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捜索
捜索 4
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ゆっくりとコーヒーを楽しんで、一息入れると。僕たちはフェラーリで今度は高速に乗って再びA区に向かった。
「雷蔵様~~。やったです~~。今、アンジェが敵を掃討しました~~。そして、やはりC区の興田様が指令をしています~」
運転中に隣のヨハが自宅のアンジェの状況を報告した。
「それはよかった……C区はまだ僕たちが九尾の狐の仕業じゃないと気が付いてることは、知らないはずだし巻き返しも面白い」
僕は前方を見つめて不敵に笑う。
「ねえ、ヨハとマルカ。このまま僕たちはしばらくの間は、九尾の狐のせいだと思って戦っていようよ」
高速を降りて、交通量は少ない夜道を走行していると、A区の長閑な街並みや雑木林。農場や小さいスーパーなどが見えて来た。信号はいずれも青だった。
「まずは、どこか体を休ませる場所を見つけよう」
僕は車のカーナビから手近なホテルを探した。
「雷蔵様~~!! 何か来ます~!!」
「雷蔵様!! 危険です!!」
突如、後方から大きな爆発音が鳴り響いた。
見ると、フェラーリのトランクの辺りが何らかの攻撃で、火を吹いていた。後部座席のマルカが左窓を開けて、マシンピストルを後方へと向けて撃ちだす。
「雷蔵様~~!! スピード~上げてくださ~~い!!」
ヨハの声を聞いた僕は、スピードを上げた。時速150キロの猛スピードを一般の片側2車線道路で振り絞る。
前方の車をジグザグに追い抜いていたが、周囲の車も何らかの攻撃で破壊されていった。
敵は無差別のようだ。
赤く明滅する電子式の液晶のバックミラーが何かを捉えた。
敵はノウハウが乗り回す三台の全長12メートルの大型トレーラーだ。
その中の一体のノウハウが助手席の窓から、こちらに大型のライフルを構えている。
このフェラーリにも防弾装備の特殊仕様があるが、相手は大型の対物ライフル。マクミラン ローバー50BGMと呼ばれるものだ。
僕は舌打ちをして、ノウハウの照準を避けようとフェラーリのハンドルを右に左に回した。周りの車は大混乱をきたす。マルカの銃撃で、真後ろにくっついた大型トレーラーのフロントガラスが次第に破壊されていった。
すると、ヨハがその時素早い行動をした。
足元に備えていたハンドバズーカを持ち。窓から身を乗り出し、真後ろのフロントガラスがなくなった大型トレーラーを狙って弾を撃ち込んだ。
大爆発の後、大型トレーラーは横転し、周囲の車も何台か犠牲にした。
「雷蔵様~~!! やりました~~!! でも周りの車が~~!!」
残りは二台の大型トレーラーだ。
「まだです、雷蔵様! 気を付けて下さい!!」
マルカがマシンピストルで応戦している最中《さなか》、前方にガードレールが横切っていた。かなりの急カーブをしなければ時速150キロでは曲がり切れない。
僕は軽く舌打ちした。
「雷蔵様~~!! ブレーキ~!!」
「駄目だ!! 相手はトレーラーだ!! ブレーキを使うと、アリが象の足にわざわざ踏まれにいくようなものだ!!」
「雷蔵様~~!!」
僕はさすがに真っ青になった。後方から自転車が大急ぎで走って来たのを僕の視界が片隅で捉えた。
と、次の瞬間で。
後ろのトレーラーが落雷で、二台とも大爆発をした。
訳も分からずに、フェラーリをガードレールの手前擦れ擦れで急停車させると、一人の男が自転車から降りてきた。
「いや~、よかったね~。今日は番組を早く終わらせたんだよ。ようこそ、A区へ。矢多辺 雷蔵さん」
僕は呆然とその男を見た。
その自転車に乗ってきた相手は、藤元 信二だった。
「雷蔵様~~。やったです~~。今、アンジェが敵を掃討しました~~。そして、やはりC区の興田様が指令をしています~」
運転中に隣のヨハが自宅のアンジェの状況を報告した。
「それはよかった……C区はまだ僕たちが九尾の狐の仕業じゃないと気が付いてることは、知らないはずだし巻き返しも面白い」
僕は前方を見つめて不敵に笑う。
「ねえ、ヨハとマルカ。このまま僕たちはしばらくの間は、九尾の狐のせいだと思って戦っていようよ」
高速を降りて、交通量は少ない夜道を走行していると、A区の長閑な街並みや雑木林。農場や小さいスーパーなどが見えて来た。信号はいずれも青だった。
「まずは、どこか体を休ませる場所を見つけよう」
僕は車のカーナビから手近なホテルを探した。
「雷蔵様~~!! 何か来ます~!!」
「雷蔵様!! 危険です!!」
突如、後方から大きな爆発音が鳴り響いた。
見ると、フェラーリのトランクの辺りが何らかの攻撃で、火を吹いていた。後部座席のマルカが左窓を開けて、マシンピストルを後方へと向けて撃ちだす。
「雷蔵様~~!! スピード~上げてくださ~~い!!」
ヨハの声を聞いた僕は、スピードを上げた。時速150キロの猛スピードを一般の片側2車線道路で振り絞る。
前方の車をジグザグに追い抜いていたが、周囲の車も何らかの攻撃で破壊されていった。
敵は無差別のようだ。
赤く明滅する電子式の液晶のバックミラーが何かを捉えた。
敵はノウハウが乗り回す三台の全長12メートルの大型トレーラーだ。
その中の一体のノウハウが助手席の窓から、こちらに大型のライフルを構えている。
このフェラーリにも防弾装備の特殊仕様があるが、相手は大型の対物ライフル。マクミラン ローバー50BGMと呼ばれるものだ。
僕は舌打ちをして、ノウハウの照準を避けようとフェラーリのハンドルを右に左に回した。周りの車は大混乱をきたす。マルカの銃撃で、真後ろにくっついた大型トレーラーのフロントガラスが次第に破壊されていった。
すると、ヨハがその時素早い行動をした。
足元に備えていたハンドバズーカを持ち。窓から身を乗り出し、真後ろのフロントガラスがなくなった大型トレーラーを狙って弾を撃ち込んだ。
大爆発の後、大型トレーラーは横転し、周囲の車も何台か犠牲にした。
「雷蔵様~~!! やりました~~!! でも周りの車が~~!!」
残りは二台の大型トレーラーだ。
「まだです、雷蔵様! 気を付けて下さい!!」
マルカがマシンピストルで応戦している最中《さなか》、前方にガードレールが横切っていた。かなりの急カーブをしなければ時速150キロでは曲がり切れない。
僕は軽く舌打ちした。
「雷蔵様~~!! ブレーキ~!!」
「駄目だ!! 相手はトレーラーだ!! ブレーキを使うと、アリが象の足にわざわざ踏まれにいくようなものだ!!」
「雷蔵様~~!!」
僕はさすがに真っ青になった。後方から自転車が大急ぎで走って来たのを僕の視界が片隅で捉えた。
と、次の瞬間で。
後ろのトレーラーが落雷で、二台とも大爆発をした。
訳も分からずに、フェラーリをガードレールの手前擦れ擦れで急停車させると、一人の男が自転車から降りてきた。
「いや~、よかったね~。今日は番組を早く終わらせたんだよ。ようこそ、A区へ。矢多辺 雷蔵さん」
僕は呆然とその男を見た。
その自転車に乗ってきた相手は、藤元 信二だった。
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