お前以外には触らせてないんだよ!

くるむ

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作戦決行の結果 2

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人がいようがお構いなしに、和基は俺を抱っこしたまま凄いスピードで走り抜けていく。
ギョッとしたみんなが俺らの顔を凝視しているのが恥ずかしくて、俺は和基の胸に顔を預けるしかなかった。

ガチャ、バタン、パチッ、ドカドカ、パフン!

恐ろしい速さで和基の部屋に到達した俺は、今和基にベッドの上で押さえつけられている。

……おい。

明るい部屋で真正面から見る和基の表情は、怒りに塗れているというわけではなかった。
まあ、一応怒ってはいるようなんだが……。

「……かず」
「青葉さん、ヤキモチ焼いてくれてたんですか?」
「はあっ!?」

なんだコイツ!
俺に謝るのをすっ飛ばして、そこを突くか!?

和基が八神に本気で怒ったことで溜飲が下がる思いだったのに、また腹の底からじわじわと怒りが沸き起こって来た。

「……誰に言ってんだ。放せ」
「……! 青葉さん、ごめん俺、」
「煩い! 放せ! だいたいお前は、俺が何で怒っているのかも分からないんだろう! いいから、はな……」
「嫌です!!」

俺の冷えた声にいったんビビった表情になったくせに、引くどころか和基はさらにギュウッと俺を抱きしめてベッドに押さえつける。

きっと素直で性格の良い奴なら、ここで自分の気持ちを相手に訴えて仲直りという事になるんだろうけど、俺の天邪鬼な性格はそうそう直るようなものじゃないんだよ!

心の中でそう喚きながらジタバタ暴れる俺を、和基はさらに抑え込むように、ギュウッと俺を抱く腕の力を強くした。

「ごめん、ごめん青葉さん。調子に乗りました、俺。……さっきの青葉さんの言葉が、胸に刺さっちゃって、俺……」
「煩い! もう、いい! 放せって!」
「嫌です!!」

「……!!?」

嫌だと言った後、和基が俺の耳に唇を当てた。
熱い吐息と柔らかく弾力のある暖かなその唇に、俺の心がキュウッとなって、体がピクンと揺れた。
和基の唇は、そのまま下降して俺の首筋へと移動する。

「か……、和……」

「ごめんなさい……、青葉さん。俺……、うれしかったんです。だって、好きなのは……俺ばかりだと思ってましたから……」
「和……基」

和基の唇を肌に感じて、すっかり力が抜けてしまった俺の変化を感じとったのか、和基は俺の頬に手を当てて頭上からしっかり目を合わせた。
その真剣な色は、何かを必死にこらえているようにも見える。

「……いくら芝居とはいえ、八神に抱きしめられてたのは許せませんけど」

「抱きしめられてなんかない。少し近づいただけで、触られてもいないよ。……その約束だったし。羽瀬川が言ってた通り、あれは全部今までのお前に対する当てつけの、単なる芝居だ」

「……え? さ、触られてないんですか!?」

俺の言葉に目を丸くした後、すぐに和基の表情は力が抜け、気の抜けた表情に変わった。毒気も全部吹っ飛んだようだ。
そして、見る見るうちにホッとしたような顔へと変わって行く。

「すみません……、青葉さんを追い詰めちゃってたのは俺なんですね。……でも、良かった。自分も後輩にしていてなんですけど……、仮に青葉さんが八神の頭をもし撫でたりしていたら、きっと八神のこと蹴り飛ばしただけでは気が済まなくて、青葉さんが気を失うまで抱きつぶしてしまうくらい嫉妬しちゃいますもん」

「……!!!」

……こ、こいつ。
……やっぱり、ワンコじゃないのか?

「すみませんでした、青葉さん。俺、これからは青葉さんが他人にしたら、俺が嫉妬するようなことは一切止めます。だから、青葉さんも絶対に誰かの頭を撫でようなんて考えないでくださいよ?」

「……!!!」

こ、こいつ……。絶対牽制しているよな?
俺が八神の頭を撫でようとしていたことに気づいていて、しっかり根に持っている……。

「青葉さん、返事は?」
「……っ、分かってる。……それに本音を言えば、俺はお前以外の奴には一切触られたくなんて無いんだ」
「青葉さん……!!」

感極まった様子で、ワンコなのか肉食獣なのかさっぱり分からない和基が俺をまたギュウッと抱きしめた。
だけどすぐにその力を緩めて俺を解放し、俺の唇に熱い唇を重ねる。


溺れているのは俺の方だ。

言いたくない本音を口にさせられた俺だけど、それもまたいいかと、和基の背中に腕を回した。
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