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第8章 魔界の決戦
第111話 やでしゅ!
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いきなりの真相発覚で、衝撃を受けている場合ではない。
というか、こっちみんな女神。
「チビちゃん……」
「やでしゅ!」
「んーっとね、魔界って特別な空気で魔素って言ってね」
「やでしゅ!」
「普通の人とかダメで、精霊も力が出せなくってね」
「やでしゅ!」
「でも、加護のスキルだけは使えるのね」
「やでしゅ!」
「スキル持ちの愛し子ならば、魔素の影響も受けなくってね、だから」
「やでしゅって、言ってるだろぅがぁぁぁああああ――――っ!!」
「チビちゃぁぁぁ――ん!」
私を抱きしめようとする女神から、必死で逃げる。
テーブルを中心に、グルグルと追いかけっこだ。
捕まれば、乳埋めの刑に処される。
私は必死でグルグルと回る。
そう、回っているうちに変なドパーミンが出て、なんかだハイになってきた。
ヨダレをたらして、私は恍惚の顔で走り回る。
それを見守る他の奴らの、生暖かい視線など気にしない。
「わきゃ~っ! あひゃあひゃ!」
「や~ん! まってぇチビちゃ~ん!」
「うひゃひゃ~! やでしゅぅぅう~っ!」
「ああん~待ってぇ待ってえ~♪」
「はい、そこまでです」
私は首根っこを掴まれて、いきなり視界が高くなった。
どうやらアールに片手で捕獲されたらしい。
プランプランとぶら下がりながら、アールにキックをするように反動をつけて暴れた。
「おいコラ! 落ち着け!」
「やでしゅ! やでしゅ! 絶対やでしゅ!」
「いや、だからまだ何も言ってないだろうが!」
「この後の展開が見えてるでしゅ! 魔界に行けって言われるでしゅ!」
抵抗する私と違い、歓喜に満ちたゼンが叫ぶ。
「帰れるんでっか! だったらワイが集めたこの世界の食材で、きっと妹も機嫌を直してくれるはずや!」
なぜか、帰る気満々のデブが、おおきにおおきにと、精霊たちと握手している。
てか、とりあえず釣られて普通に対応すんなお前らも。
女神もなぜか、いい汗かいたわ~と清々しい。
お前は本当に……以下略。
「ともかく、ありがとさんやでお嬢ちゃん。あんたのお陰で帰れそうやわ」
「……チッ」
確かに魔界に帰るのに協力すると言った記憶はある。
しかし、なんで私まで魔界に行く事になるんだよ!
そんな私の思考をよんだ女神が言う。
「彼の言う通り、おいしい料理を食べて、聖女から魔王に成りかけているアカリを助けてあげて欲しいの。あなたなら、人を癒させる料理を作れるでしょう?」
「アカリってのが、聖女の名でしゅね? 別にアタチじゃなくても、精霊どもがいってこーぃ! でしゅ!」
「あ、チビちゃん。私たち無理、力使えなくなる、ただの美しい鳥になる」
はいパスとエバが手を挙げると、次々に羊と亀が手を挙げた。
使えない……ただの人ではダメだというが、私一人でどうしろって言うんだ。
「ワイが良かったら案内するで?」
「道案内デブいたでしゅ!」
「妹も一緒に説得するさかい、帰り道だけ確保しときや」
「それは心配には及びません。私の目はこの子の目。最後の力に私はなるつもりです」
「今なれでしゅよ」
「アカリが怒りで、弾けちゃうかもだからダメ。とりあえず魔界への流出の穴は塞いだから、扉から向かって欲しいのよ」
行く事確定してるんかーいっ。
しゅーさんが私の手を握った。
「僕は離れないからね」
「危ないでしゅよ」
「試験も学校も、ないかも知れないよ?」
「夜は魔界で運動会でしゅかね」
半ば諦めの私たちの会話中に、アールがポトリと私を下に降ろして言った。
「精霊の力がなくとも騎士としてついて行く。何せ、お前は我の愛し子だ」
「よい盾が出来たでしゅ」
「我は人の騎士としても有能だし、体は精霊だから力が使えないだけで、人よりは魔素に耐性もあるしな」
「ちょっとアールシャンテス! それでも聖なるものにとって、魔界の疲労度は半端ないわよ」
止めるエバに、アールは珍しくカッコよく笑った。
「子供だけで行かせるわけには行くまいよ。魔界の者もいるし、共に精霊を代表して聖女に会ってくるさ」
「すまんのぅ、お前に重荷を背負わせて」
ジョージがアールに頭を下げた。続いてメリーも頭を下げる。
「私は人の姿では戦闘に向いていません。頼みますよ」
「我らの贖罪だ。せめて聖女に、助けになってやれなかった事を謝罪してくるさ」
「食材でしゅか?」
「うんうん、まゆまゆは黙ってようね」
なぜかしゅーさんに口を塞がれた。
女神がうんうんと目元を潤ませて頷いている。いや、お前が全ての始まりな?
「我とデブ……と、まあ、あと一人スキル持ちで腕のある奴か」
「ロコは子供だからダメでしゅよ」
「あ、あああ、あの、私」
「ダメですティナ。あなたは足手まといです」
「は、はははい。すいません」
しょげるティナにヨチヨチと撫でに行くふりをして、こっそり携帯用の食事の用意を頼むと、顔をあげて急いでティナは台所に走っていった。
あの奴隷は本当に役に立つなぁ……くれ。
「危険になったら、女神の力で転移させるわね。だからお願い狼ちゃん。この子達を守ってあげて、そしてアカリ達に私の声が届くようにしてほしいの」
「我らが聖女と対面すれば、それは可能ですか? しかし何か考えがおありで?」
「ええ、せめて女神らしいケジメはつけないとね」
今までと違う緩い顔を引き締めて、女神は覚悟を決めたようだ。
しかし私は、まったく聞いちゃいなかった。
というか、こっちみんな女神。
「チビちゃん……」
「やでしゅ!」
「んーっとね、魔界って特別な空気で魔素って言ってね」
「やでしゅ!」
「普通の人とかダメで、精霊も力が出せなくってね」
「やでしゅ!」
「でも、加護のスキルだけは使えるのね」
「やでしゅ!」
「スキル持ちの愛し子ならば、魔素の影響も受けなくってね、だから」
「やでしゅって、言ってるだろぅがぁぁぁああああ――――っ!!」
「チビちゃぁぁぁ――ん!」
私を抱きしめようとする女神から、必死で逃げる。
テーブルを中心に、グルグルと追いかけっこだ。
捕まれば、乳埋めの刑に処される。
私は必死でグルグルと回る。
そう、回っているうちに変なドパーミンが出て、なんかだハイになってきた。
ヨダレをたらして、私は恍惚の顔で走り回る。
それを見守る他の奴らの、生暖かい視線など気にしない。
「わきゃ~っ! あひゃあひゃ!」
「や~ん! まってぇチビちゃ~ん!」
「うひゃひゃ~! やでしゅぅぅう~っ!」
「ああん~待ってぇ待ってえ~♪」
「はい、そこまでです」
私は首根っこを掴まれて、いきなり視界が高くなった。
どうやらアールに片手で捕獲されたらしい。
プランプランとぶら下がりながら、アールにキックをするように反動をつけて暴れた。
「おいコラ! 落ち着け!」
「やでしゅ! やでしゅ! 絶対やでしゅ!」
「いや、だからまだ何も言ってないだろうが!」
「この後の展開が見えてるでしゅ! 魔界に行けって言われるでしゅ!」
抵抗する私と違い、歓喜に満ちたゼンが叫ぶ。
「帰れるんでっか! だったらワイが集めたこの世界の食材で、きっと妹も機嫌を直してくれるはずや!」
なぜか、帰る気満々のデブが、おおきにおおきにと、精霊たちと握手している。
てか、とりあえず釣られて普通に対応すんなお前らも。
女神もなぜか、いい汗かいたわ~と清々しい。
お前は本当に……以下略。
「ともかく、ありがとさんやでお嬢ちゃん。あんたのお陰で帰れそうやわ」
「……チッ」
確かに魔界に帰るのに協力すると言った記憶はある。
しかし、なんで私まで魔界に行く事になるんだよ!
そんな私の思考をよんだ女神が言う。
「彼の言う通り、おいしい料理を食べて、聖女から魔王に成りかけているアカリを助けてあげて欲しいの。あなたなら、人を癒させる料理を作れるでしょう?」
「アカリってのが、聖女の名でしゅね? 別にアタチじゃなくても、精霊どもがいってこーぃ! でしゅ!」
「あ、チビちゃん。私たち無理、力使えなくなる、ただの美しい鳥になる」
はいパスとエバが手を挙げると、次々に羊と亀が手を挙げた。
使えない……ただの人ではダメだというが、私一人でどうしろって言うんだ。
「ワイが良かったら案内するで?」
「道案内デブいたでしゅ!」
「妹も一緒に説得するさかい、帰り道だけ確保しときや」
「それは心配には及びません。私の目はこの子の目。最後の力に私はなるつもりです」
「今なれでしゅよ」
「アカリが怒りで、弾けちゃうかもだからダメ。とりあえず魔界への流出の穴は塞いだから、扉から向かって欲しいのよ」
行く事確定してるんかーいっ。
しゅーさんが私の手を握った。
「僕は離れないからね」
「危ないでしゅよ」
「試験も学校も、ないかも知れないよ?」
「夜は魔界で運動会でしゅかね」
半ば諦めの私たちの会話中に、アールがポトリと私を下に降ろして言った。
「精霊の力がなくとも騎士としてついて行く。何せ、お前は我の愛し子だ」
「よい盾が出来たでしゅ」
「我は人の騎士としても有能だし、体は精霊だから力が使えないだけで、人よりは魔素に耐性もあるしな」
「ちょっとアールシャンテス! それでも聖なるものにとって、魔界の疲労度は半端ないわよ」
止めるエバに、アールは珍しくカッコよく笑った。
「子供だけで行かせるわけには行くまいよ。魔界の者もいるし、共に精霊を代表して聖女に会ってくるさ」
「すまんのぅ、お前に重荷を背負わせて」
ジョージがアールに頭を下げた。続いてメリーも頭を下げる。
「私は人の姿では戦闘に向いていません。頼みますよ」
「我らの贖罪だ。せめて聖女に、助けになってやれなかった事を謝罪してくるさ」
「食材でしゅか?」
「うんうん、まゆまゆは黙ってようね」
なぜかしゅーさんに口を塞がれた。
女神がうんうんと目元を潤ませて頷いている。いや、お前が全ての始まりな?
「我とデブ……と、まあ、あと一人スキル持ちで腕のある奴か」
「ロコは子供だからダメでしゅよ」
「あ、あああ、あの、私」
「ダメですティナ。あなたは足手まといです」
「は、はははい。すいません」
しょげるティナにヨチヨチと撫でに行くふりをして、こっそり携帯用の食事の用意を頼むと、顔をあげて急いでティナは台所に走っていった。
あの奴隷は本当に役に立つなぁ……くれ。
「危険になったら、女神の力で転移させるわね。だからお願い狼ちゃん。この子達を守ってあげて、そしてアカリ達に私の声が届くようにしてほしいの」
「我らが聖女と対面すれば、それは可能ですか? しかし何か考えがおありで?」
「ええ、せめて女神らしいケジメはつけないとね」
今までと違う緩い顔を引き締めて、女神は覚悟を決めたようだ。
しかし私は、まったく聞いちゃいなかった。
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