それって食べ物ですか？いいえ飲み物です。

11章

198 静かめの晩御飯

カグリア視点

家の近くには小屋が新しく出来ており、ルナ達が待っていた。
だが、ティーはいないようだ。

どこ行った？
確かに最後の芋山を持って行くのは確認している。
つまり、転移中に何かあった！？

探しに動こうかとした時、先日知り合ったマリの所に行ってしまったようだ。
しかも、寝ているらしい。
そして、今思えば…アホ毛がしなっとヘタれていたわ。
あれがサインだったのね。

ティーと芋山の回収はルナがしてくれるらしく、あたしはこっちの後片付けと夕飯作りをすることになった。
リリスが料理を手伝ってくれるけど、何にしようかしら？
ふふ、あたしの料理の腕前を見せてあげるわ！

あたしは片付けを終わらせ娘達をお風呂に入れた後台所に向かった。

…調理後

チーン！

リリスに料理で負けた…

材料のカットはあたしが優れていたが、あたしが鍋で肉を炒めている間にリリスが踏み台に乗って、野菜や調味料を横から入れてルナが作るような家庭的な料理にしていた。

リリスは将来、いいお嫁さんになるわね。
…まだ早いか。

あたしは片付けをするリリスと見ていると…

「むー！むー！むー！」

あら？台所に備え付けたベビーベッドに入れたクリスが立ち上がりこっちを向いてむーむー唸っていた。

どうしたのかしら？
ティーなら言っていることはわかるけど、クリスはわからないのよね。

「クリスどうしたの？」

あたしはエプロンで手を拭きながらクリスに近付くとクリスはお腹を触り…

「まんまーまんまー！！」

あー…お腹空いたのね。
クリス達の分のご飯も出来ているですぐに夕飯は食べられるが、ルナとティーを待つべきか悩む所ね。
よし！

「ルナ達がいつ帰るかわからないし料理が冷める前に食べましょう。」

「え！いいの？ルナお母さん達待たないの？」

「マリの所に行っているなら時間がかかるでしょうし、クリスを限界そうだから早く食べましょう。」

「むー！むー！むー！」

なんかクリスが涙目になってきてる。
あれ？ご飯忘れてた？
ルナといたはずだから食べているはずよね。
今日たくさん動いたからかしら？
まぁ、食べれば解決するし食べましょ！

あたし達は料理を食堂に運び食べ始めた。
いつもよりは静かめの晩御飯だった。
そして今回はデザートは無し。

2人ともごめんね。