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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第60話 とこしえの洞窟でしゅか
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この島全てが、実質パナマナという国なのだが、国王という者は存在しない。
かわりに、各地にバラけた集落があり、それぞれの一族には、スキルを引き継いだ者たちが、酋長として統治している集合体だ。
そしてスキルが発動した者たちの中で、一番強い力を持つ者が、ジョージのいる聖地に移住して、精霊様の世話をするのだ。
「ところでジョージは、何を司る力なんでしゅか? 亀だから水とかでしゅか?」
「ふぇふぇふぇ、土じゃよ」
「埋葬されるのは、まだ早いでしゅーっ!」
あかんあかんと、私はジタバタあがいても、兄の拘束は外れない。
何気に頭に顎を乗せられ、スリスリされているのだが?
しかし土とな? 何に使えるの? 土団子でも作ればいいの?
「とりあえずサウス、今いた連中から、我ら精霊の力とチビの力の記憶は、消しといてくれるか?」
「おや、わしの所の皆は、他国に出る事もなければ、口は堅いがのう」
「念のためだ。ここは、お前の縄張りだろ?」
「ふぇふぇふぇ」
笑うと同時に、ジョージから茶色の粉がキラキラと風に巻かれて、みんなの場所に飛んでいく。
「まあ、私たちも調子にのって、正体隠さなかったのもあるしね」
「俺の記憶は、消さないでくれよ精霊様!」
「お前は、わしの世話があるからの。それに、洞窟に行くんじゃろ?」
「そうだ! 俺だってスキル持ちなんだから、精霊様たちの事は絶対にしゃべらない」
「しゃーねーな」
さも面倒くさいという顔で、アールは引き下がることにしたみたいだ。
記憶操作とか、凄いな。エバもしてたけど、こいつら使えば、洗脳とか楽勝じゃね?
しかし、魔物うじゃうじゃの洞窟か……狼と鳥を放り込めば楽勝かな?
「ちなみに、あの洞窟には魔素が強すぎて、精霊の力は、ほぼ効かんぞ」
「ええーっ!」
私たちは悲鳴をあげた。なんてこった!
「使えない精霊なんて、ただの動物園でしゅ!」
「なんだとー!」
私とアールが、やいのやいのと喧嘩を始めている中で、私を捕縛している兄としゅーさんが、ロコ達に洞窟の詳細を確認していた。
いわく、洞窟内に入ったことがあるロコが誘導してくれるが、中には魔物が住みついている事。
ちなみに以前に入ったロコは、塩をかけて逃げまくったそうだ。
「とりあえず行くなら、私とアールの二人だな。一応騎士だから対処できる。チビっ子は留守番してなさい」
「やでしゅ」
「アーリー」
「やでしゅ」
今度は私と兄で喧嘩だ。
目の前にお宝があるのに、なんで留守番なんだ。嫌だ。
ちゃんと食材は自分の目で確認したい派なんだ。
宅配食材を否定しないが、やっぱり自らの手で確認したいのが、元主婦ってもんさ。
「おいエバ、お前も留守番な」
「やだっ、アールシャンテス。やっぱり私を愛して……」
「邪魔だから」
今度は狼と鳥で喧嘩してる。
狼は、全方位に喧嘩売るスタイルなのか?
ジョージはブレずに笑っているばかり。
ともかく洞窟に行きたいんじゃ!
そんな時に頼れる元夫が言った。
「僕が彼女を守りますから、連れてってくれませんか? でないと確実に勝手について行きますよ? だったら目の届く範囲の方が、いいと思いますが?」
ピタリと、周囲の喧嘩が停止する。
数秒間の停止があったあとに、兄が大きく溜息をついた。
「私の可愛いアーリーは、じゃじゃ馬さんだからなぁ」
「確かに、何か見えない所でされるよりは、目の前の方が処理はたやすいな」
兄とアールの意見は一致した。
やったよ! 私も行ける事になった。というか、私が主役なんだから行かなきゃ話にならんだろうが、空気よめ!
こうして、私たちはジョージやエバ、そして記憶操作が効いて、ボーッとしている集落のみんなを置いて、ロコの誘導で洞窟に向かった。
南国のジャングルのような木々を抜けて、あきらかに奥へ奥へと進んでいく。
私は兄にダッコされて、しゅ-さんはアールに肩ぐるまされていた。
なんでも、移動がたやすいからだそうだ。
皆には各自リュックを背負っている。
「とっとと終わらせて帰ろうぜ。ここは暑くてかなわん」
狼の毛皮のせいか、アールは暑がりらしい。
やがて、陰鬱とした洞窟の入口にたどり着く。
ボロボロの木で出来た入口の扉が、封印になっているようだが、手前に盛り塩とか勘弁して。
「ここは本来なら、精霊様の世話役を決める力試しの洞窟だったんだ。でも、ここ百年程は俺以外は誰も入れない」
「お前は、どうして入ったんだ?」
アールの質問に、ロコは真剣な顔をして答えた。
「ちゃんと、俺は正式にサウス様に認めて欲しかった。あと、この塩を魔除けに置くのも、後継者の仕事なんだ」
「これはお前の塩か?」
「違う。これは普通に、皆の祈りがこめられた海から作られた塩だ」
「ふーん」
座り込んで、塩を確認するアールいわく、洞窟から魔物が出てこない程度には効果がある塩だそうだ。
「中に入っても、俺のスキルは使えるんだ。だから、おいしい塩を作って、身代わりに撒くと、それを魔物が夢中で食べている隙に移動してた」
「精霊の力はダメだが、お前らのスキルは使えるのか」
良かった。なら、しゅーさんのバリアも有効だ。
とか言ってたら、アールが足で勢いよく木の扉を蹴って粉砕した。
バッカ――――ン!!
「うあああーっ!」
「まあ、ボロだったし? 塩おいてりゃ平気平気」
「お前の行動には品がない、アール」
「へいへい王子、ともかく迷子にならないように、ちゃんとついてきて下さいね」
私たちはとうとう、とこしえの洞窟に足を踏み入れた。
かわりに、各地にバラけた集落があり、それぞれの一族には、スキルを引き継いだ者たちが、酋長として統治している集合体だ。
そしてスキルが発動した者たちの中で、一番強い力を持つ者が、ジョージのいる聖地に移住して、精霊様の世話をするのだ。
「ところでジョージは、何を司る力なんでしゅか? 亀だから水とかでしゅか?」
「ふぇふぇふぇ、土じゃよ」
「埋葬されるのは、まだ早いでしゅーっ!」
あかんあかんと、私はジタバタあがいても、兄の拘束は外れない。
何気に頭に顎を乗せられ、スリスリされているのだが?
しかし土とな? 何に使えるの? 土団子でも作ればいいの?
「とりあえずサウス、今いた連中から、我ら精霊の力とチビの力の記憶は、消しといてくれるか?」
「おや、わしの所の皆は、他国に出る事もなければ、口は堅いがのう」
「念のためだ。ここは、お前の縄張りだろ?」
「ふぇふぇふぇ」
笑うと同時に、ジョージから茶色の粉がキラキラと風に巻かれて、みんなの場所に飛んでいく。
「まあ、私たちも調子にのって、正体隠さなかったのもあるしね」
「俺の記憶は、消さないでくれよ精霊様!」
「お前は、わしの世話があるからの。それに、洞窟に行くんじゃろ?」
「そうだ! 俺だってスキル持ちなんだから、精霊様たちの事は絶対にしゃべらない」
「しゃーねーな」
さも面倒くさいという顔で、アールは引き下がることにしたみたいだ。
記憶操作とか、凄いな。エバもしてたけど、こいつら使えば、洗脳とか楽勝じゃね?
しかし、魔物うじゃうじゃの洞窟か……狼と鳥を放り込めば楽勝かな?
「ちなみに、あの洞窟には魔素が強すぎて、精霊の力は、ほぼ効かんぞ」
「ええーっ!」
私たちは悲鳴をあげた。なんてこった!
「使えない精霊なんて、ただの動物園でしゅ!」
「なんだとー!」
私とアールが、やいのやいのと喧嘩を始めている中で、私を捕縛している兄としゅーさんが、ロコ達に洞窟の詳細を確認していた。
いわく、洞窟内に入ったことがあるロコが誘導してくれるが、中には魔物が住みついている事。
ちなみに以前に入ったロコは、塩をかけて逃げまくったそうだ。
「とりあえず行くなら、私とアールの二人だな。一応騎士だから対処できる。チビっ子は留守番してなさい」
「やでしゅ」
「アーリー」
「やでしゅ」
今度は私と兄で喧嘩だ。
目の前にお宝があるのに、なんで留守番なんだ。嫌だ。
ちゃんと食材は自分の目で確認したい派なんだ。
宅配食材を否定しないが、やっぱり自らの手で確認したいのが、元主婦ってもんさ。
「おいエバ、お前も留守番な」
「やだっ、アールシャンテス。やっぱり私を愛して……」
「邪魔だから」
今度は狼と鳥で喧嘩してる。
狼は、全方位に喧嘩売るスタイルなのか?
ジョージはブレずに笑っているばかり。
ともかく洞窟に行きたいんじゃ!
そんな時に頼れる元夫が言った。
「僕が彼女を守りますから、連れてってくれませんか? でないと確実に勝手について行きますよ? だったら目の届く範囲の方が、いいと思いますが?」
ピタリと、周囲の喧嘩が停止する。
数秒間の停止があったあとに、兄が大きく溜息をついた。
「私の可愛いアーリーは、じゃじゃ馬さんだからなぁ」
「確かに、何か見えない所でされるよりは、目の前の方が処理はたやすいな」
兄とアールの意見は一致した。
やったよ! 私も行ける事になった。というか、私が主役なんだから行かなきゃ話にならんだろうが、空気よめ!
こうして、私たちはジョージやエバ、そして記憶操作が効いて、ボーッとしている集落のみんなを置いて、ロコの誘導で洞窟に向かった。
南国のジャングルのような木々を抜けて、あきらかに奥へ奥へと進んでいく。
私は兄にダッコされて、しゅ-さんはアールに肩ぐるまされていた。
なんでも、移動がたやすいからだそうだ。
皆には各自リュックを背負っている。
「とっとと終わらせて帰ろうぜ。ここは暑くてかなわん」
狼の毛皮のせいか、アールは暑がりらしい。
やがて、陰鬱とした洞窟の入口にたどり着く。
ボロボロの木で出来た入口の扉が、封印になっているようだが、手前に盛り塩とか勘弁して。
「ここは本来なら、精霊様の世話役を決める力試しの洞窟だったんだ。でも、ここ百年程は俺以外は誰も入れない」
「お前は、どうして入ったんだ?」
アールの質問に、ロコは真剣な顔をして答えた。
「ちゃんと、俺は正式にサウス様に認めて欲しかった。あと、この塩を魔除けに置くのも、後継者の仕事なんだ」
「これはお前の塩か?」
「違う。これは普通に、皆の祈りがこめられた海から作られた塩だ」
「ふーん」
座り込んで、塩を確認するアールいわく、洞窟から魔物が出てこない程度には効果がある塩だそうだ。
「中に入っても、俺のスキルは使えるんだ。だから、おいしい塩を作って、身代わりに撒くと、それを魔物が夢中で食べている隙に移動してた」
「精霊の力はダメだが、お前らのスキルは使えるのか」
良かった。なら、しゅーさんのバリアも有効だ。
とか言ってたら、アールが足で勢いよく木の扉を蹴って粉砕した。
バッカ――――ン!!
「うあああーっ!」
「まあ、ボロだったし? 塩おいてりゃ平気平気」
「お前の行動には品がない、アール」
「へいへい王子、ともかく迷子にならないように、ちゃんとついてきて下さいね」
私たちはとうとう、とこしえの洞窟に足を踏み入れた。
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