最強美人が可愛い過ぎて困る

くるむ

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第四章

図書館でおべんきょー

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そして月曜日。
今日からは部活が休みに入るので、約束通り御影さんと一緒に図書館に向かった。

図書館に着いて驚いた。
だって、結構人がいるんだよ。
俺はもっとガラガラでほぼ貸し切り常態かと思っていたんだ。

「やっぱ試験前は混んでるな」
「いつもこうなんですか?」
「そのようだぞ。俺はテスト前にここに来るのは初めてだけど、家に帰るよりははかどるって奴は結構いるみたいだ」

へえー……。
御影さんは初めてなんだ。
そっかー、そっかー。ヘヘッ

「蒼空、向こう。窓際の席が空いてる」

御影さんの何気ない言葉に勝手に感動している間に、御影さんが空席を見つけて俺の腕を引っ張った。
視線の先を追ってみると、他のテーブルと違って教室にある机を2つくっつけている2人席が窓際に備えられていた。
俺の腕を引っ張りながら歩いていた御影さんが誰かの視線を感じたようで、くるっと振り向いた。
そして俺の腕を掴んだままぺこりと頭を下げる。

……?
あ。

気になったので俺も振り向いて、『あー』と思った。
だって、ちょっと離れた先に御影さん憧れの田上先輩がいたんだよ。

田上先輩は俺らが入って来た時から気付いていたのか、御影さんに手を上げて合図を送った後そのままずっとこちらに視線を向けている。

せっかく2人の時間を作れると楽しみにしてたんだ。田上先輩に誘われないうちに、御影さんの注意をこっちに引き戻さなくちゃ。
我ながら小賢しいとは思ったけど、適当な話題で御影さんを俺の所に振り向かせた。

「あー……と、御影さんはどの教科を勉強するんですか?」
「え? ああ、一応化学をやろうかと。初日だし、あまり好きではないけど無視するわけにはいかないから」
「そうなんですか」

へー。
御影さんって化学が苦手なんだ。ちょっと意外だ。

「蒼空は?」
「俺は数学です。一番勉強しやすいかなって思って。ついでに問題集も持ってきました」
「俺も参考書を持って来た」

そう言ってカバンから参考書を出して見せてくれた。
今日は真面目に勉強しなくちゃいけないな。
俺らは向かい合わせて座った状態で、それぞれのテスト勉強に身を入れることにした。



「…………」
チラッ。

あー、やっぱり美人だよなあ。
真面目な顔で目を伏せているその表情はいつもと違って愛らしさよりもクールな感じが勝るけど、それはそれでドキドキしちゃってしょうがない。

待て待て。
ココには一応試験勉強をしに来てるんだ。
御影さんの邪魔になるようなことをしちゃだめだし。



「…………」
チララッ。
パチッ。
「…………」

俺が御影さんを気にするように、どうやら御影さんも俺を気にしてくれていたらしい。
ほぼ同時に顔を上げた2人の視線がかち合って、俺も御影さんも照れ笑いを浮かべてしまった。
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