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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第59話 おっすおっ酢の元気チャーハン
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とうとう、味噌・醤油、そしてお酢まで作成してしまった。
こっそりマヨネーズとウスターソースも完成させている。
これはきたね……もう、きちゃったよ!
「さあ、これがトドメでしゅー!」
炒めた米と具材を混ぜ合わせ、そして醤油とお酢をドババっ! と振りかける。
その途端に、蒸発した調味料がジュワワッと音を立てて一気に香りが強くなった。
これはたまらん! 少し焦げ目がつくまで炒めて、さあ出来上がりだ。
「出来たでしゅ! 元気チャーハンでしゅよ!」
わーっ! と皆の拍手が一斉に響き渡った。
肉の油と甘めの酢がサッパリと絡み、緑と赤の細かな野菜が色目にも鮮やかな、焦げ目もおいしい元気チャーハン、さあどうぞ!
集落のみんなで亀を囲んで、一斉に食べ始めた。
わいわいがやがやと、みんなが笑顔で食べる姿に、私も大満足だ。
うむうむ、おおいに恩に着るがいいよ。
そして私の手下共と兄としゅ-さんも、並んで座って食べていた。
しゅーさんに、おいでおいでと手招きされて、私は彼の横に腰かける。
「はい、まゆまゆの分だよ」
「ありやとー」
「あはっ、小さいぶりっ子のまゆまゆも可愛いな」
「これで生きていくつもりなんで」
ほれみてみ? と、私はしゅーさんに指さして、悶える兄を教えてやった。
あの人が義理の兄になるのか……と、少ししゅーさんは遠い目をしていた。
渡されたヤシの葉のお椀には、テカテカのチャーハンが盛られている。
木のスプーンを与えられ、すくってパクリと口に入れた。
「ホコホコでしゅ、最高でしゅ、うま味が凝縮されてるのに、後味サッパリでしゅ」
「酢が入ってるから、疲れもとれやすいね」
アールがおかわりしまくって、集落の大柄の男性とにらみ合っていた。
何してんだアイツ……と、見なかったことにした。
「ジョージ! 元気でたでしゅか?」
今回の主役の亀は、亀のまま皿に顔を突っ込んでガッついている。
「食べさせて欲しいでしゅか?」
「はぐっはぐ、大丈夫じゃよ」
「長生きするでしゅよ」
「勿論じゃとも。こんなに力がみなぎるのは久しぶりじゃて」
悔しそうなロコがこちらを睨みつけたが、私はフフンと鼻で笑う。
「まあ、元気になる塩も効いてるでしゅよ」
「当たり前だ! 今までだって、俺の力は役に立ってたんだからな!」
「今も役に立ったでしゅよ?」
「え?」
なぜか驚いた顔をした後に、赤くなるロコはどうでもいい。
ともかくジョージを餌付けして、元気ハツラツ魚の幸ゲットだぜ! イェイ!
両こぶしを、ウェイウェイと、一人ウェーブしながら交互に振り上げた。
みよ、この私のやる気を、本命のカツオをよこせ、はよよこせ。
「まゆまゆに、お酢が効きすぎたのかな」
「俺の、力のこもった塩のせいかな?」
「ウェイウェイ! カツオカツオ! はよ欲しいっ!」
私の気合に、ジョージがゲップしながら聞いてくれた。
「カツオとは何じゃ?」
「大きい魚だよ! 元気になったら、海の魔物を撃退して魚がとれるでしゅよね?」
ウェイウェイウェーブは、腰が大事だ。こう、低くして、そして高く立ち上がっては、また屈む!
「ふぇふぇふぇ、確かに魚は海に戻ってくるじゃろうが、釣れるかまではワシは知らんぞ」
ピタリ!
……は?
「わしは海を綺麗にするだけじゃが、魚がくるとか釣れるかはわからん」
「ちょっとーっ! ジョージー!」
おい予定が違う! こら亀埋めるぞゴラァ!
爆弾発言に、私は白目を剥いて後ろに倒れそうになったのを、兄がナイスキャッチしてくれた。
「アーリー、そのカツーオとやらがないとダメなのかい?」
「カ……カツオ……それだけを楽しみに……プシュー」
「アーリー!!」
盛り上がる私たちを他所に、しゅーさんは冷静にジョージに確認していた。
「南の精霊様。あなたがおっしゃるのは、魚の生態系が戻っても、どんな魚が釣れるかわからないという事ですね」
ちなみに最後のチャーハンの奪い合いでアールは暴れて、エバが無責任に応援してる。
あっちはあっちで、何やら賭け事まで始まって大盛り上がりだ。
向こうの精霊二匹は、能天気でいいもんだな……カツオっ、ううっ。
「何か、魚がとれる良い方法はないですか? できれば欲しい魚が選べるといいのですけど」
「あるぞ」
食べ終えたロコが立ち上がり、こちらに向かって言った。
私たちは、唾を飲み込みロコの言葉を待った。
嬉しそうに、少し意地悪い顔をしたロコが言う。
「とこしえの洞窟の奥に、好きな魚を呼び寄せるブツがあるんだぜ」
「ふぉーっ!」
私は目から星を出さんばかりに爛々とさせて、身を乗り出す。
ちなみに下半身は兄がガッシリとダッコで抑え込んでいる。
「ロコや、あそこは……」
「いいじゃないですか、むしろ彼らの希望の品がそこにあるんだし」
ニヤリと笑ったロコが、私を指さした。
「なんなら俺が案内してやっていいぜ? 美味いもの食べさせて貰ったしな。それに、お前何か食材を探してるんだろ? あの洞窟内には未知の食材がゴロゴロしてるぞ」
「行きたいでしゅーっ!」
やはり兄に抑えられながら、阿波踊りのように手をワチャワチャさせた。
新しい未知の食材! ぜひともぜひとも!
「あーあ、チビ姫の欲ゲバが爆発しちまったな。んでサウス、その洞窟ってのは何なんだ?」
「ふぇふぇふぇ、この近くの封印された洞窟の事じゃな」
「なんで封印なんだ?」
「わしから漏れる魔素を、そこに捨ててるんじゃよ。だから中は魔物でウヨウヨじゃ」
はい、美味しい話には裏がありますよね。知ってた。
こっそりマヨネーズとウスターソースも完成させている。
これはきたね……もう、きちゃったよ!
「さあ、これがトドメでしゅー!」
炒めた米と具材を混ぜ合わせ、そして醤油とお酢をドババっ! と振りかける。
その途端に、蒸発した調味料がジュワワッと音を立てて一気に香りが強くなった。
これはたまらん! 少し焦げ目がつくまで炒めて、さあ出来上がりだ。
「出来たでしゅ! 元気チャーハンでしゅよ!」
わーっ! と皆の拍手が一斉に響き渡った。
肉の油と甘めの酢がサッパリと絡み、緑と赤の細かな野菜が色目にも鮮やかな、焦げ目もおいしい元気チャーハン、さあどうぞ!
集落のみんなで亀を囲んで、一斉に食べ始めた。
わいわいがやがやと、みんなが笑顔で食べる姿に、私も大満足だ。
うむうむ、おおいに恩に着るがいいよ。
そして私の手下共と兄としゅ-さんも、並んで座って食べていた。
しゅーさんに、おいでおいでと手招きされて、私は彼の横に腰かける。
「はい、まゆまゆの分だよ」
「ありやとー」
「あはっ、小さいぶりっ子のまゆまゆも可愛いな」
「これで生きていくつもりなんで」
ほれみてみ? と、私はしゅーさんに指さして、悶える兄を教えてやった。
あの人が義理の兄になるのか……と、少ししゅーさんは遠い目をしていた。
渡されたヤシの葉のお椀には、テカテカのチャーハンが盛られている。
木のスプーンを与えられ、すくってパクリと口に入れた。
「ホコホコでしゅ、最高でしゅ、うま味が凝縮されてるのに、後味サッパリでしゅ」
「酢が入ってるから、疲れもとれやすいね」
アールがおかわりしまくって、集落の大柄の男性とにらみ合っていた。
何してんだアイツ……と、見なかったことにした。
「ジョージ! 元気でたでしゅか?」
今回の主役の亀は、亀のまま皿に顔を突っ込んでガッついている。
「食べさせて欲しいでしゅか?」
「はぐっはぐ、大丈夫じゃよ」
「長生きするでしゅよ」
「勿論じゃとも。こんなに力がみなぎるのは久しぶりじゃて」
悔しそうなロコがこちらを睨みつけたが、私はフフンと鼻で笑う。
「まあ、元気になる塩も効いてるでしゅよ」
「当たり前だ! 今までだって、俺の力は役に立ってたんだからな!」
「今も役に立ったでしゅよ?」
「え?」
なぜか驚いた顔をした後に、赤くなるロコはどうでもいい。
ともかくジョージを餌付けして、元気ハツラツ魚の幸ゲットだぜ! イェイ!
両こぶしを、ウェイウェイと、一人ウェーブしながら交互に振り上げた。
みよ、この私のやる気を、本命のカツオをよこせ、はよよこせ。
「まゆまゆに、お酢が効きすぎたのかな」
「俺の、力のこもった塩のせいかな?」
「ウェイウェイ! カツオカツオ! はよ欲しいっ!」
私の気合に、ジョージがゲップしながら聞いてくれた。
「カツオとは何じゃ?」
「大きい魚だよ! 元気になったら、海の魔物を撃退して魚がとれるでしゅよね?」
ウェイウェイウェーブは、腰が大事だ。こう、低くして、そして高く立ち上がっては、また屈む!
「ふぇふぇふぇ、確かに魚は海に戻ってくるじゃろうが、釣れるかまではワシは知らんぞ」
ピタリ!
……は?
「わしは海を綺麗にするだけじゃが、魚がくるとか釣れるかはわからん」
「ちょっとーっ! ジョージー!」
おい予定が違う! こら亀埋めるぞゴラァ!
爆弾発言に、私は白目を剥いて後ろに倒れそうになったのを、兄がナイスキャッチしてくれた。
「アーリー、そのカツーオとやらがないとダメなのかい?」
「カ……カツオ……それだけを楽しみに……プシュー」
「アーリー!!」
盛り上がる私たちを他所に、しゅーさんは冷静にジョージに確認していた。
「南の精霊様。あなたがおっしゃるのは、魚の生態系が戻っても、どんな魚が釣れるかわからないという事ですね」
ちなみに最後のチャーハンの奪い合いでアールは暴れて、エバが無責任に応援してる。
あっちはあっちで、何やら賭け事まで始まって大盛り上がりだ。
向こうの精霊二匹は、能天気でいいもんだな……カツオっ、ううっ。
「何か、魚がとれる良い方法はないですか? できれば欲しい魚が選べるといいのですけど」
「あるぞ」
食べ終えたロコが立ち上がり、こちらに向かって言った。
私たちは、唾を飲み込みロコの言葉を待った。
嬉しそうに、少し意地悪い顔をしたロコが言う。
「とこしえの洞窟の奥に、好きな魚を呼び寄せるブツがあるんだぜ」
「ふぉーっ!」
私は目から星を出さんばかりに爛々とさせて、身を乗り出す。
ちなみに下半身は兄がガッシリとダッコで抑え込んでいる。
「ロコや、あそこは……」
「いいじゃないですか、むしろ彼らの希望の品がそこにあるんだし」
ニヤリと笑ったロコが、私を指さした。
「なんなら俺が案内してやっていいぜ? 美味いもの食べさせて貰ったしな。それに、お前何か食材を探してるんだろ? あの洞窟内には未知の食材がゴロゴロしてるぞ」
「行きたいでしゅーっ!」
やはり兄に抑えられながら、阿波踊りのように手をワチャワチャさせた。
新しい未知の食材! ぜひともぜひとも!
「あーあ、チビ姫の欲ゲバが爆発しちまったな。んでサウス、その洞窟ってのは何なんだ?」
「ふぇふぇふぇ、この近くの封印された洞窟の事じゃな」
「なんで封印なんだ?」
「わしから漏れる魔素を、そこに捨ててるんじゃよ。だから中は魔物でウヨウヨじゃ」
はい、美味しい話には裏がありますよね。知ってた。
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