夜を狩るもの 終末のディストピアⅡ meaning hidden

主道 学

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Rain of blood (血の雨) モート編

04

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 急に配管だらけの空間の脇の排水路から赤い水が流れてきた。
 モートは考えた。
 ここの上はトンネルだった。恐らく外は血の雨が降ってきているのだろう。

 天井のぶらりとしたライトが突然に破裂した。
 奥の方から多くの黒い魂がゆっくりとこちらに向かってきていた……。

 モートは落ち着いて銀の大鎌を黒のロングコートから再び取り出した。構え直すと、空間の片隅に隠しておいた少女がなにやらビクビクと動きだした。

 少々、焦り気味になったモートは、奥へと走った。

 それはゾンビ……アンデッドの群れだった。ひたひたとこちらに歩いてきている。何故、ゾンビだとわかるかというと、全て手術の後があるからだ。あるものは、右肩から胸にかけて普通なら致命傷になるはずのメスによる裂傷が見える。また、あるものは、そのまま胸が大きく開かれていた。

 ゾンビの群れの大きく裂けた胸は、完全に停止した心臓が見える。

 どこかから大きな銃声が木霊した。
 モートの身体を幾つかの弾丸が貫通していった。
 
 まず、モートはゾンビの群れへと走った。
  
 そのままど真ん中に突っ込むと、腐臭漂う空間でモートは次々とゾンビの首を素早く狩り続ける。その間。銃声は鳴り続けていた。

 だが、弾丸はモートに決して当たることはない。
 倒れたゾンビはびくびくと痙攣している。

 ゾンビは動きが緩慢で首をたやすく狩りやすいはずなのだが、何故かモートは訝しんだ。黒のロングコートが徐々にだが濁った血液の汚れで、そのせいかひどく重くなってきているのだ。

 身体が重くなったモートは危険を察知してゾンビの群れから少し距離を置いた。

 その中心に銀の大鎌を思いっきり投げつける。

 高速に回転した銀の大鎌はアンデッドの群れの複数の首を正確に狩って行った。濁った血液が大量に地面にばらまかれ、腐った水たまりができる。

 銀の大鎌がモートの手に戻る頃には、首を狩られたゾンビの群れはその場に音を立てて崩れ落ちていた。
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