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壊れる現実
デートの誘い
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霧の濃い深夜で、物静かになっている空間にどっぷりして考え事をしていると、
「ご主人様!」
安浦がドアを開けると、飛び出してきた。
「心配しましたよ」
「ああ。悪かった」
私は嬉し恥ずかし……少し鬱陶しい。
「もう。ご主人様に何かあったら、あたし」
安浦は涙目になっている。
「ああ。大丈夫さ。ただ単の残業だったんだ」
その途端、安浦はパッと顔を輝かせ、
「危険な戦いじゃなくて、残業だったのですか?」
「ああ」
「それならそうと……連絡」
「ああ……御免」
夕食はまた豪勢だった。安浦は夕食を待ってくれたようで、一緒に食べることになった。何を隠そう私は霧画に無理を言って、長椅子をもう一つ買って来たのだ。
これで、安浦の件は何とかなった。
「ご主人様。南米で何をするんですか」
安浦は大き目のハンバーグのフォーク片手に尋ねた。
「それが、霧画や呉林も解らないようなんだ。俺もどうなるのか解らない。でも、呉林姉妹の言う通りに南米に行かないといけないんだ。この世界を何とかするために」
安浦は目を輝かせ、
「さっすがご主人様! あたし、ご主人様と結婚する! 世界を救うヒーローと結婚! 結婚! 結婚! 結婚よ!」
「は?」
私はどうしていいかうろたえる。安浦はとても嬉しいのか結婚を力いっぱい言い続ける。けれど、私は呉林が今でも好きだ。
……食事は楽しかった。安浦は終始ご機嫌になり、私は料理の素晴らしさを噛み締める。
「明日はどうするんですか?」
玄関越しに安浦は聞いてきた。
「明日は休みだ」
安浦は大はしゃぎで喜び、
「じゃあ。……デート……お願い」
最後は尻つぼみになる。
「解ったよ。おやすみ安浦」
私は食事のお礼ということで承諾した。
「ご主人様!」
安浦がドアを開けると、飛び出してきた。
「心配しましたよ」
「ああ。悪かった」
私は嬉し恥ずかし……少し鬱陶しい。
「もう。ご主人様に何かあったら、あたし」
安浦は涙目になっている。
「ああ。大丈夫さ。ただ単の残業だったんだ」
その途端、安浦はパッと顔を輝かせ、
「危険な戦いじゃなくて、残業だったのですか?」
「ああ」
「それならそうと……連絡」
「ああ……御免」
夕食はまた豪勢だった。安浦は夕食を待ってくれたようで、一緒に食べることになった。何を隠そう私は霧画に無理を言って、長椅子をもう一つ買って来たのだ。
これで、安浦の件は何とかなった。
「ご主人様。南米で何をするんですか」
安浦は大き目のハンバーグのフォーク片手に尋ねた。
「それが、霧画や呉林も解らないようなんだ。俺もどうなるのか解らない。でも、呉林姉妹の言う通りに南米に行かないといけないんだ。この世界を何とかするために」
安浦は目を輝かせ、
「さっすがご主人様! あたし、ご主人様と結婚する! 世界を救うヒーローと結婚! 結婚! 結婚! 結婚よ!」
「は?」
私はどうしていいかうろたえる。安浦はとても嬉しいのか結婚を力いっぱい言い続ける。けれど、私は呉林が今でも好きだ。
……食事は楽しかった。安浦は終始ご機嫌になり、私は料理の素晴らしさを噛み締める。
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「明日は休みだ」
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最後は尻つぼみになる。
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