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第5章 いらっしゃい南国パナマナ
第73話 呼び寄せの葉っぱでしゅ!
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外に出ると、朝日がまぶしくて、潮風が気持ちいい天気だった。
「みんな揃ってるでしゅね」
「おうよ、お寝坊チビ姫ちゃん」
「寝る子は育つでしゅ」
フンフンと私はみんなの前に立つ。
そこで気が付いた。
男性陣の各自が何やら、棒や網やバケツを持っている。
「でしゅ?」
「朝早い方が、魚が捕りやすいんだよ。お前、魚欲しいんだろ?」
そう言ったロコが、昨日とってきた葉っぱを数枚ピラピラと見せた。
「よい釣り場を知ってるし、この葉っぱがあれば好きな魚をとり放題だぜ」
「ならクジラがいいでしゅ」
「まゆまゆ、それは釣れない」
「精霊がいるから、なんとかなりそうでしゅけどねぇ」
「アーリー、目的はカツーオとかじゃないのかい?」
「そうだ! 思い出した! みたいな顔して、可愛いわねチビちゃん。パフパフしてあげるからおいで~」
おろろ・おろろと私がキョドっているうちに、私は兄に肩車されてロコを先頭に歩き出した。
目指すはロコのイチオシの、釣りスポットらしい。
大きな入り江の砂浜に、私達はたどり着いた。
誰一人としていないこの場所は、ジョージの散歩コースらしく、聖地の一つだという。
「ジョージはロンサムだけど、ちゃんとみんなに大事にされて偉いでしゅね」
そして私は、無言で鳥と狼を見つめた。
「何が言いたい」
「ダッコして欲しいの? はーいおいで」
小さく首を横に振り、お前らは……と、ため息をつく。
なんにせよ、今から念願の釣りなのだ。
このために、ここに来たといっても過言ではない。
ロコが例の葉っぱを差し出して、使い方を教えてくれる。
「これは呼び寄せの葉って言ってな、こう咥えて心で欲しい魚を念じるんだ」
ロコはそう言って、釣り竿の先を海にむかってぶんと投げた。
そして、葉っぱを咥えて目を瞑り、やがて葉っぱで笛を吹く。
ぴゅ~ぃ!
波の音と共鳴するように、高らかに聞こえた葉っぱの笛の音と共に、海に沈んだ先がグイグイと動いた。
「かかった! ほらっこいっ!」
ロコが勢いよく、ぶんと釣りあげると、パシャンと浜辺に釣れた魚が転がった。
ピチピチと砂浜で跳ねる、しましまの魚はイシダイだ。流石は南国!
「俺の好物のマオマオだ。最近は釣りにくかったけど、この呼び寄せの葉を使えば一発だ」
「お刺身が一番でしゅ」
「煮物はダメなのかな?」
「しゅーさん、この魚は味付けを濃くした煮物がいいでしゅね」
「私はからあげがいい」
「それも美味しいでしゅが、油が必要でしゅ」
「俺は焼いた奴が好きだ」
みんな好き勝手に色々言ってるなぁ。
エバが勝手に張り切って、魚にファイヤーして焦がしてしまった。
兄が必死で身をほじって、食べれそうな部分を回収していた。
意外と地味な仕事が得意なんだよね、うちの兄。みんな忘れてるが、たぶん王子。
「では、葉っぱを咥えて、願えばいいんでしゅね」
「そうだ、がんばれ俺の嫁」
「だから、僕の妻です」
みんなの熱い声援を受けながら、私は葉っぱを咥えて竿を持つ。
近くには、網をスタンバイした兄とアール。
バケツ待機のエバもいる。
竿は一人だと小さすぎて持てないので、補助としてしゅーさんがついてくれる。
私の小さな手を包むように、しゅーさんの子供の手が竿を支えてくれた。
願う人間でないと、魚は釣れないのだという。
葉っぱを吹いて魚を呼んで、別の人間が釣ろうとすると消えるらしい。
なので形として、こうなった。
二人羽織方式採用で、私の糸に魚が引っかかっているうちに網ですくう。
完璧な作戦が、いざ実行される。
葉っぱを咥えて、私は願う。
(それはサメだ! ジョージではなく、ジョーズだゴラ)
(鯛やヒラメは高級魚、ダメだよ先にあいつを呼ばなきゃ)
(おーい野球しようぜーって、これ危険なネタでしゅよ)
脳内で、日曜お楽しみだった海産物アニメの曲が流れ始めた。こらダメだ。
買い物しようと街まで行ったら、今は電子マネーでしゅよ。
「だから財布はいらないんでしゅー! 忘れて大丈夫でしゅー!」
「あっ! まゆまゆ葉っぱが」
「あああっ!」
咥えていたのが、ボロボロになってしまった。
一枚無駄にしてしまい、無念。
「邪念が……恐ろしいでしゅよ」
「まゆまゆ、何が恐ろしいの?」
「日曜が終わるでしゅ」
「うん、でも年金生活時代は、毎日が日曜日みたいなものだったね」
「はっ!」
必死にパートをしていた時期が、長かったもんなぁ。
とりあえず日曜日は克服した、今度こそだ。
「おい、お前何してんだよ」
「うっさいでしゅロコ、とっとと次の葉っぱをよこせーぃでしゅ」
奪い取った葉っぱを咥えて、さて今度こそはと私は脳内イメージに力を込めた。
今度は素直にカツオが出て来た。
何か土佐弁で、かつおぜよ! とか言ってるけど、お前はカツオだ。
よしよし、ずっと会いたかったよ、カツオの夜明けぜよ。
カツオを脳内で捉えた! 私は咥えた葉っぱを思い切り吹いた。
「ぶーべっべーぶびっぶーべーっ、べべ」
「ベベ?」
こういう時だけ狼の耳がいいのな? 小首かしげてべべ? じゃねーよ。
「みんな揃ってるでしゅね」
「おうよ、お寝坊チビ姫ちゃん」
「寝る子は育つでしゅ」
フンフンと私はみんなの前に立つ。
そこで気が付いた。
男性陣の各自が何やら、棒や網やバケツを持っている。
「でしゅ?」
「朝早い方が、魚が捕りやすいんだよ。お前、魚欲しいんだろ?」
そう言ったロコが、昨日とってきた葉っぱを数枚ピラピラと見せた。
「よい釣り場を知ってるし、この葉っぱがあれば好きな魚をとり放題だぜ」
「ならクジラがいいでしゅ」
「まゆまゆ、それは釣れない」
「精霊がいるから、なんとかなりそうでしゅけどねぇ」
「アーリー、目的はカツーオとかじゃないのかい?」
「そうだ! 思い出した! みたいな顔して、可愛いわねチビちゃん。パフパフしてあげるからおいで~」
おろろ・おろろと私がキョドっているうちに、私は兄に肩車されてロコを先頭に歩き出した。
目指すはロコのイチオシの、釣りスポットらしい。
大きな入り江の砂浜に、私達はたどり着いた。
誰一人としていないこの場所は、ジョージの散歩コースらしく、聖地の一つだという。
「ジョージはロンサムだけど、ちゃんとみんなに大事にされて偉いでしゅね」
そして私は、無言で鳥と狼を見つめた。
「何が言いたい」
「ダッコして欲しいの? はーいおいで」
小さく首を横に振り、お前らは……と、ため息をつく。
なんにせよ、今から念願の釣りなのだ。
このために、ここに来たといっても過言ではない。
ロコが例の葉っぱを差し出して、使い方を教えてくれる。
「これは呼び寄せの葉って言ってな、こう咥えて心で欲しい魚を念じるんだ」
ロコはそう言って、釣り竿の先を海にむかってぶんと投げた。
そして、葉っぱを咥えて目を瞑り、やがて葉っぱで笛を吹く。
ぴゅ~ぃ!
波の音と共鳴するように、高らかに聞こえた葉っぱの笛の音と共に、海に沈んだ先がグイグイと動いた。
「かかった! ほらっこいっ!」
ロコが勢いよく、ぶんと釣りあげると、パシャンと浜辺に釣れた魚が転がった。
ピチピチと砂浜で跳ねる、しましまの魚はイシダイだ。流石は南国!
「俺の好物のマオマオだ。最近は釣りにくかったけど、この呼び寄せの葉を使えば一発だ」
「お刺身が一番でしゅ」
「煮物はダメなのかな?」
「しゅーさん、この魚は味付けを濃くした煮物がいいでしゅね」
「私はからあげがいい」
「それも美味しいでしゅが、油が必要でしゅ」
「俺は焼いた奴が好きだ」
みんな好き勝手に色々言ってるなぁ。
エバが勝手に張り切って、魚にファイヤーして焦がしてしまった。
兄が必死で身をほじって、食べれそうな部分を回収していた。
意外と地味な仕事が得意なんだよね、うちの兄。みんな忘れてるが、たぶん王子。
「では、葉っぱを咥えて、願えばいいんでしゅね」
「そうだ、がんばれ俺の嫁」
「だから、僕の妻です」
みんなの熱い声援を受けながら、私は葉っぱを咥えて竿を持つ。
近くには、網をスタンバイした兄とアール。
バケツ待機のエバもいる。
竿は一人だと小さすぎて持てないので、補助としてしゅーさんがついてくれる。
私の小さな手を包むように、しゅーさんの子供の手が竿を支えてくれた。
願う人間でないと、魚は釣れないのだという。
葉っぱを吹いて魚を呼んで、別の人間が釣ろうとすると消えるらしい。
なので形として、こうなった。
二人羽織方式採用で、私の糸に魚が引っかかっているうちに網ですくう。
完璧な作戦が、いざ実行される。
葉っぱを咥えて、私は願う。
(それはサメだ! ジョージではなく、ジョーズだゴラ)
(鯛やヒラメは高級魚、ダメだよ先にあいつを呼ばなきゃ)
(おーい野球しようぜーって、これ危険なネタでしゅよ)
脳内で、日曜お楽しみだった海産物アニメの曲が流れ始めた。こらダメだ。
買い物しようと街まで行ったら、今は電子マネーでしゅよ。
「だから財布はいらないんでしゅー! 忘れて大丈夫でしゅー!」
「あっ! まゆまゆ葉っぱが」
「あああっ!」
咥えていたのが、ボロボロになってしまった。
一枚無駄にしてしまい、無念。
「邪念が……恐ろしいでしゅよ」
「まゆまゆ、何が恐ろしいの?」
「日曜が終わるでしゅ」
「うん、でも年金生活時代は、毎日が日曜日みたいなものだったね」
「はっ!」
必死にパートをしていた時期が、長かったもんなぁ。
とりあえず日曜日は克服した、今度こそだ。
「おい、お前何してんだよ」
「うっさいでしゅロコ、とっとと次の葉っぱをよこせーぃでしゅ」
奪い取った葉っぱを咥えて、さて今度こそはと私は脳内イメージに力を込めた。
今度は素直にカツオが出て来た。
何か土佐弁で、かつおぜよ! とか言ってるけど、お前はカツオだ。
よしよし、ずっと会いたかったよ、カツオの夜明けぜよ。
カツオを脳内で捉えた! 私は咥えた葉っぱを思い切り吹いた。
「ぶーべっべーぶびっぶーべーっ、べべ」
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