転生幼女は発酵スキルで、異世界に和食革命を起こす!味噌、醤油、酢を作って餌付けしたら、いつの間にか世界に名が轟いていた件

西野和歌

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第7章 四大精霊と救世主

第107話 最後の一仕事?

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 皆で食事を終えた後は、最後の一仕事に入る。

 エバとジョージは体質的に戦力外なので、暖炉前待機。
 残りの精霊二匹と私としゅーさん、ティナとデブで残りの鍋の作成に入る。

「さぁて、最後の大仕事でしゅ! 気合入れて世界を救うでしゅよ!」

 女神から、全ての精霊の力を入れた料理が治療薬だと聞いていた。
 その力さえ入っていれば、たった一滴でも、人ならば病を治すだろうと。

『私には伝える事しかできなくてごめんね。私が動くと、どこかに力が流れてしまう』

 とっとと、漏れてる穴の原因を探してこいと怒鳴りつけると、女神は半べそかきながら必死に私に懇願していった。

『あの子たちを宜しくね。忘れないで、あの子たちと同じように、あなたたち全てを愛しているわ』

 いいから乳は去れで、私は夢から覚めたのだ。
 気合を入れるべく、城の侍女たちがこっそりくれた飴袋から、飴を取り出しレロレロ舐める。

「うむ美味」

 じーっと見ていたティナにも一粒分けてやると、嬉しそうにほうばった。

「お、おおお、おいしいね」
「でしゅ」
「ぼ、ぼぼ、僕嬉しいんだ」
「でしゅ?」
「こ、ここんなに、沢山のみんなで一つになって、何かの役に立てるなんて」

 僕っ子美少女のうえに、心は天使かよ。

「主役の座は渡さないでしゅよ」
「え、えええっ?」
「いいから、しゅーさんと交代で鍋をかき混ぜてろいっ」
「う、うう、うん! トイレは大丈夫?」
「漏らさないでしゅ!」
「うん?」

 チッチしか漏らさないでしゅ……違う、チッチですら漏らさない。
 漏らしてない、漏らした事なんか、なーいーっ!(洗脳中なので十回唱えて下さい)

 四つの鍋が再び煮えている。
 初回より、心なしか具材が豪華になっている。
 精霊たちが味を占めたせいだろう。

 私は各自の鍋を覗いて回る。
 うむ、いい感じに煮えているが、時間が勿体ないな。
 ティナと交代したしゅーさんが、額の汗を拭きつつ私を撫でてくれた。

「寒くない? 冷えない? トイレ行く?」
「なぜトイレの心配したでしゅか!」
「……疲れてない? 充電できるよ?」

 自分の方が疲れているだろうに、雪国だとしても火の当番は大変だ。
 だから、子供の私たち三人は一つの鍋を持ち回りと言ったのに、ティナとしゅーさん二人は、私がチビだからと、監督役でいいと当番から除外した。

 最初に作った時と違って、スキルの威力と使いどころを掴んだので、二回目の疲労は多少はマシになると思っているんだけど、凄く過保護にされている。
 それもこれも、私の可愛さが最高MAXで限界点突破して進化しちゃってるからだ。

 初回は一日かけた鍋も、私はスキルを発動して、時間を進めても大丈夫な事を確認した。
 力を使って初めて加減がわかるのだ、言葉で説明できないが、天才だから!

 大事なのは最後、旨味七色ゴールデンのスキルなのだよ。
 この世界で私だけの最高の四大精霊が一つになっちゃいました~旨味ゴールデン(命名アリアナちゃん)

 でも、鍋はちゃんと煮込んでトロトロがいいよねぇ。お米と具材のダシがきっちりとしみ込んだホクホクを、こうガガーッと喉に流し込みたいよね。
 デブが、おじやは飲み物発言していたよ。

「いい感じにとろけて……こらアール! ちゃんと底からかき混ぜろいでしゅ! 底に米があるからバレてるでしゅよ!」
「うひぃーっ、もう夜だぜ? ほら力でパパッと」
「パパッとお前を消し去ってしまおうか……忌まわしき記憶と共に……」
「おいこら闇落ちすんな! わかったわかった」

 表面だけかき混ぜていたアールが、ちゃんと大きな柄杓で底をかき混ぜ始めた。
 対して、今度は隣の羊だ。

「私はきちんと模範的に、かき混ぜています」
「でしゅね」
「ほら、1・2・3のリズムが一番水と米との分離による……」
「(羊は華麗にスルー)デブはちゃんとしてるでしゅか?」
「わいは歌いながら頑張ってるで?」

 デブの言葉に精霊二匹が苦情を告げた。

「そいつ、何か気味の悪い歌を歌ってるんだよ!」
「薄気味悪いメロディーで意味不明の歌詞で、気が散って仕方ありません!」

 そんな精霊なんぞ知ったこっちゃないと、デブは鼻で笑った。

「さぁ~旅立て俺たち無双~異世界行ったら暇だった~♪」
「っあ!」

 私は目を丸くした。すこし離れて座っていたしゅーさんにも聞こえたらしい。
 驚いてこちらに走ってきた。
 そんな私たち二人に、精霊は軽く目を見開いた。

「どうした、あの歌は呪詛か何かか?」
「ちがっ……そうでしゅね、確かにデブはアタチと同じ……」
「この曲って、よくハヤトの病室で流れていた」

 そうだよ。
 私とハヤトが一番ハマったラノベ「異世界行ったら暇だった」のアニメ化OPだよ。
 デブは鍋をかき混ぜながら、機嫌よく歌っていた。

「あー懐かしい歌や。昔のアニメなんやが名曲や」
「む、昔?」

 私としゅーさんが食いついた。

「え、それって確かにまゆまゆが亡くなった後にも放送してたけど」
「ガッテム! 悔いがあるとすれば、アニメ全話を見届けられなかった事かも知れないでしゅ」

 ダムダムと私は足元の雪を踏みしめた。

「原作は知ってるからラストはわかるでしゅ。結局はアニメは完結したんでしゅか?」
「ええっと……確か」

 私と違って、あまりラノベに興味がなかったしゅーさんが、必死で当時を思い出そうとしてくれた。
 だが、それよりも早くデブが教えてくれた。

「確か長寿アニメで第5期で完結したはずや。あれやろ、ネタバレええんかいな?」
「いいでしゅ!」
「ランドルフは生きてたで? ワイも懐かしくて、バーチャチャンネルの無料放送でよく見てたねん」

 何言ってるんだ? 違和感が凄いんだが。
 だが、それよりも……。

「原作だと、ランドルフは死んだままでしゅ!」
「アニメオリジナル展開らしいで? ついでに適役の、ほら女子受けするサウザーも生き返ってたわ」
「うぉおおーっ!」

 私の推しが! ああ、見たかった見たかった! 
 だけど彼が救われていて本望だ!

 歓喜に踊り狂う私と違い、しゅーさんは違和感の原因を質問した。

「ゼンさん……あなた今、懐かしいアニメって言ってましたよね? 失礼ですがあなたのいた時代の年号を教えてください」

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