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Four Horsemen of the Apocalypse(黙示録の四騎士)モート編
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―――
ロマネスク様式の一軒家から外へ出ると、モートはマリンシスを連れてノブレス・オブリージュ美術館に向かった。
ヘレンももう美術館近くにいる頃だろう。
と、突如。
赤黒い雹が降る大空から、腐り始めた地面へと巨大な馬が四頭着地した。馬上にはそれぞれ頑丈そうな鎧を着た騎士が跨っていた。
真っ黒な空を切り裂いていく落雷の中。激しい衝撃音が木霊した後に、空が割れんばかりの声が辺りに鳴り響いた。
天からくる赤黒い雹が一時だけ止んだ。
「この日。終わりの時が変わったのだ。これから、第七の封印が解けるだろう。だが、第七のラッパが吹かれた後に、第七の鉢が壊れ、あらゆる生命の誕生が死へと代わるだろう。その後、破壊的な地震は起きることはない。だが、虚偽の王国がこの街に栄えるようになったのだ」
「……」
「……」
モートは騎士たちが、最初何を言っているのかよくわからなかった。だが、旧約聖書にはレメゲドンは書かれていないようだが、ソロモン王が関連している。そして、悪霊を呼び出す術(ニグロマンシー)は悪魔を使役したというソロモン王とも関与しているはず。そして、ジョンがレメゲドンの保持者だ。と、そこまで一連の出来事をまとめて考えてみた。
マリンシスは何も言えなかった。頑なに目をつぶり、身体がガタガタと震えている。
それだけ言うと、騎士たちは再び空へと飛翔し帰って行った。
「封印が解ける。だって? すぐにオーゼムのところへ行かないといけない。ノブレス・オブリージュ美術館へ急ごう」
今にも崩れ落ちそうなマリンシスの手を取って、モートはまた降りだしてきた赤黒い雹を一切気にせずに街を急いだ。
ロマネスク様式の一軒家から外へ出ると、モートはマリンシスを連れてノブレス・オブリージュ美術館に向かった。
ヘレンももう美術館近くにいる頃だろう。
と、突如。
赤黒い雹が降る大空から、腐り始めた地面へと巨大な馬が四頭着地した。馬上にはそれぞれ頑丈そうな鎧を着た騎士が跨っていた。
真っ黒な空を切り裂いていく落雷の中。激しい衝撃音が木霊した後に、空が割れんばかりの声が辺りに鳴り響いた。
天からくる赤黒い雹が一時だけ止んだ。
「この日。終わりの時が変わったのだ。これから、第七の封印が解けるだろう。だが、第七のラッパが吹かれた後に、第七の鉢が壊れ、あらゆる生命の誕生が死へと代わるだろう。その後、破壊的な地震は起きることはない。だが、虚偽の王国がこの街に栄えるようになったのだ」
「……」
「……」
モートは騎士たちが、最初何を言っているのかよくわからなかった。だが、旧約聖書にはレメゲドンは書かれていないようだが、ソロモン王が関連している。そして、悪霊を呼び出す術(ニグロマンシー)は悪魔を使役したというソロモン王とも関与しているはず。そして、ジョンがレメゲドンの保持者だ。と、そこまで一連の出来事をまとめて考えてみた。
マリンシスは何も言えなかった。頑なに目をつぶり、身体がガタガタと震えている。
それだけ言うと、騎士たちは再び空へと飛翔し帰って行った。
「封印が解ける。だって? すぐにオーゼムのところへ行かないといけない。ノブレス・オブリージュ美術館へ急ごう」
今にも崩れ落ちそうなマリンシスの手を取って、モートはまた降りだしてきた赤黒い雹を一切気にせずに街を急いだ。
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