レンタル従魔始めました!

よっしぃ

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酒と紫色のスライム

第165話 王都でさえこうなのだから

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 ここはルーペルト王国の王都です。
 王都でさえ国王陛下の目が届かない場所があるんです。
 他の領地であればそれがもっと酷いのでは?

 デイケンはそういう意味で幸運だったのでしょう。
 たまたま僕が接した貴族、ノーテルマンス伯爵様及びヘルマンス侯爵様は領民を正しく導いていた、という事なんですね。

 聞けば他の領地では相当酷い状況の土地があるそうで、甘い言葉で人を連れて来ては使いつぶすとか。

 僕の言葉がそう受け取られていなければいいのですが。

 しかしどうした訳か交渉?は思いのほかスムーズに終わり、直ぐにでも人を送る、最初はお前達がいけ!と、先程戻ってきた若者たちが最初に開墾を行う事になりました。
 どうせ失ったと思っていた命だ。せいぜいスラム街の住民に行動で詫びを示せとか、一寸僕には理解できない理由でした。

 どうやら他の領地でこうした盗賊行為を行い捕まれば、元居た場所の住民も連帯責任とか言って全員何処かへ連れ去られる事があるのだとか。

 どうして陛下は気が付かないのでしょう。

 そう思いましたが、どうやらこれには裏があるようで、国の暗部を取り仕切っているという、公爵の存在が見え隠れしているのだとか。
 そのせいで陛下もこれと言った打開策を講じられないとか。

「なあロキュスとやら、俺達には選択の余地が無かったりするんだが、どう信用したらいいんだ?確かに食料は有り難い。そもそも食料があれば俺達はこうして苦しまないで済むからな。」

「その、僕も貧困の事は理解しています。そもそも僕もこうした所の生まれですし、たまたましっかりとした篤志家の方が管理する孤児院で育ったので上手く抜け出せましたが、つまり僕の出自は皆さんと同じなんですよ。」

 僕の記憶にはないですが、産まれた?拾われた場所を伝えるとどうやらボスさんは知っていたようで、
「ああ知っているぜ!あの辺りは壊滅したって言うからな。お前さん運がよかったな。しかし・・・・わかった。だが俺達全員どうやって養うつもりなんだ?」
「それに関してですが、開拓を行いますが、そもそもの最初は開墾から始めます。ワームが中心となって開墾をしますが、その時に邪魔になる岩の撤去や樹木の移動を行ってほしいんです。岩も樹木も後で使いますから、男性は力仕事でモノの移動を、女性は樹木などを材木として利用できるように枝を落としたり細かな作業をして欲しいんです。但しこれは大まかに決めたので、個人的に力はないけれど細かな作業がいいと思う男性もいるでしょうし、男性以上に腕っぷしのある女性もいると思いますし、それ以前に人が多く集まれば料理の用意や洗濯など、生活を任せたりまとめ役の人も必要ですので、まあその辺りはやってみて決めましょう!」

 最後にロキュスは紫色のスライムが吐き出したお酒を置いていった。
「こちらは大人が飲んで下さい。こちらはジュースですので子供に飲ませて下さいね。そして、もしよい返事を頂けるようでしたら、明日50人の若い人達と僕が出会った街道で会いましょう。期待しています。それと、罠だと思うのでしたら、そもそも既にここは場所を把握しているので、いつでも兵士による襲撃が可能ですから、できればそういう事を踏まえ信用してほしいです。」

 スラム街に救世主現れる!

 スラムの住民には独自のネットワークが存在する。時に行商人が驚くような伝達速度で世界中を駆け巡ったりする。
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