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第2章 王子と私
第20話 転移失敗でしゅか?
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「うちの狼もどきの精霊が言ってたんだよ! この世界が弱ってきていて、そんで本当ならダメなのに、昔みたいに聖女を召喚しようとして、私の魂だけよんじゃったって」
「あちゃー、そこ言っちゃう? 君の所の精霊は噂通り自由奔放なんだなあ」
「本当なの?」
本当だったら、とりあえず一発殴らせて頂きたい。
もしかしたら、元の世界で生まれ変わる人生があったかもなのだ。
この世界で生まれたことが嫌なのではなく、人の魂を弄んだ事について謝罪して頂きたい。
「んー確かに真実だけど、そのお詫びに女神様は君に、どんな所に生まれたいかの希望も聞いて、ついでに僕の願いを叶えてくれたのもあるんだ」
「私の希望?」
「ずっとお金、お金って言ってたから、精霊の世話も頼みたいし王族にしようって決めたらしいよ? だから君は今はお姫様なんだよ」
「金持ちはともかく、精霊の世話ってなんだ!」
「それが君の生まれ変わった使命というか、女神様のお願いらしいんだよ。そのサポートとして僕も王子として転生して、これからまゆまゆの手伝いをさせてくれるって」
ニコニコと、昔のようなお人よしの顔で笑っているので、私はパチンとホッペを叩いた。
「いつ、痛い、というか痛くないけど、どうしたのまゆまゆ」
「また騙されてる。そもそも女神が聖女召喚に失敗したのが原因なのに、願いを叶えて貰ったワーイじゃないよ」
「はっ! 確かに!」
「精霊の世話って、弱っているから私が餌付けして元気にさせろとかでしょ? ハヤトの小説あるあるだよね。なんでそんな金にならない事を……」
「でも、精霊を従わせたら、この世界を手に入れたも同じじゃないのかな?」
「はっ! 確かに!」
だから、このスキルなのか? なんとなく日本食を食べたくなったら便利かも? 程度しか取り柄はなさそうだったのに、とんだスキルだ。
「ところで、しゅーさんはスキルあるの?」
「かろうじて、なんでも防御結界、つまりバリアが息を停止中だけ発動します」
「頑張って息止めようね」
「いや、たぶん止まり切ったら死ぬ。当分は勘弁勘弁」
なんにせよ、バリアでしゅーさんの国の精霊はお腹一杯になるのだろうか?
嫌な予感は、ブンブンと首を振って忘れることにした。
「おーいチビーっ」
どこか遠くから、聞きたくない声が聞こえてきた。
「まゆまゆ、なんか聞こえた?」
「ううん、気のせい。てか、一応前世の事とか内緒にしてね。精霊にしかバレてないから、そこんとこヨロシク」
「ん? まあ僕もそうなんだけどね。父や兄にも言えてないし」
「おーい、おーいってば」
「うるせーアール! チビチビうるさーいっ!」
「あはっ、相変わらずのまゆまゆだ」
無礼にも、こっちに向かって走ってくるのは、護衛騎士のフリした精霊アールだ。
遠目から見ると、ただの優男のイケメンだが、こいつは中身が最低だ。
「おーおー、こいつもしかして王子? エバとこの? あーこいつね、はいはい」
「ええっと、君は」
「あ、この国の守護精霊やってる、アールシャンテスだ。アールでいいぞ」
守護精霊の言葉に、彼は即座に胸に手をあて、頭を下げた。
「これは失礼いたしました。私はディラン王国第二王子のシュヴァルツ・ディランと申します。精霊様におかれましては……」
「あーあー、そういうのいらね」
「しゅーさん、こいつにそんなのいらないって」
私とアールは、しゅーさん相手に、ナイナイと手を横に振った。
唖然としたしゅーさんが顔をあげる。
「おい駄犬、何の用なの?」
「あー、ヨーグルトの効果が切れてきたぞ」
「ええっ、あれから継ぎ足して大量生産できたでしょ?」
「ヨーグルトはできても、魔力が減って腹の足しにならなくなったんだよ」
言った途端に、グーっとお腹の音を鳴らされた。
アールがふと、しゅーさんに聞いた。
「お前んとこのエバは、普段は何食べてるんだ? そっちはスキル持ちが王族でも、もう確定で出ないんだろ?」
本来なら、聖女と勇者の子孫である王族の血を引く者たちに出るスキル。
今では血も薄まったせいなのか、精霊の力が弱ったせいか、この世界は狂い始めて、今まで確定で出ていた王族ですら、力を持たない者が増えてきたらしい。
幸いにも、この国の王族は、力が弱くてもスキルが発動しているが、他国と似たような流れになるのは確実だろう。
そうか、私はこの国だけでなく、他の精霊の餌付けも必要なのか?
嫌だな、面倒くさい。ここで楽しく遊んで暮らしたい。
「あちゃー、そこ言っちゃう? 君の所の精霊は噂通り自由奔放なんだなあ」
「本当なの?」
本当だったら、とりあえず一発殴らせて頂きたい。
もしかしたら、元の世界で生まれ変わる人生があったかもなのだ。
この世界で生まれたことが嫌なのではなく、人の魂を弄んだ事について謝罪して頂きたい。
「んー確かに真実だけど、そのお詫びに女神様は君に、どんな所に生まれたいかの希望も聞いて、ついでに僕の願いを叶えてくれたのもあるんだ」
「私の希望?」
「ずっとお金、お金って言ってたから、精霊の世話も頼みたいし王族にしようって決めたらしいよ? だから君は今はお姫様なんだよ」
「金持ちはともかく、精霊の世話ってなんだ!」
「それが君の生まれ変わった使命というか、女神様のお願いらしいんだよ。そのサポートとして僕も王子として転生して、これからまゆまゆの手伝いをさせてくれるって」
ニコニコと、昔のようなお人よしの顔で笑っているので、私はパチンとホッペを叩いた。
「いつ、痛い、というか痛くないけど、どうしたのまゆまゆ」
「また騙されてる。そもそも女神が聖女召喚に失敗したのが原因なのに、願いを叶えて貰ったワーイじゃないよ」
「はっ! 確かに!」
「精霊の世話って、弱っているから私が餌付けして元気にさせろとかでしょ? ハヤトの小説あるあるだよね。なんでそんな金にならない事を……」
「でも、精霊を従わせたら、この世界を手に入れたも同じじゃないのかな?」
「はっ! 確かに!」
だから、このスキルなのか? なんとなく日本食を食べたくなったら便利かも? 程度しか取り柄はなさそうだったのに、とんだスキルだ。
「ところで、しゅーさんはスキルあるの?」
「かろうじて、なんでも防御結界、つまりバリアが息を停止中だけ発動します」
「頑張って息止めようね」
「いや、たぶん止まり切ったら死ぬ。当分は勘弁勘弁」
なんにせよ、バリアでしゅーさんの国の精霊はお腹一杯になるのだろうか?
嫌な予感は、ブンブンと首を振って忘れることにした。
「おーいチビーっ」
どこか遠くから、聞きたくない声が聞こえてきた。
「まゆまゆ、なんか聞こえた?」
「ううん、気のせい。てか、一応前世の事とか内緒にしてね。精霊にしかバレてないから、そこんとこヨロシク」
「ん? まあ僕もそうなんだけどね。父や兄にも言えてないし」
「おーい、おーいってば」
「うるせーアール! チビチビうるさーいっ!」
「あはっ、相変わらずのまゆまゆだ」
無礼にも、こっちに向かって走ってくるのは、護衛騎士のフリした精霊アールだ。
遠目から見ると、ただの優男のイケメンだが、こいつは中身が最低だ。
「おーおー、こいつもしかして王子? エバとこの? あーこいつね、はいはい」
「ええっと、君は」
「あ、この国の守護精霊やってる、アールシャンテスだ。アールでいいぞ」
守護精霊の言葉に、彼は即座に胸に手をあて、頭を下げた。
「これは失礼いたしました。私はディラン王国第二王子のシュヴァルツ・ディランと申します。精霊様におかれましては……」
「あーあー、そういうのいらね」
「しゅーさん、こいつにそんなのいらないって」
私とアールは、しゅーさん相手に、ナイナイと手を横に振った。
唖然としたしゅーさんが顔をあげる。
「おい駄犬、何の用なの?」
「あー、ヨーグルトの効果が切れてきたぞ」
「ええっ、あれから継ぎ足して大量生産できたでしょ?」
「ヨーグルトはできても、魔力が減って腹の足しにならなくなったんだよ」
言った途端に、グーっとお腹の音を鳴らされた。
アールがふと、しゅーさんに聞いた。
「お前んとこのエバは、普段は何食べてるんだ? そっちはスキル持ちが王族でも、もう確定で出ないんだろ?」
本来なら、聖女と勇者の子孫である王族の血を引く者たちに出るスキル。
今では血も薄まったせいなのか、精霊の力が弱ったせいか、この世界は狂い始めて、今まで確定で出ていた王族ですら、力を持たない者が増えてきたらしい。
幸いにも、この国の王族は、力が弱くてもスキルが発動しているが、他国と似たような流れになるのは確実だろう。
そうか、私はこの国だけでなく、他の精霊の餌付けも必要なのか?
嫌だな、面倒くさい。ここで楽しく遊んで暮らしたい。
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