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第6章 拝啓・北の国から
第94話 電池切れでしゅ~プシュ~
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私は女神から聞いた病の治療方法を伝えた。
「精霊全員の力が必要でしゅ」
私の言葉に二匹は鼻で笑う。
「はっ、我らが集うなど無理無理」
「なぜこいつらと共になど、私はお断りですよ」
どストレートにティナがブッこんできた。
「な、な、なぜですか? 主様。皆が救われるのに、い、い、嫌なんですか?」
「王族の末裔なのに、足手まといと捨てられたお前を拾ったのは、あくまで私の気まぐれと、しもべとしてです。黙りなさい」
「う、うっ」
あーだからスキルが使えたんだ。成程なぁ。
「ティナはいつも、どうやって羊にご飯あげていたでしゅか?」
「ぼ、僕の氷を、食事に、ま、混ぜて」
「冷めるし、薄味になるでしゅね」
ともかくだ。とっとと羊を従えて、最後の本命の米を手に入れるのだ。
米だろ米!
食べ終わった居間の長机に、皆が囲いあって座っている。
外は暗くなってきており、雪が窓を叩く音が激しくなってきた。
「アール、馬しゃん達は?」
「ちゃんと、廃屋に避難させてるぞ」
「なら、吹雪がやむまで待機でしゅね。メリーは天気をなんとかできないんでしゅか?」
「力は戻りましたが、そこまでではないですね。ゼファーです」
ヤバイ……世界が揺れ始めた。
怒りに任せて、力を使い過ぎたのと、最初の山登りも効いている。
やっぱりまだこの体は、力が足りないなぁ……。
「別に精霊が集まらなくていいでしゅ……うぁっ、ここにアタチがいる……で、しゅ……黙って……した、がえ……くぅ」
最後まで言い切る前に、とうとう意識がブラックアウトした。
小さな子って、本当に電池が切れたみたいにガクンて寝るよね。
意識を失った私を、横に座っていたしゅーさんが必死に支えてくれた。
ゼンが抱き上げて、チラリとゼファーを見る。
「ところでお前は何ですか」
「……そやな、あんたにとっては、そんなもんやな」
これでもかと冷酷な顔をゼンは見せたが、ゼファーは動じない。
鼻で笑うアールが近づき、ゼンからアリアナを受け取った。
「調子に乗るなよ? お前はこのチビが気に入っているから見逃しているだけだ」
「さいでっか。ともかくワイは帰れるまで、あんたらから離れる気はないでっせ」
「それを許すとでも?」
赤く光る目のアールに、室内の空気がピリリと重くなる。
だが、ゼンには効果がない様子だ。
「ははっ、聖なる覇気はなかなかやけど、ワイには効きまへん」
「だからこそ滅するべきなんだが?」
「アールシャンテス、その禍々しい生き物を私の目の前から消し去り……」
「お前のせいやろ――――が!!」
怒髪天となったゼンが怒鳴り、眠っていた幼いアリアナが小さくうなる。
「……んーっ、うるしゃい……スー」
「おい、黙れ。お前はこいつに命を救われたんだろう」
「お嬢ちゃんと、そっちの坊ちゃんだけや。ワイの気持ちがわかるんは」
一歩後ろに下がってゼンは元の椅子に座りなおした。
「ワイは帰してもらうために、あんたらに食材やら色々と提供しとる。お嬢ちゃんの役にも立っとる。ともかく力を取り戻して、ワイを魔界に帰してくれ」
「どっちにせよ、今はもう腹いっぱいだし、人間どもは休むがいい。ゼファーわかったな。このチビが目覚めて元気になったら、また別の飯をくれる」
「この小娘の力は認めざるをえませんからね。ティナ、二階の客間を用意してやりなさい。あと物置部屋や納屋も使えるでしょう」
「はい、主」
吹雪の夜はこうして過ぎ去り、私たちは羊の家で朝を迎えた。
家中に香ばしいパンの焼ける匂いがする。
「お腹すいたでしゅーっ!」
「おはよう、まゆまゆ」
「でしゅ?」
目覚めた部屋は、見覚えのない質素な場所だ。
部屋の隅の暖炉によって、寒くはないが寂れた印象は拭えない。
いくつかの椅子が横に並べられ、即席のベットだったのだろう。毛布が畳んで置かれている。
「しゅーさんが、そっちで寝たでしゅか?」
「ううん、アールシャンテス様だよ。僕はまゆまゆと一緒の、そのベットで添い寝したんだ」
「新婚さん時代みたいでしゅけど、爆睡だったでしゅ」
「うんうん、じゃあ着替えようか?」
いそいそと服を用意して、着替えをさせようとするしゅーさんを部屋から叩き出した。
「自分で出来るでしゅ! 馬車でもちゃんと出来たでしゅ!」
クスクスと笑いながら、しゅ-さんが外で待ってくれている。
私だって、城に引き取られるまでは自分で……じゃなく、孤児院のみんなが世話してくれていたな。
やはり私ほどの存在になると、周囲がこぞってほっとかないのだろう。知ってた。
んしょんしょと、頑張って着替える。
モコモコの毛糸のセータなり毛糸のパンツもカボチャの上に装備した。
二重構えの完全防備だ。
どうだと扉をバーンと開けると、待っていたしゅーさんが苦笑しながら、服装を整えてくれた。
どうやら二階にいたらしく、手を引かれてトタトタと階段を降りていくと、居間にたどり着く。
「おはようさんでしゅよ!」
朝の挨拶は元気よく!
さて、早速今日も元気に始めましょうか! 充電完了!
「精霊全員の力が必要でしゅ」
私の言葉に二匹は鼻で笑う。
「はっ、我らが集うなど無理無理」
「なぜこいつらと共になど、私はお断りですよ」
どストレートにティナがブッこんできた。
「な、な、なぜですか? 主様。皆が救われるのに、い、い、嫌なんですか?」
「王族の末裔なのに、足手まといと捨てられたお前を拾ったのは、あくまで私の気まぐれと、しもべとしてです。黙りなさい」
「う、うっ」
あーだからスキルが使えたんだ。成程なぁ。
「ティナはいつも、どうやって羊にご飯あげていたでしゅか?」
「ぼ、僕の氷を、食事に、ま、混ぜて」
「冷めるし、薄味になるでしゅね」
ともかくだ。とっとと羊を従えて、最後の本命の米を手に入れるのだ。
米だろ米!
食べ終わった居間の長机に、皆が囲いあって座っている。
外は暗くなってきており、雪が窓を叩く音が激しくなってきた。
「アール、馬しゃん達は?」
「ちゃんと、廃屋に避難させてるぞ」
「なら、吹雪がやむまで待機でしゅね。メリーは天気をなんとかできないんでしゅか?」
「力は戻りましたが、そこまでではないですね。ゼファーです」
ヤバイ……世界が揺れ始めた。
怒りに任せて、力を使い過ぎたのと、最初の山登りも効いている。
やっぱりまだこの体は、力が足りないなぁ……。
「別に精霊が集まらなくていいでしゅ……うぁっ、ここにアタチがいる……で、しゅ……黙って……した、がえ……くぅ」
最後まで言い切る前に、とうとう意識がブラックアウトした。
小さな子って、本当に電池が切れたみたいにガクンて寝るよね。
意識を失った私を、横に座っていたしゅーさんが必死に支えてくれた。
ゼンが抱き上げて、チラリとゼファーを見る。
「ところでお前は何ですか」
「……そやな、あんたにとっては、そんなもんやな」
これでもかと冷酷な顔をゼンは見せたが、ゼファーは動じない。
鼻で笑うアールが近づき、ゼンからアリアナを受け取った。
「調子に乗るなよ? お前はこのチビが気に入っているから見逃しているだけだ」
「さいでっか。ともかくワイは帰れるまで、あんたらから離れる気はないでっせ」
「それを許すとでも?」
赤く光る目のアールに、室内の空気がピリリと重くなる。
だが、ゼンには効果がない様子だ。
「ははっ、聖なる覇気はなかなかやけど、ワイには効きまへん」
「だからこそ滅するべきなんだが?」
「アールシャンテス、その禍々しい生き物を私の目の前から消し去り……」
「お前のせいやろ――――が!!」
怒髪天となったゼンが怒鳴り、眠っていた幼いアリアナが小さくうなる。
「……んーっ、うるしゃい……スー」
「おい、黙れ。お前はこいつに命を救われたんだろう」
「お嬢ちゃんと、そっちの坊ちゃんだけや。ワイの気持ちがわかるんは」
一歩後ろに下がってゼンは元の椅子に座りなおした。
「ワイは帰してもらうために、あんたらに食材やら色々と提供しとる。お嬢ちゃんの役にも立っとる。ともかく力を取り戻して、ワイを魔界に帰してくれ」
「どっちにせよ、今はもう腹いっぱいだし、人間どもは休むがいい。ゼファーわかったな。このチビが目覚めて元気になったら、また別の飯をくれる」
「この小娘の力は認めざるをえませんからね。ティナ、二階の客間を用意してやりなさい。あと物置部屋や納屋も使えるでしょう」
「はい、主」
吹雪の夜はこうして過ぎ去り、私たちは羊の家で朝を迎えた。
家中に香ばしいパンの焼ける匂いがする。
「お腹すいたでしゅーっ!」
「おはよう、まゆまゆ」
「でしゅ?」
目覚めた部屋は、見覚えのない質素な場所だ。
部屋の隅の暖炉によって、寒くはないが寂れた印象は拭えない。
いくつかの椅子が横に並べられ、即席のベットだったのだろう。毛布が畳んで置かれている。
「しゅーさんが、そっちで寝たでしゅか?」
「ううん、アールシャンテス様だよ。僕はまゆまゆと一緒の、そのベットで添い寝したんだ」
「新婚さん時代みたいでしゅけど、爆睡だったでしゅ」
「うんうん、じゃあ着替えようか?」
いそいそと服を用意して、着替えをさせようとするしゅーさんを部屋から叩き出した。
「自分で出来るでしゅ! 馬車でもちゃんと出来たでしゅ!」
クスクスと笑いながら、しゅ-さんが外で待ってくれている。
私だって、城に引き取られるまでは自分で……じゃなく、孤児院のみんなが世話してくれていたな。
やはり私ほどの存在になると、周囲がこぞってほっとかないのだろう。知ってた。
んしょんしょと、頑張って着替える。
モコモコの毛糸のセータなり毛糸のパンツもカボチャの上に装備した。
二重構えの完全防備だ。
どうだと扉をバーンと開けると、待っていたしゅーさんが苦笑しながら、服装を整えてくれた。
どうやら二階にいたらしく、手を引かれてトタトタと階段を降りていくと、居間にたどり着く。
「おはようさんでしゅよ!」
朝の挨拶は元気よく!
さて、早速今日も元気に始めましょうか! 充電完了!
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