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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第67話 男の戦い? それより小石を探せ!
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驚く私と、怒りに震えるロコ、そらまあ自分が欲しかったんだもんね。
「なんで、なんで余所者の、このチビが!」
「知るか、サウスに聞け!」
「あんたが精霊様だとしても、俺が信仰するのはサウス様だけだ! なのになんで、なんで」
「だから知らん!」
アールと言い争うロコが、悔し気に私を睨みつけたが、間に入った兄としゅーさんにも、諫められた。
「これは、そちらの精霊様の意思なのだから、まゆまゆを恨むのは筋違いだ」
「私の妹のお陰で元気になれた事に、感謝はすれども恨むのならば、私達は二度と協力はしない。それだけの無礼を精霊の従者として、とっている事を君は自覚しなさい」
兄が手厳しいな。とりあえず、二人の後ろから、やーいやーいと舌を出してやった。
涙目でプルプルと震えるロコ。
うんうん、うちの息子もこんな感じだったなぁ……だから容赦しないウフっ。
「俺が一番サウス様に……なんで、どうして」
「そりゃ、ロコは別に何もしなくても、ジョージの傍にいるからでしゅよ」
何を言ってるんだ? と私は兄を盾にしてロコに告げた。
「ロコは別に、力なんか貰わなくても困らないでしゅ。ずっとジョージの傍にいるでしゅよ」
「当たり前だ! 俺こそが一番なんだから」
「だったら、それでいいじゃないでしゅか?」
「ほえ?」
こいつはバカだなーって、鼻でハハンと笑ってやった。
「だから、アタチは旅をして離れるでしゅから、絆として契約が必要だったんでしゅよ」
「どうして、だから何で」
「バカが良く聞くでしゅ!」
「なんだとー!」
階段を登って私に向かってきたロコの前に、しゅーさんが両手を広げて立ちふさがった。
兄も、私の頭を撫でて小声で「煽るのはやめなさい」と言うが、やなこった。
ガキは、早いうちに叩いて躾が大事なんだよ。三人も育ててるんだから、自信あるね。
「教えて欲しいんでしゅかー?」
「教えろ! なんでだ!」
「どうしよっかなーでしゅ」
「このチビ! ゴラ!」
「教えて欲しい態度じゃないから~教えて下しゃいでしゅよ~あははん」
私とロコのやり取りに、アールが腹を抱えて爆笑している。
あいつは将来、剥製ではなく足ふみマット毛皮にする予定だ。
何度も、ロコを攻撃しまくっていると、とうとうロコの心が折れたらしい。
その場で手をついて頭を下げて、弱弱しく懇願してきた。
「どうか理由を、お、教えて下さい……ううっ」
「わかればいいんでしゅよ」
ちょっとは学んだか? んー?
兄としゅ-さんを押しのけて、私はヨチヨチと階段でうつぶせている、ロコの頭をナデナデしてやった。
黒い髪が懐かしくてね、息子たちを思い出して、つい仕込みを厳しくしてしまった。
「顔をあげて胸をはるでしゅ。ロコは一番のジョージのお世話係でしゅよ」
「チ……チビ」
「契約すると、離れていても力を貰ったり、あげたりできるでしゅ。だから、ごはん係のアタチは旅に出るから、契約したんでしゅ」
「なら離れてもサウス様を、お前が助けるのか?」
「持ちつ持たれずで、まあご飯は運んであげる予定でしゅ。でしゅよね? にーたん」
キラキラと目を輝かせるロコに、兄も言った。
「そちらの精霊様の協力があれば、我が国からの交易の行き来も活発になるだろう。そうすれば、再び我が国との国交を開いて、アーリーの食事を分ける事もできると思う」
「それに、お塩は万能でしゅ! 自信持てぃでしゅ!」
私の言葉に、バッと立ち上がったロコは、満面の笑みで私を抱き上げた。
「あはははっ、お前やっぱ最高だわ!」
「きゃはははーっ!」
両手で掲げられて、くるくると回る。
これ楽しいな? 飛行機ブンブンだ!
「お前やっぱ俺の嫁になれ! そうしたら、ここに住めるだろ?」
「「ダメーっ!」」
兄としゅーさんの叫びに、ロコと目を回した私は停止した。
しゅーさんが、血相をかえて私の片腕を掴んだ。反射的にロコも掴む。
「離せ、彼女は僕の婚約者だ!」
「んなもん、結婚したもん勝ちだろーが!」
「痛いでしゅ!」
「「あ、ごめん」」
なんとか、引き裂かれる危険は免れて、手を離して貰った。
再び始まった、男と男の戦いファィッ!
「アタチを取り合わないで~二人を止めてぇ~ららら~♪」
どうも、今燃え上がった炎は、私の歌声で消化されたらしい。
情けない顔をした二人が、両手を胸に組んで歌う私を見て争いをやめた。
やはり、いい女は一味違うぜ、へへ。
なんとか収まった場で、私はとことこと壁に向かって走っていく。
後ろの皆が、なんだなんだとついてくる。
「んーと、確か、ああこの色でしゅかね?」
「何してんだ? チビ姫様」
「お宝探しでしゅよ」
そう、もう一つデブ……ゼンに教えて貰った内緒の秘密だ。
茶色のむき出しの土の中にある、不自然に丸い石を探せ!
私がそう指令を出すと、皆が一斉にワーッと壁に向かって捜索を始めた。
ゴロゴロと、土がむき出しの壁を軽く掘ると、丸い石が稀に見つかった。
「あったでしゅ」
コロンと一つ。
「ここにもあったでしゅ」
コロンコロンっと。うむ、相変わらず発見お宝ハンターセンサーはなまっちゃいない。
それに反して、狼と兄は互いに競り合ううちに、石を投げあって喧嘩してる。
つまり、大きい体をしているだけの、戦力外でした。
反対側で、なぜか並んでこっちも競い合っている、しゅーさんとロコは……なかなかいい動きで、必死で掘っては、幾つか発見した模様。
「オラ! 俺はもう三個目だぞ!」
「僕は今ちょうど、四個目だと思います!」
野球ボール程度の大きさの石は、どれも似たような球形の大きさで、鋼色に土がまみれて錆びて見えるが、案外と重い。
そうして、いくつかの丸い小石が集まったのだった。
「なんで、なんで余所者の、このチビが!」
「知るか、サウスに聞け!」
「あんたが精霊様だとしても、俺が信仰するのはサウス様だけだ! なのになんで、なんで」
「だから知らん!」
アールと言い争うロコが、悔し気に私を睨みつけたが、間に入った兄としゅーさんにも、諫められた。
「これは、そちらの精霊様の意思なのだから、まゆまゆを恨むのは筋違いだ」
「私の妹のお陰で元気になれた事に、感謝はすれども恨むのならば、私達は二度と協力はしない。それだけの無礼を精霊の従者として、とっている事を君は自覚しなさい」
兄が手厳しいな。とりあえず、二人の後ろから、やーいやーいと舌を出してやった。
涙目でプルプルと震えるロコ。
うんうん、うちの息子もこんな感じだったなぁ……だから容赦しないウフっ。
「俺が一番サウス様に……なんで、どうして」
「そりゃ、ロコは別に何もしなくても、ジョージの傍にいるからでしゅよ」
何を言ってるんだ? と私は兄を盾にしてロコに告げた。
「ロコは別に、力なんか貰わなくても困らないでしゅ。ずっとジョージの傍にいるでしゅよ」
「当たり前だ! 俺こそが一番なんだから」
「だったら、それでいいじゃないでしゅか?」
「ほえ?」
こいつはバカだなーって、鼻でハハンと笑ってやった。
「だから、アタチは旅をして離れるでしゅから、絆として契約が必要だったんでしゅよ」
「どうして、だから何で」
「バカが良く聞くでしゅ!」
「なんだとー!」
階段を登って私に向かってきたロコの前に、しゅーさんが両手を広げて立ちふさがった。
兄も、私の頭を撫でて小声で「煽るのはやめなさい」と言うが、やなこった。
ガキは、早いうちに叩いて躾が大事なんだよ。三人も育ててるんだから、自信あるね。
「教えて欲しいんでしゅかー?」
「教えろ! なんでだ!」
「どうしよっかなーでしゅ」
「このチビ! ゴラ!」
「教えて欲しい態度じゃないから~教えて下しゃいでしゅよ~あははん」
私とロコのやり取りに、アールが腹を抱えて爆笑している。
あいつは将来、剥製ではなく足ふみマット毛皮にする予定だ。
何度も、ロコを攻撃しまくっていると、とうとうロコの心が折れたらしい。
その場で手をついて頭を下げて、弱弱しく懇願してきた。
「どうか理由を、お、教えて下さい……ううっ」
「わかればいいんでしゅよ」
ちょっとは学んだか? んー?
兄としゅ-さんを押しのけて、私はヨチヨチと階段でうつぶせている、ロコの頭をナデナデしてやった。
黒い髪が懐かしくてね、息子たちを思い出して、つい仕込みを厳しくしてしまった。
「顔をあげて胸をはるでしゅ。ロコは一番のジョージのお世話係でしゅよ」
「チ……チビ」
「契約すると、離れていても力を貰ったり、あげたりできるでしゅ。だから、ごはん係のアタチは旅に出るから、契約したんでしゅ」
「なら離れてもサウス様を、お前が助けるのか?」
「持ちつ持たれずで、まあご飯は運んであげる予定でしゅ。でしゅよね? にーたん」
キラキラと目を輝かせるロコに、兄も言った。
「そちらの精霊様の協力があれば、我が国からの交易の行き来も活発になるだろう。そうすれば、再び我が国との国交を開いて、アーリーの食事を分ける事もできると思う」
「それに、お塩は万能でしゅ! 自信持てぃでしゅ!」
私の言葉に、バッと立ち上がったロコは、満面の笑みで私を抱き上げた。
「あはははっ、お前やっぱ最高だわ!」
「きゃはははーっ!」
両手で掲げられて、くるくると回る。
これ楽しいな? 飛行機ブンブンだ!
「お前やっぱ俺の嫁になれ! そうしたら、ここに住めるだろ?」
「「ダメーっ!」」
兄としゅーさんの叫びに、ロコと目を回した私は停止した。
しゅーさんが、血相をかえて私の片腕を掴んだ。反射的にロコも掴む。
「離せ、彼女は僕の婚約者だ!」
「んなもん、結婚したもん勝ちだろーが!」
「痛いでしゅ!」
「「あ、ごめん」」
なんとか、引き裂かれる危険は免れて、手を離して貰った。
再び始まった、男と男の戦いファィッ!
「アタチを取り合わないで~二人を止めてぇ~ららら~♪」
どうも、今燃え上がった炎は、私の歌声で消化されたらしい。
情けない顔をした二人が、両手を胸に組んで歌う私を見て争いをやめた。
やはり、いい女は一味違うぜ、へへ。
なんとか収まった場で、私はとことこと壁に向かって走っていく。
後ろの皆が、なんだなんだとついてくる。
「んーと、確か、ああこの色でしゅかね?」
「何してんだ? チビ姫様」
「お宝探しでしゅよ」
そう、もう一つデブ……ゼンに教えて貰った内緒の秘密だ。
茶色のむき出しの土の中にある、不自然に丸い石を探せ!
私がそう指令を出すと、皆が一斉にワーッと壁に向かって捜索を始めた。
ゴロゴロと、土がむき出しの壁を軽く掘ると、丸い石が稀に見つかった。
「あったでしゅ」
コロンと一つ。
「ここにもあったでしゅ」
コロンコロンっと。うむ、相変わらず発見お宝ハンターセンサーはなまっちゃいない。
それに反して、狼と兄は互いに競り合ううちに、石を投げあって喧嘩してる。
つまり、大きい体をしているだけの、戦力外でした。
反対側で、なぜか並んでこっちも競い合っている、しゅーさんとロコは……なかなかいい動きで、必死で掘っては、幾つか発見した模様。
「オラ! 俺はもう三個目だぞ!」
「僕は今ちょうど、四個目だと思います!」
野球ボール程度の大きさの石は、どれも似たような球形の大きさで、鋼色に土がまみれて錆びて見えるが、案外と重い。
そうして、いくつかの丸い小石が集まったのだった。
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