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話が少し前後します

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はぁはぁ
屋敷はエントランスホールが見えればこっちのもんだ
モデルの仕事をして貴族の家に何軒か行った時にも迷ったらエントランスホールを目指せばいいと言われたし(貴族の家を1人で歩いたりはしないけど)
確かさっきこっちに見えた気がする、、あった!

男達は牢屋のところにしかいなさそうだからこのまま外に出よう!
手は縛られているけど他に拘束はされてない、大丈夫
外が途中で目覚めた森じゃないことを祈る
普通の人なら痛いであろう暴行を受け箇所は口の中が切れて血の味が嫌なだけだ、まぁ腫れてあざになるかもだけど骨が折られてないなら問題ない

ドレスが邪魔!ヒールはここで脱いでおこう
なるべく物音を立てないように玄関へ急ぐ、手がドアノブに届かない!くそっどうする!?どうする!?
玄関が叩かれる、お客か?一か八かだ!ドンっ!体を玄関にぶつける
はやく!はやく!もう一回!少し下がって扉に体当たり…そのまま外に転んだ

!?目の前には目を大きく口は開きびっくりしたお兄さんの顔…アイツらの仲間ではなさそうだ

「どっどうした!?」

「ゆうかい」

「誘拐?されたのか?」

コクコク

「まっまさか、いや、ここの家ならあり得るのか…?」

「はやく、にげないと」

「そっそうだな!こっちだ!」

途中で騎士団の服を着ている人に出会いお兄さんが話をしている
お兄さんは郵便配達員らしい
私は手当を受けながら騎士団の人の質問に答える

「大丈夫か?俺は騎士団のゴウだ、お嬢さんのお名前は?」

「リュカ」

「リュカちゃんは誘拐されたんだね?」

コクコク

「ほかにも、ゆうかい、されてる」

「他にもいるのか?」

コクコク

「分かった、すぐに応援を呼ぶ、他に分かることはある?」

「ちかにいる」

「地下に他の人が捕まってるんだね?」

コクコク

「みせいねんのおんなのこ、5人」

「5人の女の子が捕まってるんだね?悪い人の人数は分かる?」

「ちかに3人いた、あとボスみたい人はやしきの人、2人とけんかしてた、そのすきに、にげた」

「6人の人を見たんだね?」

コクコク

「ちょっと悪い人を捕まえてくるから、このお姉さんと待っててね」

コクコク

逃げている間に少しずつ出てきた顔の腫れ、傷は魔法で治ってきた
ただでさえ会話が苦手なのに顔が腫れてると話しずらいから良かった

「こんにちは、辛かったね、もう大丈夫だからね」

コクコク

「もし良かったら誘拐された時のこと詳しく教えてくれるかな?」

お茶会で無効花香を嗅がされたこと、途中の森、屋敷でのことを話した

「そうだったのね、話してくれてありがとう、ちゃんとこっちで対処するからね」

コクコク

「その主犯の2人は知らない人なのね?」

「あったことはない」

「分かったわ、リュカちゃんを親御さんのところへ帰してあげたいのだけれどお母さんやお父さんのことは分かるかな?」

「きしだんのウルト団長にれんらくする」

「え?ウルト団長?って第三部隊のウルト団長?」

「わかんない、きしだんのウルト団長かネンさんがいい」

「ネン!?ネンさんって紫の魔法使いのネン様!?」

「わかんないけど、かみのけはこいムラサキ」

「知り合いなの?」

コクコク

「かっ確認するわね!」

急いでどっか行ったお姉さん、私を放置して怒られないのかな?
ネンさんってネン様なの?凄い人なのかな?
帰ったら知識の泉って称号もらってるし定番の図書館へ立て篭もりでもするかな
暫くしたら急いでさっきのお姉さんが戻ってきた

「リュカちゃん!」

「はい」

「大丈夫!?」

なにがだろう?

「誰かになんかされてない?」

「だいじょうぶ」

「良かった~確認取れたわ!直ぐに迎えにきてくれるから騎士団塔で待ってましょう!」

「はい」

私がウルト団長に保護されてた施設も治療院じゃなくて騎士団塔だったのかな?そう言えば聞いてなかった
お姉さんに連れられてついた先は保護されてた所と同じ模様の門が立ってたからやっぱり騎士団塔だったんだな、ここも広そう
お姉さんの話ではかなり遠い街に来ているみたいだから泊まりかな?ここはどんな街かなぁ、観光してから帰りたいなんて思いながら門をくぐると

「「リュカ!!」」

「おひさしぶりです」

「大丈夫か」

コクコク

「痛いところはない?」

コクコク

「話してくる」

ウルト団長はどっか行っちゃったけど顔は心配してくれてたな
ネンさんはペタペタ触って怪我の状態とか確認してるのかな?

「無意識に魔法陣使ったのなんて久しぶりだよ」

ネンさんとウルト団長は魔法陣で来たんだね
私よりも早く騎士団塔に着くって事は話聞いて直ぐ来てくれた感じかな?

「たまたまウルト団長の部屋に居て良かったよ!」

ウルト団長は巻き込まれてこっちに来た感じかな?それは良いのか?

「しごとはだいじょぶなの」

「大丈夫だよ!ウルト団長もこっちに来る事になっただろうし良かった良かった!」

良かったらしい

「リュカ、本当に大丈夫?」

コクコク

確認されながら話しているとお姉さんが中に案内してくれることに
恐縮してたからネンさんは紫の魔法使いのネン様で一致しているらしい

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