ドラゴンアース anotherstory ‐死の魔女‐

王国襲撃

6.

このキーカンバーは凄い…。

キーカンバーの頭の上に立つ白装束を着たミレアは、素直に関心した。

キーカンバーはもはや、ミレアに忠誠を誓った巨大な兵器でしかなかった。

先日、サーカッシュの洞窟で、キーカンバーはミレアによって、長い寿命を強制的に終えてしまったのだ。

ミレアが龍地球で、禁断とされている魔法を使った為に…。

その魔法の名は、霊魂弾禁断魔法ソウルバスターといい、魔法を唱えた者が、死の国ボーライより霊魂（つまり亡霊）を召喚し、その霊魂を呪文で、極限まで霊力を高め、標的に撃つ。

霊魂弾の威力は、一つの亡霊で十人の人を殺傷できる威力をもつ。

ただ召喚された亡霊は、あまりにも霊力を高められ、亡霊は永遠に消失してしまう。

消失した霊は死の国ボーライに戻る所か、永遠に輪廻転生ができなくなるのだ。

まさに霊にとっても、標的にされた者にとっても、恐ろしい魔法である。

その為、この魔法は古来の魔法使い達が、霊の安らぎと輪廻転生への願いをこめ、禁断の魔法としたのだ。

それにも関わらず、ミレアは何十の霊達を使い、キーカンバーを倒したのだ。

キーカンバーは胸に風穴を空け、目を上目にしながらも、致る場所の建造物を破壊しながら行進した。

「王城です、キーカンバー。夜明けまでにアールドを破壊しましょう…」

燃え上がる建造物の熱風にあたられながら、ミレアは宣言した。

やがて動く龍死体ドラゴンゾンビと成り果てたキーカンバーと、その頭に立ちながら龍死体を操るミレアが、王城へと接近してきた。