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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第68話 小石でしゅ! 一つ積んではアタチの為に
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総数は十数個……うむ、とりあえずは、これで良し。
「アーリー、なんだか独特な石だけど、どうするんだい?」
「アタチも、デブに教えて貰ったんでしゅけどね」
野球ボール大の大きさの石は、土壁から生えていた。
一部しか露出していないので、取り出さないと丸い石だとわからない。
そして、この石こそがお宝なのだ。
「さっき、アールにぶつけてやったけど、なかなか頑丈な石だね」
ああ、どうりで後頭部抱えて、うずくまってたな……と、遠い目をして即座に忘れた。
天井の隙間から、日の光が入るとはいえ、とっとと帰らないと夜になってしまう。
私は石を一つ足元に置き、その前に、よっこいちょ……と膝を抱えてお座りした。
そして、もう一つの丸い石を両手で持って、勢いよく振りかざす。
「割れろでしゅーゴラァァア!」
カーン!
響く石の音と共に、まるで卵の殻のように、簡単にヒビが入った。
兄や、音で覗き込みに来たしゅーさんやロコが、目を見張る。
「え、何か石の中にあるね」
しゅーさんの言う通り、これは石の卵なのだ。
ゼンが言っていた、見つかりにくい食材の秘密だ。
私でも、言われなければ気づきもしなかっただろう。
ヒビの入った石の殻は、指で軽く力を入れると、面白いように剥がれていく。
そして、中から出たのは茶色の塊。
くんかくんか……ナマステ~。
「お前、流石に犬みたいに匂い嗅ぐなよ」
ロコがうるさい、なら指で少し削って舐めてみた。
「あーアーリー! メッ! バッチィのメッ!」
ほら、保護者がうるさいんだよ。
肝心の犬が、頭痛めて不貞腐れて、使えないんだから仕方ないじゃん。
「これは、カレーでしゅ」
「ちょっと貸して、まゆまゆ」
ヒョイと取り上げられた、茶色の塊をしゅーさんは匂いを嗅いで、同じように味見する。
「うん、間違いない。カレーだね」
「でしゅでしゅ」
「確かに、これは発見が難しいね……じゃあ、次からは僕が味見してから渡すね」
ニッコリと笑ったしゅーさんに体を抱きかかえられて、兄にパスされた。
あんよをバタバタさせて抗議したけれど、簡単に兄に捕獲されダッコされる。
「降ろちぇーい!」
「はーい、アーリー高い高い」
高い高いのままに、その場でグルグルされてしまう。
「きゃはははーっ!」
ロコの時より、背丈が高い分、迫力満点だしスピードもあって楽しいな。
両手を広げて、つい堪能してしまっているうちに、しゅーさんとロコの二人で石を割り出した。
「おい、なんで俺が……」
「このままだと、まゆまゆが自分で全て割って、味見をするだろ? 何か危険があったらダメだから、僕が確認する。彼女を助けるためだと思って、手伝え」
「お前、味見してわかんのかよ」
「僕の馴染みのある物であれば、彼女程度にはわかるよ」
その頃の私は、ヨダレを流してひゃいひゃい楽しんでいた。
妹の喜びように、兄がハッスルして、今度は上に放り投げてキャッチまでしてくれる。
「うひょーい!」
「アーリー、ほーら! あはははーっ!」
はしゃぐ兄妹を見て少しげんなりしながらも、ロコが石を割り、中身をしゅーさんに渡す。
受け取ったしゅーさんは、匂いを嗅いで味見して、それを分けていった。
リュックに入れていた、保存袋に中身の塊を放り込んでいく。
「うん、カレーだけじゃないね。こっちは七味で、こっちは胡椒だ。塊だから粉にすれば、なかなかの量だな」
「よくわかるな、なんだよそれ」
「味付けの調味料の一つだ」
「そうか、おっ、あと二個だが、なんか違うやつ出たぞ」
「んーっと、これは黒糖だ。ほら、ちょっと舐めてみて」
「甘いな! 花蜜より甘い!」
「体にもいいんだよ」
なんだか、二人は仲良くなっているみたいだが、流石に疲れた兄は、今度はアールを蹴って四つん這いにさせて、その上に私を乗せた。
「おいコラ! 王子!」
「ほーら、さっき負けた、負け狼のアールだよ?」
「お馬しゃんパカパカー狼たったかたー」
「おい、なんでこいつ意味不明にハイテンションなんだ?」
「アーリーが、じゃじゃ馬さんのわんぱくで可愛い」
「お前ら二人とも馬鹿だろ? 本当に馬鹿なんだな!」
ヤケになったアールが私の両手をもって、そのままグルグルと回転する。
遠心力で私の身体は、ぶんぶんとアールを軸にして、ぶん回った。
「ぎょへへーっ!」
「うわぁ、気持ち悪い喜び方してるぞ、このチビ姫」
真剣にどん引きしているアールと、すでにラリっている私に、しゅ-さんが大声で呼んだ。
「まゆまゆー! 石の中身の分別全て終わったよー!」
「石だぁ? っと、ほいよっと」
一旦、ブーンと上にぶん投げられた私は、落ちていくと共にアールにナイスキャッチされた。
「ヨダレヨダレ、つけんなチビ姫」
「はいアーリー、楽しかったね。はい拭き拭きしようね」
上品に兄にハンカチで、顔を綺麗に拭きとられた。スッキリ!
しゅーさんは、幾つかの袋に石の中身を分別して入れてくれたらしい。
その一つ一つを教えてくれた。
「一番多かったのはカレーだったね。次はたぶんシチューの匂いがしたコレ」
私はそれの入った袋を覗き込む。カレーと似た感じの白い塊を少し指で削って舐めてみた。
「ホワイトソースでしゅね」
「やっぱり、ならカレーに近いけど、こっちの赤身が強いのは……」
「ビーフシチューとかの塊っぽいでしゅ」
「うん、あとは胡椒と七味だと思うけど、あとカラシと黒糖かな」
「しゅばらしいでしゅよ!」
いきなりのお宝の山に、私は感動に打ち震えた!
私の喜びように、アールがニヤニヤしながら言う。
「なら、もっと掘って石をみつけようぜ」
「ダメでしゅ」
「なんで? リュックの容量に余裕はあるだろうが」
「乱獲すると、石が生まれないらしいんでしゅ?」
「はぁああ?」
「アーリー、なんだか独特な石だけど、どうするんだい?」
「アタチも、デブに教えて貰ったんでしゅけどね」
野球ボール大の大きさの石は、土壁から生えていた。
一部しか露出していないので、取り出さないと丸い石だとわからない。
そして、この石こそがお宝なのだ。
「さっき、アールにぶつけてやったけど、なかなか頑丈な石だね」
ああ、どうりで後頭部抱えて、うずくまってたな……と、遠い目をして即座に忘れた。
天井の隙間から、日の光が入るとはいえ、とっとと帰らないと夜になってしまう。
私は石を一つ足元に置き、その前に、よっこいちょ……と膝を抱えてお座りした。
そして、もう一つの丸い石を両手で持って、勢いよく振りかざす。
「割れろでしゅーゴラァァア!」
カーン!
響く石の音と共に、まるで卵の殻のように、簡単にヒビが入った。
兄や、音で覗き込みに来たしゅーさんやロコが、目を見張る。
「え、何か石の中にあるね」
しゅーさんの言う通り、これは石の卵なのだ。
ゼンが言っていた、見つかりにくい食材の秘密だ。
私でも、言われなければ気づきもしなかっただろう。
ヒビの入った石の殻は、指で軽く力を入れると、面白いように剥がれていく。
そして、中から出たのは茶色の塊。
くんかくんか……ナマステ~。
「お前、流石に犬みたいに匂い嗅ぐなよ」
ロコがうるさい、なら指で少し削って舐めてみた。
「あーアーリー! メッ! バッチィのメッ!」
ほら、保護者がうるさいんだよ。
肝心の犬が、頭痛めて不貞腐れて、使えないんだから仕方ないじゃん。
「これは、カレーでしゅ」
「ちょっと貸して、まゆまゆ」
ヒョイと取り上げられた、茶色の塊をしゅーさんは匂いを嗅いで、同じように味見する。
「うん、間違いない。カレーだね」
「でしゅでしゅ」
「確かに、これは発見が難しいね……じゃあ、次からは僕が味見してから渡すね」
ニッコリと笑ったしゅーさんに体を抱きかかえられて、兄にパスされた。
あんよをバタバタさせて抗議したけれど、簡単に兄に捕獲されダッコされる。
「降ろちぇーい!」
「はーい、アーリー高い高い」
高い高いのままに、その場でグルグルされてしまう。
「きゃはははーっ!」
ロコの時より、背丈が高い分、迫力満点だしスピードもあって楽しいな。
両手を広げて、つい堪能してしまっているうちに、しゅーさんとロコの二人で石を割り出した。
「おい、なんで俺が……」
「このままだと、まゆまゆが自分で全て割って、味見をするだろ? 何か危険があったらダメだから、僕が確認する。彼女を助けるためだと思って、手伝え」
「お前、味見してわかんのかよ」
「僕の馴染みのある物であれば、彼女程度にはわかるよ」
その頃の私は、ヨダレを流してひゃいひゃい楽しんでいた。
妹の喜びように、兄がハッスルして、今度は上に放り投げてキャッチまでしてくれる。
「うひょーい!」
「アーリー、ほーら! あはははーっ!」
はしゃぐ兄妹を見て少しげんなりしながらも、ロコが石を割り、中身をしゅーさんに渡す。
受け取ったしゅーさんは、匂いを嗅いで味見して、それを分けていった。
リュックに入れていた、保存袋に中身の塊を放り込んでいく。
「うん、カレーだけじゃないね。こっちは七味で、こっちは胡椒だ。塊だから粉にすれば、なかなかの量だな」
「よくわかるな、なんだよそれ」
「味付けの調味料の一つだ」
「そうか、おっ、あと二個だが、なんか違うやつ出たぞ」
「んーっと、これは黒糖だ。ほら、ちょっと舐めてみて」
「甘いな! 花蜜より甘い!」
「体にもいいんだよ」
なんだか、二人は仲良くなっているみたいだが、流石に疲れた兄は、今度はアールを蹴って四つん這いにさせて、その上に私を乗せた。
「おいコラ! 王子!」
「ほーら、さっき負けた、負け狼のアールだよ?」
「お馬しゃんパカパカー狼たったかたー」
「おい、なんでこいつ意味不明にハイテンションなんだ?」
「アーリーが、じゃじゃ馬さんのわんぱくで可愛い」
「お前ら二人とも馬鹿だろ? 本当に馬鹿なんだな!」
ヤケになったアールが私の両手をもって、そのままグルグルと回転する。
遠心力で私の身体は、ぶんぶんとアールを軸にして、ぶん回った。
「ぎょへへーっ!」
「うわぁ、気持ち悪い喜び方してるぞ、このチビ姫」
真剣にどん引きしているアールと、すでにラリっている私に、しゅ-さんが大声で呼んだ。
「まゆまゆー! 石の中身の分別全て終わったよー!」
「石だぁ? っと、ほいよっと」
一旦、ブーンと上にぶん投げられた私は、落ちていくと共にアールにナイスキャッチされた。
「ヨダレヨダレ、つけんなチビ姫」
「はいアーリー、楽しかったね。はい拭き拭きしようね」
上品に兄にハンカチで、顔を綺麗に拭きとられた。スッキリ!
しゅーさんは、幾つかの袋に石の中身を分別して入れてくれたらしい。
その一つ一つを教えてくれた。
「一番多かったのはカレーだったね。次はたぶんシチューの匂いがしたコレ」
私はそれの入った袋を覗き込む。カレーと似た感じの白い塊を少し指で削って舐めてみた。
「ホワイトソースでしゅね」
「やっぱり、ならカレーに近いけど、こっちの赤身が強いのは……」
「ビーフシチューとかの塊っぽいでしゅ」
「うん、あとは胡椒と七味だと思うけど、あとカラシと黒糖かな」
「しゅばらしいでしゅよ!」
いきなりのお宝の山に、私は感動に打ち震えた!
私の喜びように、アールがニヤニヤしながら言う。
「なら、もっと掘って石をみつけようぜ」
「ダメでしゅ」
「なんで? リュックの容量に余裕はあるだろうが」
「乱獲すると、石が生まれないらしいんでしゅ?」
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