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第2章 王子と私
第27話 食いしん坊万歳
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よし、とりあえず理解した。おしまい。
「おしまいじゃねーぞ、本題はこっからだ」
「うにゅ?」
「全員を満腹にさせるのは、お前でもなかなかの大変さだが?」
「えー、やっぱそれぇ?」
やっぱり女神は一発ぶん殴りたい。
私は、楽して優雅なイージー生活が希望なんだって。
幼女労働反対!
「まあ別に、我は自分さえ腹が満ちればそれでいい。一匹でも封印を守り切れば、魔界は開かないわけだしな」
「あっ、それ採用したい!」
「ダメだよまゆまゆ! 他の国が滅んじゃうからっ」
「ちぇっ」
しゅーさんは椅子に腰かけて肘をついて、暇そうな顔をするアールを睨みつけた。
おっ、やんのか? 温厚なしゅーさんにしては珍しいな?
「失礼ながら、他の精霊様がたも含めて、その様な態度ですから、エバ様だけが女神の神託を授かれたのですよ?」
「聞くだけなら聞いてたさ。あーなんか言ってるなと思ったけど、どうせ他のやつが動くだろって……。まあエバは女神を妄信してるからな」
「神託ってなんでちゅか?」
「君がここにいるって、女神様から言葉を頂いたんだよ。直接話ができるのは、精霊様だけなんだけど、この方を含めて他の精霊様も動かなかった」
「お腹減りすぎて、やさぐれてんじゃないの?」
「正解」
パチンと指を鳴らしてアールが笑った。いや、お前はちゃんと仕事しろ。
てか、確か四体もいるのかあ、みんなこいつみたいに癖が強いと嫌だなあ。
「君の存在を教える代わりに、もし見つけたら僕と婚約させて欲しいってのが、君の国と僕の国の約束なんだ」
「情報提供ってそれね」
「勿論、互いに十六歳になった時に、もし嫌なら無条件で破棄できる。でも、僕はまゆまゆから離れたくないよ」
「ともかく、この世界の精霊にご飯あげなきゃだね」
やれ、面倒そうだけど他に方法はなさそうだ。
だが、なんとこの意見にアールが反対した。
「おーい、さっきも言ったが、我の国の者をなぜ他のやつらと分かち合わなくちゃならんのだ」
「いえ、ですから女神様がそのために……」
「勝手に魂を呼び寄せて、あげくに我だけでなく他の者たちに尽くせとは、相変わらず一方的な女神よな」
また、あの目だ。
いつもの鳶色の平凡な目が、赤く光って周囲の雰囲気が一変した。
「ふぇええっ」
怯えた私を、しゅーさんは抱きしめてくれる。
そんなしゅーさんの体も少し震えていた。
これは何? これが本当の精霊の力?
空気を震わせるのは、恐怖? 違う、これは畏怖。
「約束だからな。我はこの国は守ってやる。たとえ命が尽きようともだ。だが、我のモノを他のモノに貸し与える気はさらさらない」
「ひぃいーん」
チビる……この馬鹿犬、手加減しろよ。
けれど、震える声で気丈にもしゅーさんが反論した。
「で、ですが、他の国に行けば新しい料理を食べれますよ?」
「「ん?」」
私とアールの言葉が重なった。
アールの赤い瞳の色が少し落ちた。
「他国の精霊様はついでで結構ですが、美味しい美食を色々と食べてみたくないですか?」
「う、うむ」
「聞けば、力がないばかりに、精霊様は自国の領土より出る事も叶わず。ですが、過去の神話では、精霊様は好きに移動できたとか?」
「あ、ああ。昔は力がみなぎってたから、留守にしても遠方より守護する事は可能だったな」
「ならば、まゆまゆの食べ物で力を蓄えて、共に他国を回られては如何ですか?」
「……美食は魅力的だが、あいつらと会うのはなぁ」
既にアールの目はいつもの色に戻っていた。
しゅーさんの提案に、かなり心が揺れているらしい。
そして、その提案に心が揺れているのは私もだ。
「はいはいはい! 新しい食材が欲しいです! 餌付けなんぞついででいいです! 美味しいもを食べたいです!」
「うん、まゆまゆは料理上手だし、そのスキルなら沢山美味しいものが食べれるね」
覚悟は決まった。
「行くでしゅ!」
「よし行くか!」
アールも便乗して賛成した。よし、いいぞ!
「食いしん坊万歳でしゅー!」
「バンザーイ!」
「え、あっ、ばんざぁぃ」
釣られて盛り上がる私たちと共に、しゅ-さんも万歳三唱だ。
途中はどうなるかと思ったけど、なんとか和やかな空気に変えられて良かったよ。
てか、この駄犬は一人前に精霊だった。あー怖かった。
「とりあえず、まずは僕の国のエバ様に、何か作ってあげてくれる?」
「あ、私は留守番してますね」
「おい、いきなり手のひら返すなよ駄犬」
さっきの勢いはどこへやら、アールが突然キョドり始めた。
んー? なんか怪しいな?
「おしまいじゃねーぞ、本題はこっからだ」
「うにゅ?」
「全員を満腹にさせるのは、お前でもなかなかの大変さだが?」
「えー、やっぱそれぇ?」
やっぱり女神は一発ぶん殴りたい。
私は、楽して優雅なイージー生活が希望なんだって。
幼女労働反対!
「まあ別に、我は自分さえ腹が満ちればそれでいい。一匹でも封印を守り切れば、魔界は開かないわけだしな」
「あっ、それ採用したい!」
「ダメだよまゆまゆ! 他の国が滅んじゃうからっ」
「ちぇっ」
しゅーさんは椅子に腰かけて肘をついて、暇そうな顔をするアールを睨みつけた。
おっ、やんのか? 温厚なしゅーさんにしては珍しいな?
「失礼ながら、他の精霊様がたも含めて、その様な態度ですから、エバ様だけが女神の神託を授かれたのですよ?」
「聞くだけなら聞いてたさ。あーなんか言ってるなと思ったけど、どうせ他のやつが動くだろって……。まあエバは女神を妄信してるからな」
「神託ってなんでちゅか?」
「君がここにいるって、女神様から言葉を頂いたんだよ。直接話ができるのは、精霊様だけなんだけど、この方を含めて他の精霊様も動かなかった」
「お腹減りすぎて、やさぐれてんじゃないの?」
「正解」
パチンと指を鳴らしてアールが笑った。いや、お前はちゃんと仕事しろ。
てか、確か四体もいるのかあ、みんなこいつみたいに癖が強いと嫌だなあ。
「君の存在を教える代わりに、もし見つけたら僕と婚約させて欲しいってのが、君の国と僕の国の約束なんだ」
「情報提供ってそれね」
「勿論、互いに十六歳になった時に、もし嫌なら無条件で破棄できる。でも、僕はまゆまゆから離れたくないよ」
「ともかく、この世界の精霊にご飯あげなきゃだね」
やれ、面倒そうだけど他に方法はなさそうだ。
だが、なんとこの意見にアールが反対した。
「おーい、さっきも言ったが、我の国の者をなぜ他のやつらと分かち合わなくちゃならんのだ」
「いえ、ですから女神様がそのために……」
「勝手に魂を呼び寄せて、あげくに我だけでなく他の者たちに尽くせとは、相変わらず一方的な女神よな」
また、あの目だ。
いつもの鳶色の平凡な目が、赤く光って周囲の雰囲気が一変した。
「ふぇええっ」
怯えた私を、しゅーさんは抱きしめてくれる。
そんなしゅーさんの体も少し震えていた。
これは何? これが本当の精霊の力?
空気を震わせるのは、恐怖? 違う、これは畏怖。
「約束だからな。我はこの国は守ってやる。たとえ命が尽きようともだ。だが、我のモノを他のモノに貸し与える気はさらさらない」
「ひぃいーん」
チビる……この馬鹿犬、手加減しろよ。
けれど、震える声で気丈にもしゅーさんが反論した。
「で、ですが、他の国に行けば新しい料理を食べれますよ?」
「「ん?」」
私とアールの言葉が重なった。
アールの赤い瞳の色が少し落ちた。
「他国の精霊様はついでで結構ですが、美味しい美食を色々と食べてみたくないですか?」
「う、うむ」
「聞けば、力がないばかりに、精霊様は自国の領土より出る事も叶わず。ですが、過去の神話では、精霊様は好きに移動できたとか?」
「あ、ああ。昔は力がみなぎってたから、留守にしても遠方より守護する事は可能だったな」
「ならば、まゆまゆの食べ物で力を蓄えて、共に他国を回られては如何ですか?」
「……美食は魅力的だが、あいつらと会うのはなぁ」
既にアールの目はいつもの色に戻っていた。
しゅーさんの提案に、かなり心が揺れているらしい。
そして、その提案に心が揺れているのは私もだ。
「はいはいはい! 新しい食材が欲しいです! 餌付けなんぞついででいいです! 美味しいもを食べたいです!」
「うん、まゆまゆは料理上手だし、そのスキルなら沢山美味しいものが食べれるね」
覚悟は決まった。
「行くでしゅ!」
「よし行くか!」
アールも便乗して賛成した。よし、いいぞ!
「食いしん坊万歳でしゅー!」
「バンザーイ!」
「え、あっ、ばんざぁぃ」
釣られて盛り上がる私たちと共に、しゅ-さんも万歳三唱だ。
途中はどうなるかと思ったけど、なんとか和やかな空気に変えられて良かったよ。
てか、この駄犬は一人前に精霊だった。あー怖かった。
「とりあえず、まずは僕の国のエバ様に、何か作ってあげてくれる?」
「あ、私は留守番してますね」
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んー? なんか怪しいな?
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