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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第54話 もしもし亀よ
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「というわけで、仲間を紹介するわね。彼が、この国の守護精霊のサウスよ」
「ふぇふぇふぇ、宜しくな……って、肝心のお嬢ちゃんは聞いてないのう」
「おら! チビ姫様、ちゃんと聞け」
いやいやいや、亀だよ? こんなおっきい亀。
兄なんか横で、何人乗れるかなとかブツブツ言ってるし、亀なんかしゃべってるし……って、精霊?
「お腹すいてるでしゅか? ジョージ」
「だからサウスだって言ってるだろーが」
アールうるさい。最後の亀は、ジョージと決まってるんだ。
ほら、ジョージも笑ってる。
「ふぇふぇふぇ、なんとでも呼ぶがいい」
「わーいジョージ! ジョージ!」
「女神様が何か言っていたのは聞いていたが、わしは眠くて寝てんたじゃ」
「うんうん、亀だもんね」
「おい、なんか俺と扱い違わないか?」
「黙れ駄犬!」
ふと、黙っていたしゅーさんが立ち上がって、私の耳元に囁いた。
「この方をお腹一杯にすれば、南の国に行けるんじゃないかな?」
「確かに、お腹減りすぎて冬眠されても困るしね。でも、こんな大きい亀にあげる食料の量なんかないでしゅよ」
「アーリー、もしかして南の精霊も、アール達と同じく人になれるのではないか?」
いつの間にか参加してきた兄も含めて、人間会議が行われた。
会議は即座に終了して、私はジョージの大きな体を見上げてお願いした。
「ごはんあげるでしゅ。そしたら南の国に連れてってくれるでしゅか?」
「よいぞ」
「でも大きいから、アール達みたいに人になれるでしゅか?」
「よいぞよいぞ」
ボケてるのかなジョージ。だが、そんな不安を感じた一瞬後には亀は消え、代わりに腰の曲がった小柄なじじぃが立っていた。
緑の甲羅色だった法衣をまとい、頭にはターバンが巻かれている。口髭の長い目の垂れた、いかにも押し売りとか、詐欺のカモになりそうな年寄りがそこにいた。
「懐かしいなぁ、腰痛くないですか? アロエが意外と効きますよ」
しゅーさんが仲間意識出している。つい最近まで爺組だったもんねぇ……ホロリ。って私もババアだったな!
「この坊ちゃんも親切な子じゃの。アロエとやらは知らんが、精霊じゃから心配はいらん」
「敬老精神は大事だな。よし、こっちの木陰で宜しければお座りください、南の精霊様」
なぜか兄まで、ジョージを木陰に誘導した。
太陽があがって、テラテラと暑くなってきたもんね、流石は南国だ。
これはあかん、干からびる。
私は一応帽子をかぶっているが、おしゃれなつばの広い姫様レースフリフリ帽子にて、リボンが邪魔だ。
帽子をしゅーさんに渡して、その帽子を団扇にしてジョージに風を送ってもらう。
年寄りは、すぐに日射病とかになるからね。
「飲み物作るでしゅー!」
パチパチパチと拍手があがる。
とりあえず、水筒から小鍋に水を入れて貰った。
「んーと」
「こらアーリー、どこに行くんだ」
海の水を別の鍋ですくって、アールに小さな焚火を作らせた。
「エバ、この木を燃やして海水を蒸発させて、そしたら白い粉ができるから、焦がさないようにストップ」
「焦がさない……」
「エバ様、僕が手伝いますから」
なぜ火力調整でそんなに不安げになるんだ、お前火の鳥だろ。
ゲラゲラ笑っているアールをこき使う。
「こらアール、お前はこっちにきてコップ並べて。にーたんは、お水出して欲しいでしゅ」
「んー、今スキルを使うと、数時間は体力が落ちるんだが」
「ちゃんと、精霊たちに守らせるでしゅよ」
「アーリーには、もっと兄である私を頼って欲しいんだが」
「ちゃんと頼ってるでしゅ。だから、にーたんの水の方がいいんでしゅよ」
ジョージの即時回復の為に、ジョージ専用を作ってあげようと思うのだ。
ただの水より、兄の水のが効率はいい。
汗だくになって、水を出す兄と裏腹に、コップを並べ終わったアールが逃げようとした。
「今度は、乾燥レモンの皮を細かく刻むでしゅよ!」
「本当に私をこき使うとは、何様ですかねぇ!」
「お姫様でしゅ! この護衛騎士!」
「うっ……忘れてた」
だろうな。
カラカラに乾いたレモンの皮は、味付けというより香り付けなのだが、アールに粉末に近い程に細かくさせる。
最初は小型ナイフで文句言いながら、ダンダンと刻んでいたので、馬鹿かコイツと思って
「今は誰も見てないでしゅから、風の力を使って粉にすれば?」
「あっ!」
お前、風の精霊だよな? 忘れてただろ?
鼻歌歌って得意げに、黄色の粉になったレモンを持ってきた。
そして兄もヨレヨレになりながら、スキルの水を渡してくれた。
「にーたんありがと。だいしゅき!」
「アーリー! ああっ、もう死んでもいいっ!」
「よし、なら海の藻屑となれシリウス!」
馬鹿同士が取っ組み合いの喧嘩を始めたので、まあ元気でよろしいなと放置。
粉は一旦置いて、兄の水に食料袋から米を一つかみ入れた。
小さな手だから、水とコメの量のバランスがいい塩梅、あとは砂糖をスプーン一杯程度、これも手で掴むといい感じだ。
ジョージは座って、嬉し気に木陰からこっち見ている。動かないけど生きてるよね?
それでは皆さま、いつもの私のスキル発動!
「子供も安心! おいちくなぁーれ!」
「ふぇふぇふぇ、宜しくな……って、肝心のお嬢ちゃんは聞いてないのう」
「おら! チビ姫様、ちゃんと聞け」
いやいやいや、亀だよ? こんなおっきい亀。
兄なんか横で、何人乗れるかなとかブツブツ言ってるし、亀なんかしゃべってるし……って、精霊?
「お腹すいてるでしゅか? ジョージ」
「だからサウスだって言ってるだろーが」
アールうるさい。最後の亀は、ジョージと決まってるんだ。
ほら、ジョージも笑ってる。
「ふぇふぇふぇ、なんとでも呼ぶがいい」
「わーいジョージ! ジョージ!」
「女神様が何か言っていたのは聞いていたが、わしは眠くて寝てんたじゃ」
「うんうん、亀だもんね」
「おい、なんか俺と扱い違わないか?」
「黙れ駄犬!」
ふと、黙っていたしゅーさんが立ち上がって、私の耳元に囁いた。
「この方をお腹一杯にすれば、南の国に行けるんじゃないかな?」
「確かに、お腹減りすぎて冬眠されても困るしね。でも、こんな大きい亀にあげる食料の量なんかないでしゅよ」
「アーリー、もしかして南の精霊も、アール達と同じく人になれるのではないか?」
いつの間にか参加してきた兄も含めて、人間会議が行われた。
会議は即座に終了して、私はジョージの大きな体を見上げてお願いした。
「ごはんあげるでしゅ。そしたら南の国に連れてってくれるでしゅか?」
「よいぞ」
「でも大きいから、アール達みたいに人になれるでしゅか?」
「よいぞよいぞ」
ボケてるのかなジョージ。だが、そんな不安を感じた一瞬後には亀は消え、代わりに腰の曲がった小柄なじじぃが立っていた。
緑の甲羅色だった法衣をまとい、頭にはターバンが巻かれている。口髭の長い目の垂れた、いかにも押し売りとか、詐欺のカモになりそうな年寄りがそこにいた。
「懐かしいなぁ、腰痛くないですか? アロエが意外と効きますよ」
しゅーさんが仲間意識出している。つい最近まで爺組だったもんねぇ……ホロリ。って私もババアだったな!
「この坊ちゃんも親切な子じゃの。アロエとやらは知らんが、精霊じゃから心配はいらん」
「敬老精神は大事だな。よし、こっちの木陰で宜しければお座りください、南の精霊様」
なぜか兄まで、ジョージを木陰に誘導した。
太陽があがって、テラテラと暑くなってきたもんね、流石は南国だ。
これはあかん、干からびる。
私は一応帽子をかぶっているが、おしゃれなつばの広い姫様レースフリフリ帽子にて、リボンが邪魔だ。
帽子をしゅーさんに渡して、その帽子を団扇にしてジョージに風を送ってもらう。
年寄りは、すぐに日射病とかになるからね。
「飲み物作るでしゅー!」
パチパチパチと拍手があがる。
とりあえず、水筒から小鍋に水を入れて貰った。
「んーと」
「こらアーリー、どこに行くんだ」
海の水を別の鍋ですくって、アールに小さな焚火を作らせた。
「エバ、この木を燃やして海水を蒸発させて、そしたら白い粉ができるから、焦がさないようにストップ」
「焦がさない……」
「エバ様、僕が手伝いますから」
なぜ火力調整でそんなに不安げになるんだ、お前火の鳥だろ。
ゲラゲラ笑っているアールをこき使う。
「こらアール、お前はこっちにきてコップ並べて。にーたんは、お水出して欲しいでしゅ」
「んー、今スキルを使うと、数時間は体力が落ちるんだが」
「ちゃんと、精霊たちに守らせるでしゅよ」
「アーリーには、もっと兄である私を頼って欲しいんだが」
「ちゃんと頼ってるでしゅ。だから、にーたんの水の方がいいんでしゅよ」
ジョージの即時回復の為に、ジョージ専用を作ってあげようと思うのだ。
ただの水より、兄の水のが効率はいい。
汗だくになって、水を出す兄と裏腹に、コップを並べ終わったアールが逃げようとした。
「今度は、乾燥レモンの皮を細かく刻むでしゅよ!」
「本当に私をこき使うとは、何様ですかねぇ!」
「お姫様でしゅ! この護衛騎士!」
「うっ……忘れてた」
だろうな。
カラカラに乾いたレモンの皮は、味付けというより香り付けなのだが、アールに粉末に近い程に細かくさせる。
最初は小型ナイフで文句言いながら、ダンダンと刻んでいたので、馬鹿かコイツと思って
「今は誰も見てないでしゅから、風の力を使って粉にすれば?」
「あっ!」
お前、風の精霊だよな? 忘れてただろ?
鼻歌歌って得意げに、黄色の粉になったレモンを持ってきた。
そして兄もヨレヨレになりながら、スキルの水を渡してくれた。
「にーたんありがと。だいしゅき!」
「アーリー! ああっ、もう死んでもいいっ!」
「よし、なら海の藻屑となれシリウス!」
馬鹿同士が取っ組み合いの喧嘩を始めたので、まあ元気でよろしいなと放置。
粉は一旦置いて、兄の水に食料袋から米を一つかみ入れた。
小さな手だから、水とコメの量のバランスがいい塩梅、あとは砂糖をスプーン一杯程度、これも手で掴むといい感じだ。
ジョージは座って、嬉し気に木陰からこっち見ている。動かないけど生きてるよね?
それでは皆さま、いつもの私のスキル発動!
「子供も安心! おいちくなぁーれ!」
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