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酒と紫色のスライム
第176話 流石はマルセルさん
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マルセルさんは自分が今動けない。だから代わりに色々とやってくれる人を手配してくれていたんですね。
「これに関しては、周囲から色々言われると思うのですよ。何せマルセル男爵は私と違い今や爵位持ちです。権力のある男爵の頼みを一介の商人が断れるはずもなく、と思う輩もいるという事ですな。私の場合、ここまで育てて下さったマルセル男爵にこうして御恩の1も返せることが出来て大変気が楽なのですよ。」
「そうなのですか?」
僕は思わず聞いてしまいました。
「今までどれ程のしりぬぐいをして頂いたか。そして人脈ですな。商人というのは信用が第一なのですよ。しかしその信用を勝ち取るのは一筋縄ではいかない。なので最初の一歩をマルセル男爵が苦労してお膳立てをして下さったのですよ。」
するとレネーさんが、
「そうなのよロキュスさん。こうした人脈ってお金では決して買えないものなのよ。商人ギルドでは確か、【信用第一】【時は金なり】と教えているのじゃないかしら。他にも当然あると思うけれど、最初にあるのは間違いなく信用第一ね。あと、マルセルさんならきっと【目先の利益の惑わされるな】とか【人を見る目を養え】とかも教えているのではないかしらね。」
「よく知っておられますなあ。流石です。私共商人は大量の金を扱います。金がある所に人は集まります。それは私共に有益をもたらすだけではなく、不利益を被る可能性があります。そこで人をよく見てどういった人物か見極めろと口酸っぱく言われましたね。金目当てで近づく人が全て悪ではなく、むしろ警戒すべきは利益もないのに近づいてくる人です。何しろ善人に見えますし、本来の目的を巧妙に隠し、偽りの理由で上手く利用とするのですよ。そのような輩に気が付けば骨の髄までしゃぶりつくされた商人を何度見てきた事か。」
商人ってなかなか厳しいんだね。
じゃあ僕もマルセルさん達に守られたのかな?
「僕は運がよかったんですね。」
「そうですな。ロキュス様の場合、確か冒険者ギルドでベアトリクス男爵夫人の担当になられていたとか。これもめぐり合わせでしょう。こうしためぐり合わせは時に運がいりますが、必然の事もあります。ロキュス様はそうしたものを持っていたのでしょうし、もし15年前にあのような事件が起こらなければ、決してレネー様と知り合う・・・・知り合いはしましたでしょうが、このような親密な関係にはなる事はなかったでしょうな。」
成程、そういう考えがあるんだね。
「そ、そうね。私は15年前にはまだ生まれていなかったわ。そしてロキュスさんのスライムがが母の身体を治療していなかったら、私はこの世に生を受けていなかったでしょう。そういう意味でロキュスさんは命の・・・・恩人でいいのかしら?とにかくありがとう!」
この後細かい事は商人さんに任せる事にしました。
結局商人さんが真ん中に入り、スラムの住民と裕福な人々との摩擦は最小限に抑えられる事になりそうです。
● 作者からのお知らせ
● 作者からのお知らせです
11月に入ってから会社で休暇者が多数出ていて、応援その他で人手不足になってしまい、仕事が忙しくなってしまいました。
暫く更新が滞ってしまうと思います。ご了承願います。
次の更新は週末になりそうです。
「これに関しては、周囲から色々言われると思うのですよ。何せマルセル男爵は私と違い今や爵位持ちです。権力のある男爵の頼みを一介の商人が断れるはずもなく、と思う輩もいるという事ですな。私の場合、ここまで育てて下さったマルセル男爵にこうして御恩の1も返せることが出来て大変気が楽なのですよ。」
「そうなのですか?」
僕は思わず聞いてしまいました。
「今までどれ程のしりぬぐいをして頂いたか。そして人脈ですな。商人というのは信用が第一なのですよ。しかしその信用を勝ち取るのは一筋縄ではいかない。なので最初の一歩をマルセル男爵が苦労してお膳立てをして下さったのですよ。」
するとレネーさんが、
「そうなのよロキュスさん。こうした人脈ってお金では決して買えないものなのよ。商人ギルドでは確か、【信用第一】【時は金なり】と教えているのじゃないかしら。他にも当然あると思うけれど、最初にあるのは間違いなく信用第一ね。あと、マルセルさんならきっと【目先の利益の惑わされるな】とか【人を見る目を養え】とかも教えているのではないかしらね。」
「よく知っておられますなあ。流石です。私共商人は大量の金を扱います。金がある所に人は集まります。それは私共に有益をもたらすだけではなく、不利益を被る可能性があります。そこで人をよく見てどういった人物か見極めろと口酸っぱく言われましたね。金目当てで近づく人が全て悪ではなく、むしろ警戒すべきは利益もないのに近づいてくる人です。何しろ善人に見えますし、本来の目的を巧妙に隠し、偽りの理由で上手く利用とするのですよ。そのような輩に気が付けば骨の髄までしゃぶりつくされた商人を何度見てきた事か。」
商人ってなかなか厳しいんだね。
じゃあ僕もマルセルさん達に守られたのかな?
「僕は運がよかったんですね。」
「そうですな。ロキュス様の場合、確か冒険者ギルドでベアトリクス男爵夫人の担当になられていたとか。これもめぐり合わせでしょう。こうしためぐり合わせは時に運がいりますが、必然の事もあります。ロキュス様はそうしたものを持っていたのでしょうし、もし15年前にあのような事件が起こらなければ、決してレネー様と知り合う・・・・知り合いはしましたでしょうが、このような親密な関係にはなる事はなかったでしょうな。」
成程、そういう考えがあるんだね。
「そ、そうね。私は15年前にはまだ生まれていなかったわ。そしてロキュスさんのスライムがが母の身体を治療していなかったら、私はこの世に生を受けていなかったでしょう。そういう意味でロキュスさんは命の・・・・恩人でいいのかしら?とにかくありがとう!」
この後細かい事は商人さんに任せる事にしました。
結局商人さんが真ん中に入り、スラムの住民と裕福な人々との摩擦は最小限に抑えられる事になりそうです。
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11月に入ってから会社で休暇者が多数出ていて、応援その他で人手不足になってしまい、仕事が忙しくなってしまいました。
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