ご近所STORYⅡ エレクトリックダンス【改訂版】

主道 学

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捜索

捜索 2

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 閑静な住宅街が居並ぶ云話事ベットタウンの国道6号線を走行中。バックミラー(電子式のミラー)に赤い点滅が出てきた。助手席にいたマルカが急に銃を抜いて合図をした。

 遥か後方から猛スピードで、赤い車が走って来た。
「雷蔵様!! スピードを上げてください!!」
 マルカの銃は大型マシンピストル。
 ソ連のスチェッキン・マシンピストルだ。
 赤い車は僕のランボルギーニの運転手側にあっという間に追いつくと、窓を開けて、撃ってきた。車の中にはノウハウが二体だ。
 一体は運転に専念しているようで、もう一体はアサルトライフルを装備していた。

「雷蔵様!!」
 マルカが身を挺して僕目掛けて撃たれた弾丸を跳ね返した。マルカの身体の皮膚はその辺のアサルトライフルの弾丸よりも頑丈なのだ。

 マルカは、相手がカートリッジ交換のため撃ち終わると、反対のランボルギーニの左窓から、上半身をボンネットの上に乗り出してマシンピストルを撃ち放った。

 連続する発砲音が道路のど真ん中で鳴り響く。マルカのマシンピストルの銃撃と新しいカートリッジを装填したアサルトライフルの赤い車からの激しい銃撃の応戦で、周りの一般車両が巻き込まれた。煙を上げる車や横転する車が現れ、各々の車両が急ブレーキをしたり逃げ出したりと大混乱が起きる。

 猛スピードで走り回る赤い車は車体が弾丸でべこべこになって半壊した。だが、頑丈な作りのようだ。ノウハウはしっかりと体を固定させて何事もなかったかのように撃って来る。運転中のノウハウは、マルカの射撃を交わすための右に左にハンドルを切ることもない。

 激しい銃撃の火花と相手の応戦で、お互いの車が見えにくくなるほどの硝煙があがった。

 しまいには、僕のランボルギーニに無数の穴が空いてきた。
 僕の車は防弾の特殊仕様でできているが、アサルトライフルで撃たれ過ぎて、車体が持たなくなってきた。

 そして、一発の弾が貫通してしまった。

 僕は腕を怪我して、止むなく対向車線の車を避けながら道端へと突っこんだ。
 停車すると、すぐさまマルカが車から降りると、手榴弾を赤い車の車内目掛けて放り投げた。

 赤い車は内部から爆発し、ボロボロの状態でどこかへと走り去って行った。
 
 その後、負傷した僕はマルカによって、応急手当をされ近くの病院へと向かった。病院で処置を待っている最中。駆け付けた警察官と裁判官も兼ねるノウハウに幾つか質問された。

 だが、僕は当たり障りのないことだけを淡々と告げた。
 白くL字型の大きな総合病院。云話事・仁田・クリニックでは、ヨハが心配していた。僕の腕はマルカによって包帯を巻かれていたが、真っ赤な血だらけになった腕を見て、ヨハは険しい表情を作った。

「雷蔵様~~。大丈夫じゃなさそうで~~す。先生早く来てくださ~~い」
 間延びした声のヨハが、ひっきりなしに白衣のノウハウ、看護婦が行き来する通路で仁王立ちした。

 すぐに近くの白衣のノウハウをヨハが捕まえた。

「大丈夫ですか? 今、お調べしますね……。マイナンバーカードを見せてください」

 ノウハウの持つ、手のひらサイズの識別装置で、挿し込んだマイナンバーカードを認識している間。僕は通路の長椅子に腰かけた。痛みは酷かったがあまり気にしていない。

 それより、僕はさっきの赤い車はきっと坂本 洋子の送った刺客だと思ったが、隣に座っているマルカに赤い車を調べてもらっていた。マルカは僕の腕の包帯をきつく締めたりしながら、全警察暑のデータバンクと体内で通信している。

「だから~~。私を~~。連れてって~~~て、言ったのに~~」
 
 ヨハは白衣のノウハウが僕を奥の診察室に案内するのを見送った。
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