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よっしぃ

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酒と紫色のスライム

第168話 紫色のスライムは偉大だった

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 僕とレネーさんを見かけた双方は、お互い僕の所に向かってきました。
 何故?
 それは僕が道の真ん中に降り立ったからに他なりません。

 そして何故かスライム達がカバンから出て行ってしまいました。逃げられた?
 まさかの危険察知能力!
 僕が逃げたい!!いや、逃げたら駄目だね!それに隣には頼れるレネーさんが!
「あのね、守ってね。」
 頼られちゃった!
「来るように言われてこうしてやってきたが、あれは何だ?環境の違いを見せつける為に連れてきたのか?」
 スラムのボスと言われている人物です。
 未だ名前を知りません。名乗るつもりもなさそうです。
「はー、ロキュス殿、これは何ですかな?これから開拓の下見があると聞いて、こうしてやってきたのですが、あれはスラムの住民ですなあ。まさかスラムの住人に開墾をさせる腹積もりですかな?いかん、いかんのですよ!」
 商人の人ですね。名前は知りません。
 恐らく商人ギルド経由で此処に来たのでしょうが、僕は貴方を知らないです。
『あのね、王家での御用達の商人よ。腕は確か。』
 そっとレネーさんが教えてくれます。
「ロキュス殿、女どもがスラ・・・・痛い、痛い!」
「はじめましてロキュスさん。私は酒蔵組合を代表してまいりました。男共ははこうした事に疎いものですから、おほほほほ・・・・・」
 親方達の奥さん?
「私達開墾のお手伝いはできないけれど、時間がかかると思うので、生活面や食事に関して協力させて下さい!そして青いスライムを使わせてもらえれば、肥料も・・・・私達の前に、あちらの女性にお願いします。その、浮かれていました。知らなかったんです。」
 うん?どうしたのかな?
 あー、でも青いスライム、何処へ行ったのかな?
 うん、大丈夫。
 既にスラムの娘さんにとりついている。

 そして気が付けば他のスライムも戻って来たみたい。
【ご主人様、紫の子が呼んでいます。】
 何だろう?
 スラちゃんの指摘で紫の子を探すと、うわ!どうやったらあんなお腹になるの?
「どうしたらこんな・・・うわ!お酒の臭いが!」
 思わず叫んでしまいました。
「おお!これは素晴らしい臭いではないか!成程これが件の酒スライムか!」
 親方達は事お酒に関して素早い反応。
「どれ、もう出したいのであろう。ワシが器を出すからここに吐き出すがいいさ。」
 何故か樽を持って来ている別の親方。
 早速吐き出しているね。
 うーん、何処にあんなに入っていたんだろう。見た目以上に吐き出しているよ。
「おーい、そこのボスとやら、まだまだ止まらんようだ。これをそっちで空けてくれ!」
 親方、まさかスラムの住民に、この場で飲ますつもり?
「・・・・いいのか?」
「この子はいいと言っている。ジョッキはあるか?」
「ジョッキは僅かでいいさ。皆回して飲む。」
 衛生的にどうかと思うけれど、そんな都合よくジョッキを持っている人って居ないよね。

 結局5つの樽にお酒がなみなみと。
 色々言いたいけれど、あの短時間にどうやって?

 気が付けばスラムの女性と、道を挟んだ方の女性、双方何やら色々話し込んでいるようです。

 で・・・・
「おお!流石にいい飲みっぷりだな!」
「こんなうまい酒はいつぶりか!久しく味わった事の無い素晴らしい品種だ!」
「ほう、これと同等の酒を飲んだ事があると言うのか!こう言っては何だが儂らの酒蔵では、採算が合わんからなあ、ここまでの品種は滅多に造らんのだよ。それこそ数年仕込みだ!」
「そうかそうか。あんたらの腕をもってしても厳しいのか。」
「ああ、それにスラムの住民が飲んでいるのはなあ、儂らも知ってはいるのだが、金銭的にあそこまどぇ品質を落とさんと提供できんくてなあ。」
「質が悪いのは知っていたが、安いから誰も文句を言わなかったのだ。だがあれが何とっしてくれると聞いているし、この子何故こんなに酒をくれたんだ?」
「今は気にしても仕方あるまいて!それにあの子ももっと質のいい果物を取り込めば、もっともっと素晴らしい酒を出してくれるだろうて!うへへははぐべらごぐ!」
「あんた酒蔵の親方のくせに酒に弱いのか!さあ飲めもっと飲め!」

 紫の子が何か満ち足りた感じなんだけど。

 紫の子って、空気の読める子だった?
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