転生幼女は発酵スキルで、異世界に和食革命を起こす!味噌、醤油、酢を作って餌付けしたら、いつの間にか世界に名が轟いていた件

西野和歌

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第1章 天使降臨!!

第14話 早速、餌付けでしゅ

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 気づいてしまった。
 私は大変なことに気づいてしまって大興奮だ。

「だったら、私あれじゃん! 精霊使いじゃん!」
「まあ、ご飯くれるなら、チビ姫に協力してあげてもいいけど?」
「私、無敵じゃん!」
「うんうん、馬鹿は無敵だね」
「馬鹿っていうな、馬鹿」

 ほら、小説で精霊使いみたいな、しかも四大精霊とか凄すぎでしょ!
 イメージは孫のハヤトが教えてくれたラノベ知識だ。
 コレだよ! こういうチート能力こそが私に相応しいんだよ!

 神秘的なロープとかまとってさ、きたれ精霊とか言って、こう手をかざすとブワーッてなって、不思議な光がほとばしってガーッて敵を倒していく。
 ようは私が手をかざして指さすだけで、狼がガウガウと敵を倒しに行くのだ。

 来るべき活躍に小躍りしていると、ヒョイとアールに担がれた。

「ともかく、お腹すいたから何か食べさせて」
「なら、調理室に行くべし!」
「んで、扉の外でたら王子たちいるけど、猫かぶるんだな?」
「あたぼうよ。ちゃんと話合わせろよ駄犬」
「……このチビ食ってやろうかな」

 ジタバタと足を振りつつ運ばれて、私は外の兄や父と合流する。
 肩に担がれながら、ヨッ! と手を上げて挨拶してあげた。

「アリアナ! もう精霊様と仲良くなれたのか」
「がぅあ、可愛いねって言っておくでしゅ」
「可愛くはないぞ、アールだからな」
「王子はもう少し、敬意という言葉を学んだ方がよろしいですよ?」
「お前もなアール」

 がやがやと、アールの肩に抱えられた私は連行されて行く。
 とりあえずついてくる父が、不思議そうな顔をした。

「娘と共に、どちらへ向かっているんですか?」
「我が寝て起きて、また腹が減ったから調理室だそうだ」
「今は一時休憩中で、誰もいないと思うのだが」

 肩からヘイヘイと手を振って私は答えた。

「いいんでしゅ。アタチに任せろでしゅ」
「そうか、ア~ちゃん。ところで精霊様、いやアール。そろそろ娘を返してくれんかの、お前ばかりダッコはずるい」
「ちょっと試してみたい事があるんで、嫌っスわ。油断すると逃げそうだし」
「アール、父上は一応国王だ」
「へいへーい」

 こいつの偉そうなのは精霊だから? 精霊って態度悪いの?
 とりあえず私たちは、今度はきちん廊下を通って、調理室へと辿り着いた。
 いつもは騒がしい調理室は、今は父の言っていた通り静かなものだった。
 
 だが、ちゃんと留守番は置いていた模様。

「へ、へへへ、陛下!」
「わし、へへへなんて名前じゃないがのう」

 留守番が、驚き慌てふためいている。ですよね。
 いきなり、国王一家が調理室に来たら驚くわな。

「い、急いで料理長をお呼びします! 今丁度、皆が出払っておりまして!」
「いいでしゅよ、ちゃんと休憩は必要でしゅ。ところで、余分な材料とか、使っていい材料は、どこにあるでしゅか?」

 私の言葉に、彼は動きを停止した。

「ほえ? それならもう仕込みは終わったので、明日の朝まで残っている材料は好きにしていいですが……」
「わかったでしゅ。あなたは休憩とらないでしゅか?」
「お、俺は新入りなんで……」
「なら手伝って欲しいでしゅ」

 私は、唯一残っていた青年に声をかけた。
 この体では助手が必要なのだが、手下二名プラス一匹もどきは、役に立ちそうにない。

 抜け出した午前に訪れてから、再びまた来る事になろうとは。
 まあ、昼寝しすぎて昼ご飯食べそこねていたし、今は丁度おやつの時間だ。

 調理場を見渡して何が作れるか思案中、私を面白そうに観察するアールが、腕を組んで立っていた。

「お手並み拝見」

 毛皮にして玄関マットにしてやろうか?

「あの、俺は何したらいいですか?」
「冷蔵庫を見たいでしゅ」

 山奥より氷を運んで、食べ物を保存できるのは、限られた金持ちだけの特権だ。

 この国は、さして特産物もなく、牧歌的な貧しい国なのだ。
 農作物の品質が下がり、天候が荒れやすくなったのは、きっと精霊の守護が弱まったせい。

 動物は、餌付けからと決まっている。
 私のスキルで食わせてやるから、ガンガン守護して豊作にするのだ!

 気を取り直して棚を見たが、夕食の仕込み済みが並ぶばかりで、目ぼしい物がなさそうだ。

「すいません。明日には行商がくるので、今日は材料を使い切る日なんです」
「いいでしゅよ。牛乳とって下しゃい」
「それは、夕食にお出しする予定で……」

 私は兄や父を睨んだ。

「水で十分でしゅ!」
「わしはワインじゃな」
「唾で我慢します」

 兄が優勝だ。偉いぞ。
 私は、うんしょとスープを入れる大きめの器を用意した。
 重いビンに入った牛乳を、ココだココと指さすと新入り君が入れてくれた。

 白い液体が注がれるのを、ほわぁと口を開けて眺めて感動した。
 私の顔なら平気で入りそうな器の中が、綺麗な白色で満たされた。
 見てるだけで、ニヤニヤして幸せになってしまう。
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