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第6章 拝啓・北の国から
第93話 ビバ! 雪国アイスでしゅ!
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中では皆が食事を終えて、満足げに寛いでいた。
私とデブの持つ容器と布を見て、アールが不思議そうな顔をする。
「おい、何して……それは何だ」
「デザートでしゅ」
「おおおおーっ!!」
目を輝かせるアールは無視して、ティナに各自のスプーンと器を用意して貰う。
そして、大きなとりわけ用のスプーンも用意して、準備は整った。
「では、開封せよ! でしゅ!」
私の合図と共に、ゼンが蓋を開けると、中では凍った白い塊が出来上がっていた。
ティナに取り分けスプーンを渡して、指示を出す。
「スプーンに少しだけ冷気を流しながら、底から細かくかき混ぜて攪拌するでしゅ」
「あ、ああ、はいっ、わかりましたっ!」
こいつ何でもいう事聞くなあ、便利なしもべだな。
指示されたとおりに滑らかに攪拌され、さて出来上がりだ。
「アイスクリームでしゅ! 大好物でしゅよ!」
はよはよと私は自分の器を真っ先に差し出して、もりもりに盛って入れて貰った。
つられて各自も、それぞれの器に白い雲のような塊を入れていく。
口に一口入れるなり、転生組以外は驚愕の甘さと美味しさに目を見張る。
「おい、なんだよ、今日は何だ! なんでこんなに美味いのが続くんだ!」
狼がアホみたいに吠えた。
今まではエバがこの面倒アクション引き受けてくれていたんだな……と無視した。
「この口どけの優しさと、確実に含まれる力の源、そして白い美しさと……」
うっとりとウンチク垂れる羊がウザイ。精霊ってこんなのばっかなの?
ジョージだけだよ、マシな精霊って。動かないけど! 亀だからっ!
しゅーさんも時々私の口元を拭きつつ、懐かしい味を堪能している。
「アイスはカロリーも高くて、介護食に向いてるもんね」
「餅と違って、同じ白でも殺傷力はないでしゅ」
「生き返る、ほんま生き返るで~」
デブずっと泣いてる。でもスプーンの動きは止まらない。
ティナはその一口・一口をゆっくりと堪能しながら、嬉し気に食べていた。
「ティナは自分で作れるでしゅよ?」
「ほ、ほ、本当に?」
「凍らせる力なら簡単でしゅよ。レシピ教えてやるでしゅ。塩もあげたの使うでしゅ」
嬉しそうなティナに私も笑顔で返してやった。
そして、この国の特産品として沢山のアイスを開発して、私に提供しろ。
「良かったですねティナ。そして小さな小娘よ、改めて礼を言う」
「いいんでしゅよメリー」
「だから私はゼファーです」
「元気出たでしゅか?」
「ええ、本当に久しく力がみなぎっております」
ニイッと羊なりの満面の笑みだったらしいが、油断した。
「ぴょえええーっ! ふがっ!?」
「はい、まゆまゆアイスだよ」
とっさに危険を察知したしゅーさんが、無理やりスプーンを私の口に突っ込んだ。
恐怖は美味しさに上書きされて、咄嗟に世界滅亡の危機パートⅡは回避された。
「パンツなら替えを沢山持って来てやっただろ?」
アールがスプーンを咥えながらニヤニヤと言うので、私は言ってやった。
「アールは、晩御飯抜きでいいでしゅかね?」
「私めは忠実なる王家の騎士です。大変申し訳ございませんでした」
足元まで来て、膝をついて騎士の礼で謝罪に来たので、肩に片足のせてふんぞり反ってやった。
「こ……このチビ……」
「ふふん、アタチは王族で女神の愛しい子で、ご飯係でしゅ~っ」
プゲラと笑う私と、プルプル耐えるアール。それを他所に、皆がアイスを食べ終えて、やっと一息つく時間となった。
気づけばすでに、夕方になっていたらしい。
最初の昼過ぎに、ここの扉を開けて戦闘になった時は、アールを囮にして逃げようと思っていたが、飯も食えたし満足だ。
ん、途中でパンツのチェンジがあった? 記憶違いではないですか?
さて、やっと私たちはここに来た本題に入る事になる。
向き合う羊とティナ、なぜか出口に近い下座にデブが参加してるんだけど?
まあいいや。
「とりあえず、王家は滅んだんでしゅね?」
「ええ、他国への侵略ばかり考える王家に愛想が尽きたので、ともかく鎖国の封印を施して、あとは加護を無くせば、アッという間に滅びました」
「別に病を与えたのは、メリーじゃないでしゅね?」
「だからメリーでは……はあ、もういいです。わざわざ病など私が作り出すはずもない」
「女神が言ってたでしゅ。女神でもわかんないけど、世界のバランスが崩れているって。だから病が流行しているらしいんでしゅよ」
「おいチビ姫様、女神すら予測不能なところから、病は発生したってか?」
「女神いわく、自分は何も出来ないでしゅってのと、ええっと、何か力が漏れてる?」
「漏れてるのは、チビ姫の……」
「それ以上言ったら、世界を滅ぼす」
静かな私の一言で、一瞬の静寂が訪れた。
あわてたしゅーさんが、なんとか場を繕った。
「ゆ、雪が酷くなってきたね!」
吹雪は強くなってきており、私は凍った顔のままに、玄関の布をめくる。
外に出た途端に、力を発動した。
「おいチビ姫様っ! いきなりどうした?」
「雪除けの壁と屋根を作れ、ジョージの力でしゅ!!」
ドゴゴゴーッ! と土が盛り上がり玄関外に、土壁と屋根が出来た。
ちょっとした風よけテラスなので、寒さ対策としてはマシだろう。
――少しでも、お漏らしの危険は避けなければいけない。冷えは大敵 ――
部屋に戻り、羊を指さす。
「ともかく病の治療法を知ってるでしゅから、とっとと治すでしゅよ」
私とデブの持つ容器と布を見て、アールが不思議そうな顔をする。
「おい、何して……それは何だ」
「デザートでしゅ」
「おおおおーっ!!」
目を輝かせるアールは無視して、ティナに各自のスプーンと器を用意して貰う。
そして、大きなとりわけ用のスプーンも用意して、準備は整った。
「では、開封せよ! でしゅ!」
私の合図と共に、ゼンが蓋を開けると、中では凍った白い塊が出来上がっていた。
ティナに取り分けスプーンを渡して、指示を出す。
「スプーンに少しだけ冷気を流しながら、底から細かくかき混ぜて攪拌するでしゅ」
「あ、ああ、はいっ、わかりましたっ!」
こいつ何でもいう事聞くなあ、便利なしもべだな。
指示されたとおりに滑らかに攪拌され、さて出来上がりだ。
「アイスクリームでしゅ! 大好物でしゅよ!」
はよはよと私は自分の器を真っ先に差し出して、もりもりに盛って入れて貰った。
つられて各自も、それぞれの器に白い雲のような塊を入れていく。
口に一口入れるなり、転生組以外は驚愕の甘さと美味しさに目を見張る。
「おい、なんだよ、今日は何だ! なんでこんなに美味いのが続くんだ!」
狼がアホみたいに吠えた。
今まではエバがこの面倒アクション引き受けてくれていたんだな……と無視した。
「この口どけの優しさと、確実に含まれる力の源、そして白い美しさと……」
うっとりとウンチク垂れる羊がウザイ。精霊ってこんなのばっかなの?
ジョージだけだよ、マシな精霊って。動かないけど! 亀だからっ!
しゅーさんも時々私の口元を拭きつつ、懐かしい味を堪能している。
「アイスはカロリーも高くて、介護食に向いてるもんね」
「餅と違って、同じ白でも殺傷力はないでしゅ」
「生き返る、ほんま生き返るで~」
デブずっと泣いてる。でもスプーンの動きは止まらない。
ティナはその一口・一口をゆっくりと堪能しながら、嬉し気に食べていた。
「ティナは自分で作れるでしゅよ?」
「ほ、ほ、本当に?」
「凍らせる力なら簡単でしゅよ。レシピ教えてやるでしゅ。塩もあげたの使うでしゅ」
嬉しそうなティナに私も笑顔で返してやった。
そして、この国の特産品として沢山のアイスを開発して、私に提供しろ。
「良かったですねティナ。そして小さな小娘よ、改めて礼を言う」
「いいんでしゅよメリー」
「だから私はゼファーです」
「元気出たでしゅか?」
「ええ、本当に久しく力がみなぎっております」
ニイッと羊なりの満面の笑みだったらしいが、油断した。
「ぴょえええーっ! ふがっ!?」
「はい、まゆまゆアイスだよ」
とっさに危険を察知したしゅーさんが、無理やりスプーンを私の口に突っ込んだ。
恐怖は美味しさに上書きされて、咄嗟に世界滅亡の危機パートⅡは回避された。
「パンツなら替えを沢山持って来てやっただろ?」
アールがスプーンを咥えながらニヤニヤと言うので、私は言ってやった。
「アールは、晩御飯抜きでいいでしゅかね?」
「私めは忠実なる王家の騎士です。大変申し訳ございませんでした」
足元まで来て、膝をついて騎士の礼で謝罪に来たので、肩に片足のせてふんぞり反ってやった。
「こ……このチビ……」
「ふふん、アタチは王族で女神の愛しい子で、ご飯係でしゅ~っ」
プゲラと笑う私と、プルプル耐えるアール。それを他所に、皆がアイスを食べ終えて、やっと一息つく時間となった。
気づけばすでに、夕方になっていたらしい。
最初の昼過ぎに、ここの扉を開けて戦闘になった時は、アールを囮にして逃げようと思っていたが、飯も食えたし満足だ。
ん、途中でパンツのチェンジがあった? 記憶違いではないですか?
さて、やっと私たちはここに来た本題に入る事になる。
向き合う羊とティナ、なぜか出口に近い下座にデブが参加してるんだけど?
まあいいや。
「とりあえず、王家は滅んだんでしゅね?」
「ええ、他国への侵略ばかり考える王家に愛想が尽きたので、ともかく鎖国の封印を施して、あとは加護を無くせば、アッという間に滅びました」
「別に病を与えたのは、メリーじゃないでしゅね?」
「だからメリーでは……はあ、もういいです。わざわざ病など私が作り出すはずもない」
「女神が言ってたでしゅ。女神でもわかんないけど、世界のバランスが崩れているって。だから病が流行しているらしいんでしゅよ」
「おいチビ姫様、女神すら予測不能なところから、病は発生したってか?」
「女神いわく、自分は何も出来ないでしゅってのと、ええっと、何か力が漏れてる?」
「漏れてるのは、チビ姫の……」
「それ以上言ったら、世界を滅ぼす」
静かな私の一言で、一瞬の静寂が訪れた。
あわてたしゅーさんが、なんとか場を繕った。
「ゆ、雪が酷くなってきたね!」
吹雪は強くなってきており、私は凍った顔のままに、玄関の布をめくる。
外に出た途端に、力を発動した。
「おいチビ姫様っ! いきなりどうした?」
「雪除けの壁と屋根を作れ、ジョージの力でしゅ!!」
ドゴゴゴーッ! と土が盛り上がり玄関外に、土壁と屋根が出来た。
ちょっとした風よけテラスなので、寒さ対策としてはマシだろう。
――少しでも、お漏らしの危険は避けなければいけない。冷えは大敵 ――
部屋に戻り、羊を指さす。
「ともかく病の治療法を知ってるでしゅから、とっとと治すでしゅよ」
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