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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第53話 島に渡るでしゅ!
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旅路が続き、荒地を進む事三日目にて、やっと果てにこれたようだ。
「うわぉーっ、大きな海でしゅよー!」
この世界で生まれて、まだ四年目だが初めての海に、テンションアップ!
ピョンコピョンコと馬車内で飛び跳ねて、しゅーさんに抑え込まれた。
「こらっ、危ない」
「アワビー! カキ! マグロにヒラメー! イセエビにカニーっ!」
踊り狂いながら、羽交い絞めにされる私を見て、エバは笑っている。
「何それ、異世界の呪文?」
「年末の年越しの割引は、戦いでしゅよー!」
なんで同じような品なのに、クリスマス過ぎると値上がりするんだよ!
毎年、怒り狂いながら自転車で一時間かけて市場に行って、お特品を値切ったものだ。
近くに海があったら、潜って海女にすらなっていた自信があるね! 泳げないけど!
浜辺には、粗末ながら船着き場があるが、船はなし。
書いてある看板を見ると、現在停止中らしい。
いや……それより、気になるのは、その横の赤文字の殴り書きの、追加されている看板なのだが……。
「魔物注意報発令中?」
しゅーさんが読み上げた言葉に、皆でウムムとなってしまった。
本来なら、数少ないながらも、渡しの船に乗って南国の島に行く予定だったのだ。
「南国果物パラダイスーっ! ぴぇーん!」
きっとこの海原の先に、私を待っている楽園があるはずなのに!
おろおろとする兄としゅーさん。
私は、ボケーッとしている鳥を指さした。
「飛んで運べでしゅ!」
「火の鳥だから、背中熱いけどいける?」
却下だ。燃え尽きてしまえ。
あくびしている狼を指さした。
「背中に乗せて、犬かきして渡れ」
「おいチビ、一緒に途中で海に沈もうな? お兄さんに任せなさい」
ダメだ。一人で沈め、使えない狼め。
結論、精霊使えねーな。ぺっ。
兄が落ち込む私を見て、恐る恐る手をあげて提案した。
「そこに何やら木が生えているし、船を作るというのは?」
「では確認するでしゅよー。船作れる人は手をあげてぇー」
し――ん。
……ですよね?
アールが腹かかえて笑ってやがる。兄がアールを足蹴にしていた。
ここまで来て、この先に進めないとは……落ち込んだ私は浜辺に座り込み、指でジリジリと砂に字を書いた。
「あら可愛い、何を書いてるのチビちゃん」
覗き込みに来たエバに、私は答えてあげた。
「これは『呪』って書いてあるでしゅ」
「まゆまゆ、いじけかたがチョット……」
「海の幸とフルーツパラダイスが目の前なのに……世界を呪うでしゅよ」
「んーと、そんなに心配いらないと思うけど、なにか近づいてる気配するし」
「何を言ってるでしゅか……ん?」
なんか、大きな泡が水面から発生して、その泡が大きくなっていく。
コポコポから、ガボゴカボゴと、最後には小山ほどの海水が盛り上がり、ザバーッと一瞬にして何かが水の中から現れた。
「うわぁーっ!」
「アーリー!」
「ぴょぇえええーっ!」
しゅーさんと兄が私に抱きついたと同時に、しゅーさんのバリアが張られ、こちらに飛んだ水しぶきを全て跳ね返した。
流石は私のしゅーさんだ、顔真っ赤だけど。
てか、精霊仕事しろよ! 魔物なら頑張って倒せよ! 手下なんだから!
大型バス程度の大きさの丸い物体が、プカプカと浮いた後に、ゆったりとこちらに歩いてくる。
四つ足の太い足を、ドシンドシンと響かせて、甲羅を背負って伸びた顔には間抜けな顔がついていた。
こ、これは……!
「亀しゃんだーっ!」
「ほう、これが辞典でみた亀か」
「二人とも騙されないで、大きさが違いすぎます」
とうとう、しゅーさんの息が切れて、バリアーが解除された途端に、しゅーさんが私と兄にツッコミを入れた。
「亀しゃん亀しゃん」
「そうだねアーリー初めてみたけど、これは亀だ」
「違います、亀だけど亀じゃないです! なんで兄妹共に感動してるんですか!」
亀は陸にあがって、私たちの前にズシンと座り込んだ。
「ふぉおおーっ! 亀しゃんイイ!」
「おとなしい生き物なんだな。確かに動きはニブそうだ」
「ふぇふぇふぇ、動きがニブいのは、歳じゃし勘弁してくれんかの」
「「しゃべったぁぁぁぁーっ!!」」
亀がしゃべった! しゃべったよ! 亀なのに!
「亀しゃん! もしかして亀しゃんは一匹だけなの?」
私は仁王立ちで、必死に顔をあげて亀に尋ねた。
「そうじゃな、わしは一匹だけじゃな」
「ジョージだ……ロンサム・ジョージだ!」
「まゆまゆ、それは違う……」
「しゅーさん、この亀はジョージだよ!」
ある島で乱獲されて、最後に残った一匹だけの亀。
それが、ロンサムジョージ。
家族も仲間も、もう誰もいません。
彼は最後の最後まで、この世でただ一匹の最後の亀だったのです。
「アタチは亀には優しいんでしゅ! ジョージ心配いらにゃい! アタチがついてるから、もう一匹じゃないでしゅからね!」
「ふぇふぇふぇ、優しいお嬢ちゃんじゃの。ところで、狼と鳥も久しいの」
「元気そうね」
「そろそろ紹介してもいいか?」
何か手下が言っているが、私はこの亀をどう飼育するかで頭が一杯だった。
ご飯代がかかるかも? でも最後のジョージにはせめて私がついてあげたい。
それが、人が絶滅させた罪滅ぼしだ。
亀大好き。
「うわぉーっ、大きな海でしゅよー!」
この世界で生まれて、まだ四年目だが初めての海に、テンションアップ!
ピョンコピョンコと馬車内で飛び跳ねて、しゅーさんに抑え込まれた。
「こらっ、危ない」
「アワビー! カキ! マグロにヒラメー! イセエビにカニーっ!」
踊り狂いながら、羽交い絞めにされる私を見て、エバは笑っている。
「何それ、異世界の呪文?」
「年末の年越しの割引は、戦いでしゅよー!」
なんで同じような品なのに、クリスマス過ぎると値上がりするんだよ!
毎年、怒り狂いながら自転車で一時間かけて市場に行って、お特品を値切ったものだ。
近くに海があったら、潜って海女にすらなっていた自信があるね! 泳げないけど!
浜辺には、粗末ながら船着き場があるが、船はなし。
書いてある看板を見ると、現在停止中らしい。
いや……それより、気になるのは、その横の赤文字の殴り書きの、追加されている看板なのだが……。
「魔物注意報発令中?」
しゅーさんが読み上げた言葉に、皆でウムムとなってしまった。
本来なら、数少ないながらも、渡しの船に乗って南国の島に行く予定だったのだ。
「南国果物パラダイスーっ! ぴぇーん!」
きっとこの海原の先に、私を待っている楽園があるはずなのに!
おろおろとする兄としゅーさん。
私は、ボケーッとしている鳥を指さした。
「飛んで運べでしゅ!」
「火の鳥だから、背中熱いけどいける?」
却下だ。燃え尽きてしまえ。
あくびしている狼を指さした。
「背中に乗せて、犬かきして渡れ」
「おいチビ、一緒に途中で海に沈もうな? お兄さんに任せなさい」
ダメだ。一人で沈め、使えない狼め。
結論、精霊使えねーな。ぺっ。
兄が落ち込む私を見て、恐る恐る手をあげて提案した。
「そこに何やら木が生えているし、船を作るというのは?」
「では確認するでしゅよー。船作れる人は手をあげてぇー」
し――ん。
……ですよね?
アールが腹かかえて笑ってやがる。兄がアールを足蹴にしていた。
ここまで来て、この先に進めないとは……落ち込んだ私は浜辺に座り込み、指でジリジリと砂に字を書いた。
「あら可愛い、何を書いてるのチビちゃん」
覗き込みに来たエバに、私は答えてあげた。
「これは『呪』って書いてあるでしゅ」
「まゆまゆ、いじけかたがチョット……」
「海の幸とフルーツパラダイスが目の前なのに……世界を呪うでしゅよ」
「んーと、そんなに心配いらないと思うけど、なにか近づいてる気配するし」
「何を言ってるでしゅか……ん?」
なんか、大きな泡が水面から発生して、その泡が大きくなっていく。
コポコポから、ガボゴカボゴと、最後には小山ほどの海水が盛り上がり、ザバーッと一瞬にして何かが水の中から現れた。
「うわぁーっ!」
「アーリー!」
「ぴょぇえええーっ!」
しゅーさんと兄が私に抱きついたと同時に、しゅーさんのバリアが張られ、こちらに飛んだ水しぶきを全て跳ね返した。
流石は私のしゅーさんだ、顔真っ赤だけど。
てか、精霊仕事しろよ! 魔物なら頑張って倒せよ! 手下なんだから!
大型バス程度の大きさの丸い物体が、プカプカと浮いた後に、ゆったりとこちらに歩いてくる。
四つ足の太い足を、ドシンドシンと響かせて、甲羅を背負って伸びた顔には間抜けな顔がついていた。
こ、これは……!
「亀しゃんだーっ!」
「ほう、これが辞典でみた亀か」
「二人とも騙されないで、大きさが違いすぎます」
とうとう、しゅーさんの息が切れて、バリアーが解除された途端に、しゅーさんが私と兄にツッコミを入れた。
「亀しゃん亀しゃん」
「そうだねアーリー初めてみたけど、これは亀だ」
「違います、亀だけど亀じゃないです! なんで兄妹共に感動してるんですか!」
亀は陸にあがって、私たちの前にズシンと座り込んだ。
「ふぉおおーっ! 亀しゃんイイ!」
「おとなしい生き物なんだな。確かに動きはニブそうだ」
「ふぇふぇふぇ、動きがニブいのは、歳じゃし勘弁してくれんかの」
「「しゃべったぁぁぁぁーっ!!」」
亀がしゃべった! しゃべったよ! 亀なのに!
「亀しゃん! もしかして亀しゃんは一匹だけなの?」
私は仁王立ちで、必死に顔をあげて亀に尋ねた。
「そうじゃな、わしは一匹だけじゃな」
「ジョージだ……ロンサム・ジョージだ!」
「まゆまゆ、それは違う……」
「しゅーさん、この亀はジョージだよ!」
ある島で乱獲されて、最後に残った一匹だけの亀。
それが、ロンサムジョージ。
家族も仲間も、もう誰もいません。
彼は最後の最後まで、この世でただ一匹の最後の亀だったのです。
「アタチは亀には優しいんでしゅ! ジョージ心配いらにゃい! アタチがついてるから、もう一匹じゃないでしゅからね!」
「ふぇふぇふぇ、優しいお嬢ちゃんじゃの。ところで、狼と鳥も久しいの」
「元気そうね」
「そろそろ紹介してもいいか?」
何か手下が言っているが、私はこの亀をどう飼育するかで頭が一杯だった。
ご飯代がかかるかも? でも最後のジョージにはせめて私がついてあげたい。
それが、人が絶滅させた罪滅ぼしだ。
亀大好き。
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