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第380話:王女の旅立ちと、二つの国の未来
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収穫祭の熱狂も落ち着いたある日、賓客として聖域に滞在していたエルドリア国王クリストフがアキオとミランダ姫との正式な会談を申し入れてきた。収穫祭で見たゴーレムの技術、そしてアウロラの奇跡的な帰還。その二つが若い国王の心を強く動かしたのだ。
応接室にはアキオとクリストフ、そして少し緊張した面持ちのミランダ姫の三人がテーブルを囲んでいた。
「アキオ義兄上。先日の収穫祭、そしてアウロラ様の御帰還、誠におめでとうございます。あの鉄の巨人……ゴーレムの力、そしてこの聖域の活気と秩序、全てが驚異的でした」
クリストフはまず心からの賛辞を述べた。
「ありがとうございます、陛下。あれもドワーフや新しい仲間たちの力があってこそです」
「謙遜なさらないでください。あの力の根源が貴方様の哲学と、この聖域の在り方そのものにあることは、この数日で痛いほど理解いたしました。……その上で、改めてお願いがございます」
クリストフは姿勢を正し深く頭を下げた。
「我がエルドリアにも、貴殿が作ってくださった『小さな聖域』は確かに根付いております。ですが、その力を真に我が国の発展へと繋げるためには、聖域のより深い知識とそれを正しく導く指導者が不可欠なのです。どうか我らにお力添えを……」
その切実な願いをミランダは静かに聞いていた。そしてアキオが口を開くより先に、彼女は自らの意志でその役目を買って出た。
「国王陛下。……そしてアキオ様。もしお許しいただけるのでしたら、その大役、このわたくしにお任せいただけないでしょうか」
その場の空気がぴんと張り詰める。アキオもクリストフも驚いて彼女を見た。
「ミランダ姫……?」
「わたくしはこの聖域で多くのことを学ばせていただきました。土を耕す喜び、物を作る尊さ、そして何よりも、人々が互いを尊重し助け合うこの温かい空気こそが聖域の力の源泉であることも。この知識と経験をエルドリア王国のために役立てること。それがこの聖域と我がメイプルウッド王国、そしてエルドリア王国の三国にとって最善の道であるとわたくしは信じます」
その言葉はもはやただ留学に来ていた内気な王女のものではなかった。自らの国の未来と同盟国の未来をその両肩に背負う覚悟を決めた一人の王族としての力強い決意表明だった。
アキオはそのミランダの見事な成長に深く感銘を受けた。
「……ミランダ姫。君はいつのまにそんなに立派になったんだ。君がそこまで言うのなら、俺に否やはない。聖域の正式な『技術顧問』として君をエルドリア王国へ推薦しよう」
「アキオ様……! ありがとうございます!」
そのアキオの決断を受け、クリストフ国王は感極まった表情で立ち上がると、ミランダの前に進み出て跪いた。
「なっ……陛下!?」
「……ミランダ姫。貴女のその気高いお志、そして聖域の魂を宿したそのお心、確かに受け取りました。つきましては、これはエルドリア国王として、そして一人の男としての正式な申し出です」
クリストフはミランダの手をそっと取り、その瞳をまっすぐに見つめた。
「……どうか我が国へ、ただの技術顧問としてではなく、未来の王妃として来てはいただけないだろうか。貴女と共にエルドリアの新しい歴史を築きたい」
そのあまりにもまっすぐで熱烈なプロポーズ。ミランダは顔を真っ赤にしながらも、しかしその瞳には喜びの光を宿らせて、静かに、しかしはっきりと頷くのだった。
数日後、ミランダ姫がエルドリア王国へと旅立つ日が来た。彼女の旅立ちは聖域の力がその内側だけでなく、外の世界へも大きな影響を与え始めたその象徴的な出来事となった。そして遠いエルドリアの地で、彼女がどのように聖域の力を花開かせ、クリストフ国王との愛を育んでいくのか。
物語は新しい舞台へとその翼を広げていくのである。
応接室にはアキオとクリストフ、そして少し緊張した面持ちのミランダ姫の三人がテーブルを囲んでいた。
「アキオ義兄上。先日の収穫祭、そしてアウロラ様の御帰還、誠におめでとうございます。あの鉄の巨人……ゴーレムの力、そしてこの聖域の活気と秩序、全てが驚異的でした」
クリストフはまず心からの賛辞を述べた。
「ありがとうございます、陛下。あれもドワーフや新しい仲間たちの力があってこそです」
「謙遜なさらないでください。あの力の根源が貴方様の哲学と、この聖域の在り方そのものにあることは、この数日で痛いほど理解いたしました。……その上で、改めてお願いがございます」
クリストフは姿勢を正し深く頭を下げた。
「我がエルドリアにも、貴殿が作ってくださった『小さな聖域』は確かに根付いております。ですが、その力を真に我が国の発展へと繋げるためには、聖域のより深い知識とそれを正しく導く指導者が不可欠なのです。どうか我らにお力添えを……」
その切実な願いをミランダは静かに聞いていた。そしてアキオが口を開くより先に、彼女は自らの意志でその役目を買って出た。
「国王陛下。……そしてアキオ様。もしお許しいただけるのでしたら、その大役、このわたくしにお任せいただけないでしょうか」
その場の空気がぴんと張り詰める。アキオもクリストフも驚いて彼女を見た。
「ミランダ姫……?」
「わたくしはこの聖域で多くのことを学ばせていただきました。土を耕す喜び、物を作る尊さ、そして何よりも、人々が互いを尊重し助け合うこの温かい空気こそが聖域の力の源泉であることも。この知識と経験をエルドリア王国のために役立てること。それがこの聖域と我がメイプルウッド王国、そしてエルドリア王国の三国にとって最善の道であるとわたくしは信じます」
その言葉はもはやただ留学に来ていた内気な王女のものではなかった。自らの国の未来と同盟国の未来をその両肩に背負う覚悟を決めた一人の王族としての力強い決意表明だった。
アキオはそのミランダの見事な成長に深く感銘を受けた。
「……ミランダ姫。君はいつのまにそんなに立派になったんだ。君がそこまで言うのなら、俺に否やはない。聖域の正式な『技術顧問』として君をエルドリア王国へ推薦しよう」
「アキオ様……! ありがとうございます!」
そのアキオの決断を受け、クリストフ国王は感極まった表情で立ち上がると、ミランダの前に進み出て跪いた。
「なっ……陛下!?」
「……ミランダ姫。貴女のその気高いお志、そして聖域の魂を宿したそのお心、確かに受け取りました。つきましては、これはエルドリア国王として、そして一人の男としての正式な申し出です」
クリストフはミランダの手をそっと取り、その瞳をまっすぐに見つめた。
「……どうか我が国へ、ただの技術顧問としてではなく、未来の王妃として来てはいただけないだろうか。貴女と共にエルドリアの新しい歴史を築きたい」
そのあまりにもまっすぐで熱烈なプロポーズ。ミランダは顔を真っ赤にしながらも、しかしその瞳には喜びの光を宿らせて、静かに、しかしはっきりと頷くのだった。
数日後、ミランダ姫がエルドリア王国へと旅立つ日が来た。彼女の旅立ちは聖域の力がその内側だけでなく、外の世界へも大きな影響を与え始めたその象徴的な出来事となった。そして遠いエルドリアの地で、彼女がどのように聖域の力を花開かせ、クリストフ国王との愛を育んでいくのか。
物語は新しい舞台へとその翼を広げていくのである。
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