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ロキュス・目覚める
第122話 困惑
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メイドさんがレネーさんの傍にやってきて耳打ちをしていました。
「ロキュスさん、あちらでお食事は如何でしょう?」
苑囿について、最初は従魔を埋める為だけにやってきたので詳しく見ていなかったのと、今回は周辺の木に生っている果物をもいで食べていたので気付きませんでしたが、どうやら隅には椅子とテーブルがあるみたい。いつの間にか食事の用意が整っていました。
流石に果物だけでは・・・・丁度いい感じです。
「ありがとう。折角ですので頂きます。」
こういう時に断っては駄目なんですよね。
既に準備が終わっていますから、断れば無駄になります。
【主様、少し離れてもよろしいか?かわりはこの分身が承りますので。】
いつの間にかアスワムちゃんが傍に居ました。
今まで眷属達と何やらやっていたみたいなので、そのままにしていたのですけれど、それも終わったようです。
「何処かに行きたいのかい?」
【王都を出て鉱山に向かいたいのです。】
「時間がかかりそうだけど、アスワムちゃんが気になるのなら行ってきて。」
【ありがとうございます主様。】
アスワムちゃんが何か気になるようで、地面に潜ろうとしたら、
【我が主よ、我も一緒に行ってみようと思うのだが。】
天ちゃんが一緒に行ってくれるの?それは頼もしいかな。
「じゃあお願いします。」
【では失礼する。アスワムよ、我が背に乗るのだ。その方が早い。】
【天、ありがとう。では遠慮なく乗せて頂きましょう。】
よくわからないままアスワムちゃんと天ちゃんは何処かへ行ってしまいました。
「では食べましょ?」
・・・・
・・・
・・
・
この後2人で食事を。
ただ、何となくあちこちから視線を感じるんです。お姫様を見守っているのかな?
食事を終えると、天ちゃんが戻って・・・・じゃなくあれは天ちゃんの奥さんだね。もうすぐ来るって言っていたから。
誰か背に乗っている。僕より少し年上かな?
【ロキュス様復活おめでとうございます。】
天ちゃんの奥さんだ。
「ありがとう。背に乗っているのは誰かな?」
すると少年?は降り立ち、
「レネー様お久しぶりで御座います。こちらがロキュス殿で御座いましょうか?」
「まあこれはヨドークス、学院はいいのかしら?それとそうよ、彼はロキュスさん。私、彼の伴侶となりますの。」
「其れ処では御座いませんから。え?そうなのですか!それはおめでとうございます。父と母も喜びましょう!」
誰、コルネリスって。
「初めましてロキュス殿。僕はヨドークス・ファン・シュメルツァー。今年14歳になる。こう見えてシュメルツァー男爵家の嫡男なんだ!父と母もロキュス殿に一刻も早く会いたいと言っていたのだよ!」
「はあ・・・・その、シュメルツァー男爵でしょうか?申し訳ありませんが僕にはそのような男爵の知り合いはいないのですが。」
「ヨドークス、彼は15年もの眠りから昨日目覚めたばかりで、それまでの出来事を一切知らないままなの。だから知らない事だらけなのよ。」
「なんと!僕はロキュス・エルメリンス発見される!と聞いて直ぐに父と母へ連絡をし、私が一番にここへ到達できるからと先んじて来たのですよ。しかし、父が男爵位を得てもう10年以上経つので、失念しておりました。ロキュス殿、わが父の名はマルセル・ファン・シュメルツァー、母はベアトリクス・ファン・シュメルツァーと申します。」
やはり貴族の名に心当たりはありません。
「申し訳ありません。爵位を得ておられる貴族の当主の知り合いは、ペーテル子爵・・・・ノーテルマンス領の領主様と、ランメルト伯爵・・・・ヘルマンス領の当主しかいません。」
僕は男爵という身分に意識が行ってしまい、名前を確認するという行為を失念していました。
「え?ちょっと待て!何だか変だぞ?ペーテル様は伯爵だし、ランメルト様は侯爵だぞ?」
そんな筈はないのですが。
「ヨドークス、そんなに興奮するものではありませんよ。ロキュスさん、彼の父親はマルセル氏ですよ。母親はベアトリクス女史ですわ。」
え?マルセルさんとベアトリクスさんの子供なの?
「マルセルさんって平民だったはず。そう簡単に新規で爵位を得られるとは思えないのですが。」
「あのねロキュスさん、マルセル男爵が爵位を得たのはロキュスさんのおかげなのよ?」
「僕、そんな手伝いをした覚えはないです。」
「ロキュスさんはマルセル氏に眷属を誰よりも沢山託したと思うの。その眷属達を大事に扱って国にずいぶんと貢献したのよ、シュメルツァー夫妻は。その貢献を考えると、男爵位が相当と判断、今ではデイケン町の領主なのよ?」
15年も経てば、平民も貴族になれるのですね。
マルセルさんは商人ギルドでかなりやり手だったので、当然かな?
「ロキュスさん、あちらでお食事は如何でしょう?」
苑囿について、最初は従魔を埋める為だけにやってきたので詳しく見ていなかったのと、今回は周辺の木に生っている果物をもいで食べていたので気付きませんでしたが、どうやら隅には椅子とテーブルがあるみたい。いつの間にか食事の用意が整っていました。
流石に果物だけでは・・・・丁度いい感じです。
「ありがとう。折角ですので頂きます。」
こういう時に断っては駄目なんですよね。
既に準備が終わっていますから、断れば無駄になります。
【主様、少し離れてもよろしいか?かわりはこの分身が承りますので。】
いつの間にかアスワムちゃんが傍に居ました。
今まで眷属達と何やらやっていたみたいなので、そのままにしていたのですけれど、それも終わったようです。
「何処かに行きたいのかい?」
【王都を出て鉱山に向かいたいのです。】
「時間がかかりそうだけど、アスワムちゃんが気になるのなら行ってきて。」
【ありがとうございます主様。】
アスワムちゃんが何か気になるようで、地面に潜ろうとしたら、
【我が主よ、我も一緒に行ってみようと思うのだが。】
天ちゃんが一緒に行ってくれるの?それは頼もしいかな。
「じゃあお願いします。」
【では失礼する。アスワムよ、我が背に乗るのだ。その方が早い。】
【天、ありがとう。では遠慮なく乗せて頂きましょう。】
よくわからないままアスワムちゃんと天ちゃんは何処かへ行ってしまいました。
「では食べましょ?」
・・・・
・・・
・・
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この後2人で食事を。
ただ、何となくあちこちから視線を感じるんです。お姫様を見守っているのかな?
食事を終えると、天ちゃんが戻って・・・・じゃなくあれは天ちゃんの奥さんだね。もうすぐ来るって言っていたから。
誰か背に乗っている。僕より少し年上かな?
【ロキュス様復活おめでとうございます。】
天ちゃんの奥さんだ。
「ありがとう。背に乗っているのは誰かな?」
すると少年?は降り立ち、
「レネー様お久しぶりで御座います。こちらがロキュス殿で御座いましょうか?」
「まあこれはヨドークス、学院はいいのかしら?それとそうよ、彼はロキュスさん。私、彼の伴侶となりますの。」
「其れ処では御座いませんから。え?そうなのですか!それはおめでとうございます。父と母も喜びましょう!」
誰、コルネリスって。
「初めましてロキュス殿。僕はヨドークス・ファン・シュメルツァー。今年14歳になる。こう見えてシュメルツァー男爵家の嫡男なんだ!父と母もロキュス殿に一刻も早く会いたいと言っていたのだよ!」
「はあ・・・・その、シュメルツァー男爵でしょうか?申し訳ありませんが僕にはそのような男爵の知り合いはいないのですが。」
「ヨドークス、彼は15年もの眠りから昨日目覚めたばかりで、それまでの出来事を一切知らないままなの。だから知らない事だらけなのよ。」
「なんと!僕はロキュス・エルメリンス発見される!と聞いて直ぐに父と母へ連絡をし、私が一番にここへ到達できるからと先んじて来たのですよ。しかし、父が男爵位を得てもう10年以上経つので、失念しておりました。ロキュス殿、わが父の名はマルセル・ファン・シュメルツァー、母はベアトリクス・ファン・シュメルツァーと申します。」
やはり貴族の名に心当たりはありません。
「申し訳ありません。爵位を得ておられる貴族の当主の知り合いは、ペーテル子爵・・・・ノーテルマンス領の領主様と、ランメルト伯爵・・・・ヘルマンス領の当主しかいません。」
僕は男爵という身分に意識が行ってしまい、名前を確認するという行為を失念していました。
「え?ちょっと待て!何だか変だぞ?ペーテル様は伯爵だし、ランメルト様は侯爵だぞ?」
そんな筈はないのですが。
「ヨドークス、そんなに興奮するものではありませんよ。ロキュスさん、彼の父親はマルセル氏ですよ。母親はベアトリクス女史ですわ。」
え?マルセルさんとベアトリクスさんの子供なの?
「マルセルさんって平民だったはず。そう簡単に新規で爵位を得られるとは思えないのですが。」
「あのねロキュスさん、マルセル男爵が爵位を得たのはロキュスさんのおかげなのよ?」
「僕、そんな手伝いをした覚えはないです。」
「ロキュスさんはマルセル氏に眷属を誰よりも沢山託したと思うの。その眷属達を大事に扱って国にずいぶんと貢献したのよ、シュメルツァー夫妻は。その貢献を考えると、男爵位が相当と判断、今ではデイケン町の領主なのよ?」
15年も経てば、平民も貴族になれるのですね。
マルセルさんは商人ギルドでかなりやり手だったので、当然かな?
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