席に座った。
それを見たクラリアの眼尻が吊り上がる。
このバカ犬!サカリのついたオス犬の前にノコノコ出ていくなんて何を考えているのよ。
何も考えていないアリスは、
は~♪カッコ良いなあ。
ぽ~っと自分に見惚れているアリスにカイルはちょっと照れたような顔になった。
「あの、そうじっと見つめられるとちょっと恥ずかし…」
「スミマセンでしたー!」
次の瞬間アリスは椅子から転げ落ちるように土下座していた。
「いや、それもちょっと」
慌てたカイルはアリスの腕を掴み椅子に座らせる。
や~ん♪カイル様に腕を掴まれちゃったー♪
座り直したアリスは自分の腕を見て、
カイル様を見るのはNGだから~。
とクラリアを見た。溜め息をついたクラリアはしぶしぶといった顔で東屋へ来るとアリスの隣りに座りカイルを睨んだ。
「で、アリスに何の用?!」
「アリス嬢にドレスの事を聞きたくてね」
「それでビスケットで釣ったのね」
アリスはテーブルの上で握りしめられ過ぎてぐでっと歪んだビスケットの箱を見る。そのアリスと歪んだビスケットの箱を見比べてフフッとカイルは笑うと、
「で、どうだったかな?私の選んだドレスはお気に召しただろうか?」
カイルの問い掛けに、バッとビスケットの箱で顔を隠したアリスはそのままうんうんと頷いた。
「ハイ、とってもっ素敵なドレスで御座いますっ」
「あーら、これではご馳走が食べられないとおっしゃられていませんでしたかしら~」
そこにクラリアの意地悪い横槍が入る。
「そうなの?」
「ママドレスの方が沢山食べられるのよねー」
更に続けるクラリアにカイルは気掛かりな様子でビスケットの箱越しにアリスを見る。
「すでに御母上が用意なさっていたのかい?」
「いえ、その」
アリスはうぬぬと言い淀んだ。
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進退窮まるアリスにザ悪役令嬢な笑みを浮かべたクラリアが、
「そんな事は無かったわね。とても素敵なドレスをとても気に入っていたものね」
イケメンと簡単おしゃべりマニュアル基本中の基本 攻略対象キャラクター共通 犬でも出来ちゃう会話応対集、攻略対象キャラクターが挨拶の後も話を続けてきたら。お勧めパターン 友人といる場合、全てのセリフや間合いを真似して繰り返す。
アリスはくっと唇を噛むとビスケットをテーブルの上に置いた。
「そんな事は御座いません。とても素敵なドレスで気に入っています」
ニッと笑うアリスにカイルは優しく微笑み掛ける。
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「まあ、何から何まで。感謝なさい、アリス」
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「あり?」
しまった、繰り返し過ぎた。
テンパリアリスと笑いを堪えるクラリアにカイルは首を傾げたがそれ以上は触れずに、
「ではまた、時間を取らせて悪かったね」
カイルはテーブルの上に投げ出されていたアリスの手にポンポンと自分の手を重ねると、
「じゃあね」
とアリスとクラリアに手を振り、そしてそのまま東屋を去って行った。
フンッと鼻を鳴らしたクラリアは、
「まあ、いいわ。手の消毒は自分でしておくのよ」
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∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
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※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
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